共通分母を求めるわり算を、1 回だけと誤解しています。子どもの続きを教えれば、2 回わり算をして、共通分母を求める体験をさせることができます。

 {\Large\frac{7}{15}} {\Large\frac{17}{30}}

 {\Large\frac{42}{90}} {\Large\frac{51}{90}}

 {\Large\frac{132}{90}} {\Large\frac{51}{90}}

 {\Large\frac{81}{90}}

 {\Large\frac{9}{10}} と計算しています。

 

かけ算や、たし算や、ひき算の

計算自体は正しくできていますから、

「間違えている」とは言えないのですが、

共通分母が大きすぎます。

 

 {\Large\frac{7}{15}} {\Large\frac{17}{30}}

 {\Large\frac{14}{30}} {\Large\frac{17}{30}}

 {\Large\frac{44}{30}} {\Large\frac{17}{30}}

 {\Large\frac{27}{30}}

 {\Large\frac{9}{10}} と計算してほしいのです。

 

共通分母は、

90 ではなくて、

30 で通分できます。

 

さて、

 {\Large\frac{7}{15}} {\Large\frac{17}{30}}= の 2 つの分母、

15 と、30 から、

共通分母(最小公倍数)を、

大きい方の分母 30 を、小さい方の 15 で割り、

30÷15=2 で求める計算の仕方であれば、

30 を、共通分母にします。

 

 {\Large\frac{7}{15}} {\Large\frac{17}{30}}= の式のまま、

2 つの分母、15 と、30 を、

両方共、割り切ることができる 5 で割ります。

 

5 で割り、

15÷5=3 を、分母 15 の真下に、

30÷5=6 を、分母 30 の真下に書きます。

 

 {\Large\frac{\:\:\:}{5}} 3{ \Large \frac{7}{\begin{matrix}15\\3\end{matrix}\,}}{ \Large \frac{17}{\begin{matrix}30\\6\end{matrix}\,}}= のような書き方を、

この子はしています。

 

こうしてから、

5 と、3 と、6 を掛けて、

5×3×6=90 です。

 

この子は、

このような計算をして、

大きすぎる共通分母 90 を出しています。

 

そして、

90 を出してから、

 {\Large\frac{\:\:\:}{5}} 3{ \Large \frac{7}{\begin{matrix}15\\3\end{matrix}\,}}{ \Large \frac{17}{\begin{matrix}30\\6\end{matrix}\,}}= のように書いた

5 と、3 と、6 を消しています。

 

このままでは、

共通分母の計算の仕方が、

途中までの計算ですから、

この続きを教えます。

 

この子のやり方を認めて、

この子のやり方の続きを教えます。

 

まず、

子どもが消した計算を、

また、

書かせます。

 

すると、

 {\Large\frac{\:\:\:}{5}} 3{ \Large \frac{7}{\begin{matrix}15\\3\end{matrix}\,}}{ \Large \frac{17}{\begin{matrix}30\\6\end{matrix}\,}}= のようになります。

 

下に書いてある 3 と、6 を示して、

「どちらも、3 で割ることができる」と教えます。

 

そして、

「ここ、3」のようにリードして、

 {\Large\frac{\:\:\:}{\begin{matrix}5\\3\end{matrix}\,}} 3{ \Large \frac{7}{\begin{matrix}15\\3\\1\end{matrix}\,}}{ \Large \frac{17}{\begin{matrix}30\\6\\2\end{matrix}\,}}= のような計算を書かせます。

 

それから、

割った数 5 と、3 、

わり算の答え 1 と、2 を順に示して、

5×3×1×2=30 と計算します。

 

そして、

「分母を、この 30 にする」と教えます。

 

この子は、

共通分母を求める計算を

1 回だけわり算をすると、

誤解しています。

 

このように、

この子の続きを教えれば、

共通分母を求めるわり算を 2 回することで、

「1 回だけではない」、

「2 回してもいい」と理解できます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -381)、(分数  {\normalsize {α}} -141)