分数の計算は、たし算 7+8=15 や、ひき算 13-4=9 や、かけ算 2×6=12 や、わり算 32÷4=8 の組み合わせです。ですから、組み合わせ方を、「形」と見ることができます。

分数の計算を習う前に、

たし算 7+8=15 や、

ひき算 13-4=9 や、

かけ算 2×6=12 や、

わり算 32÷4=8 が、

楽にスラスラとできるようになっています。

 

この 4 つの計算を基礎として、

子どもは、分数の計算を習います。

 

さて、

分数の計算は、

たし算・ひき算・かけ算・わり算を

組み合わせるだけです。

 

だから、

分数の計算で習うのは、

新しい計算ではなくて、

たし算・ひき算・かけ算・わり算の

4 つの計算の組み合わせ方です。

 

となると、

分数の

全体を見ての印象としての「形」は、

実は、

2 種類あります。

 

1 つ目は、見た目の「形」です。

 

 {\Large\frac{〇}{〇}} のように、

棒の上と下に

数が書いてある「形」です。

 

2 つ目の「形」は、

たし算・ひき算・かけ算・わり算の

4 つの計算の組み合わせ方の「形」です。

 

これは、

目に見えない「形」ですが、

特有の組み合わせ方をしますから、

確かに、

組み合わせ方は、「形」です。

 

例えば、

 {\Large\frac{9}{4}}=2 {\Large\frac{1}{4}} や、

 {\Large\frac{2}{8}} {\Large\frac{1}{4}} のように、

同じ分数を、

違う書き方をするときの

書き換え方の「形」です。

 

一方の分数から、

他方の分数に書き換える計算は、

たし算・ひき算・かけ算・わり算の

4 つの計算の組み合わせです。

 

それぞれ違う組み合わせ方です。

 

つまり、

組み合わせ方を「形」と見て、

「形」が違います。

 

仮分数  {\Large\frac{9}{4}} を、

帯分数 2 {\Large\frac{1}{4}} に書き換える計算は、

9÷4=2・・・1 ですから、

「上÷下」の「形」です。

 

この逆向きの、

帯分数 2 {\Large\frac{1}{4}} を、

仮分数  {\Large\frac{9}{4}} に書き換える計算は、

4×2+1=9 ですから、

「下×横+上」の「形」です。

 

「上÷下」と、

「下×横+上」は、

違う「形」です。

 

また、

 {\Large\frac{2}{8}} を、

 {\Large\frac{1}{4}} に約分する計算は、

2÷2=1 と、8÷2=4 ですから、

「上÷同じ数」、「下÷同じ数」の「形」です。

 

この逆向きの

 {\Large\frac{1}{4}} を、

 {\Large\frac{2}{8}} に倍分する計算は、

1×2=2 と、4×2=8 ですから、

「上×同じ数」、「下×同じ数」の「形」です。

 

この 4 種類の分数の書き換え方を並べると、

「上÷下」、

「下×横+上」、

「上÷同じ数」、「下÷同じ数」、

「上×同じ数」、「下×同じ数」ですから、

すべて、違う「形」です。

 

なお、

普通の言い方でしたら、

「計算手順」や、

アルゴリズム」や、

「レシピ」です。

 

ですが、

たし算・ひき算・かけ算・わり算の

4 つの計算の組み合わせ方に、

計算特有の「形」がありますから、

「形」と見ることもできます。

 

さて、

分数同士の計算の「形」として、

分数同士のたし算の

計算の組み合わせ方の「形」を見ます。

 

分数のたし算は、

下を同じ数にして(共通分母)から、

上同士を足す計算です。

 

例えば、

 {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{1}{4}}= でしたら、

最初に、2 つの下、

3 と、4 を同じ数にします。

 

かけ算とわり算で計算します。

 

大きい下 4 を、

小さい下 3 で、割ります。

割り切れません。

 

大きい下 4 を、

2 倍した 8 を、

小さい下 3 で、割ります。

割り切れません。

 

大きい下 4 を、

3 倍した 12 を、

小さい下 3 で、割ります。

割り切れます。

 

この計算から、

下を、12 にそろえます。

 

組み合わせ方の「形」を、

意識した書き方にすると、

「(大きい下)÷(小さい下)」、

「(大きい下)×2÷(小さい下)」、

「(大きい下)×3÷(小さい下)」、

・・・

「割り切れたときの割られる数(共通分母)」、

こうなります。

 

 {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{1}{4}}= でしたら、

共通分母は、12 です。

 

次は、

それぞれの分数を、

共通分母の 12 を下にする倍分です。

 

まず、

 {\Large\frac{2}{3}} の下を、12 にします。

 

12÷3=4 ですから、

上の 2 を、4 倍します。

2×4=8 です。

 

これで、

 {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{8}{12}} と書き換わります。

 

それから、

 {\Large\frac{1}{4}} の下を、12 にします。

 

12÷4=3 ですから、

上の 1 を、3 倍します。

1×3=3 です。

 

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{3}{12}} と書き換わります。

 

これで、

下が、12 にそろいます。

 {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{8}{12}} {\Large\frac{3}{12}}= です。

 

組み合わせ方の「形」を、

意識した書き方にすると、

「上×(共通分母÷下)」です。

 

この後の計算は、

上同士を足します。

 

 {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{8}{12}} {\Large\frac{3}{12}}= でしたら、

 {\Large\frac{11}{12}} です。

 

組み合わせ方の「形」を、

意識した書き方にすると、

「上+上」です。

 

分数同士のたし算の「形」は、

「(大きい下)÷(小さい下)」、

「(大きい下)×2÷(小さい下)」、

「(大きい下)×3÷(小さい下)」、

・・・

「割り切れたときの割られる数(共通分母)」、

「上×(共通分母÷下)」、

「上+上」のようになります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -335)、(+-  {\normalsize {α}} -215)、

(×÷  {\normalsize {α}} -081)、(分数  {\normalsize {α}} -115)