高校数学の約束事(定義)を、正しいと受け入れてしまい、それを利用する態度を、小学算数で育てることができます。

高校数学の

 {\normalsize {i^{2}=-1}} と、

 {\normalsize {i}}\sqrt{-1\:\:} は、

約束です。

 

「こう決める」と約束しています。

 

数学では、

堅苦しい言い方をして、

「定義」が普通の言い方です。

 

「なるほど、何かの理由があって、

こう決めたのだ・・」や、

「分かった。約束事だ」のように

理解するのが普通です。

 

実は、

もう一歩踏み込む態度があります。

 

正しいと認めて(公理)、

受け入れてしまう態度です。

 

「約束事なのだ」なのですが、

もっと積極的に受け入れて、

 {\normalsize {i^{2}=-1}} と、

 {\normalsize {i}}\sqrt{-1\:\:} は正しい」と認めてしまいます。

 

そして、

正しいと認めた  {\normalsize {i^{2}=-1}} と、 {\normalsize {i}}\sqrt{-1\:\:} を、

さまざまな計算に利用します。

 

例えば、

\sqrt{-3\:\:} を、

\sqrt{3} {\normalsize {i}} と表すことや、

 {\normalsize {(\sqrt{3} {\normalsize {i}})^{2}}} を、

{\normalsize{i^{2}}} =3×(-1)=-3 と計算することや、

{\normalsize {i}}×2{\normalsize {i}} を、

{\normalsize{i^{2}}}=-8 と計算することです。

 

さて、

 {\normalsize {i^{2}=-1}} と、 {\normalsize {i}}\sqrt{-1\:\:} を、

約束事のような理解ではなくて、

正しいと受け入れて、

さまざまな計算に利用する態度を、

高校数学まで待たずに、

小学算数の計算で育てることができます。

 

高校数学の虚数の計算で、

このような態度も育てようとすると、

とても大きな負担です。

 

正しいと受け入れる態度を、

高校数学よりも、もっと前の

小学算数の計算で育てておくことができれば、

高校数学の虚数の計算では、

既に受け入れる態度が育っていますから、

この奇妙な数の計算に子どもは集中できます。

 

しかも、

小学算数の計算の内容が易しいときに、

正しいと受け入れる態度を育てることは、

とても楽なのです。

 

つまり、

小学算数の計算は、

正しいと受け入れる態度を育てるチャンスなのです。

 

以下は、

小学算数の計算で、

正しいと受け入れる態度を育てる具体例です。

 

例 :  {\Large\frac{1}{7}} {\Large\frac{3}{7}} {\Large\frac{4}{7}} を見て、

問題 :  {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{1}{5}}= を、

計算させます。

 

子どもへの言い方は、

例 :  {\Large\frac{1}{7}} {\Large\frac{3}{7}} {\Large\frac{4}{7}} を示して、

「これ見て」、

問題 :  {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{1}{5}}= を示して、

「やって!」です。

 

こうすると子どもは、

 {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{1}{5}} {\Large\frac{3}{5}} と計算します。

 

計算した後で、

「どうやったの?」と聞きます。

 

このようなリードで、

正しいと受け入れる態度が、

自然に子どもに育ちます。

 

「これ見て」を、

もっと丁寧に話せば、

「この例 :  {\Large\frac{1}{7}} {\Large\frac{3}{7}} {\Large\frac{4}{7}} は、正しい計算です」、

「正しいと認めて、

同じようにまねして、

問題 :  {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{1}{5}}= を計算します」、

「やってみましょう」のような感じです。

 

でも、

このような説明は、

子どもが嫌います。

回りくどいのです。

 

だから、

「これ見て」と言って、

「やって!」で計算させれば、

子どもは自然に、

例 :  {\Large\frac{1}{7}} {\Large\frac{3}{7}} {\Large\frac{4}{7}} を正しい計算と受け入れて、

同じようにまねすることで、

問題 :  {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{1}{5}}= の計算に利用します。

 

とても自然に、

正しいと受け入れる態度になります。

 

別の種類の計算です。

 

分数の計算よりも、

はるかに易しいたし算です。

 

3+1= の 3 を示して、

「さん」と声に出して読み、

1 を示して、

「し」と声に出して数えて、

= の右を示して、

「ここ、し(4)」とリードします。

 

こちらの計算の実況中継を、

見て、聞いていた子は、

3+1=4 と書きます。

 

5+1= や、

2+1= や、

8+1= と、

同じような実況中継を見せることで、

子どもが、自力で計算できるようにします。

 

3+1= の計算の実況中継を見せる前に、

「これから、たし算の答えの出し方を見せます」、

「正しい答えを出すことができます」、

「すぐに同じように計算できるようになります」・・

このように説明すれば丁寧です。

 

実際には、

このような説明は、回りくどくて、

子どもに嫌われますからしませんが、

こちらが見せる実況中継を、

子どもは、自然に正しいと受け入れます。

 

このように、

小学算数の計算で、

正しいと受け入れる態度を、

自然に育てる教え方をできます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -397)、(+-  {\normalsize {α}} -248)、

(×÷  {\normalsize {α}} -090)、(分数  {\normalsize {α}} -151)