「忘れたら、忘れたまま」で、計算を手伝うには、「育てたい」愛情に、チョットした教えるスキルが必要です。

目の前の子の計算の力を、

「伸ばしてあげたい」や、

「育ててあげたい」気持ちがあるから、

計算を手伝います。

 

例えば、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:820 \\ - \: 374 \\ \hline \end{array} }} \\ のような筆算のひき算で、

目の前の子が戸惑っているようであれば、

こちらの計算を見せる実況中継で、

計算をリードします。

 

0 と、4 を示しながら、

「0-4、引けない」、

「10-4、6」、

4 の真下を示して、

「6」とリードします。

 

見て、聞いていた子は、

計算だけをリードされていますから、

自分も心の中で計算して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:820 \\ -\: 374\\ \hline \:\:\:\:6\end{array} }} \\ と書きます。

 

次に、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:820 \\ -\: 374\\ \hline \:\:\:\:6\end{array} }} \\ の 2 を示して、

「1減って、1」、

真下の 7 を示して、

「1-7、引けない」

「11-7、4」、

7 の真下を示して、

「4」とリードします。

 

見て、聞いていた子は、

自分の戸惑いを忘れて、

こちらのリードに乗せられて、

心の中でこちらの計算をまねして、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:820 \\ -\: 374\\ \hline \:\:46\end{array} }} \\ と書きます。

 

それから、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:820 \\ -\: 374\\ \hline \:\:46\end{array} }} \\ の 8 を示して、

「1減って、7」、

真下の 3 を示して、

「7-3、4」、

3 の真下を示して、

「4」とリードします。

 

こちらのリードに引き込まれた子は、

心の中でこちらの計算をまねして、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:820 \\ -\: 374\\ \hline 446\end{array} }} \\ と書きます。

 

同じような実況中継で、

3~4 問や、

5~6 問リードすれば、

子どもは必ず、

自分なりに「そうか!」とつかみ、

戸惑いを乗り越えます。

 

ですが、

「伸ばしてあげたい」や、

「育ててあげたい」気持ちだけでは、

間に合わないことがあります。

 

「あるがままを認めて、受け入れる」気持ちを、

算数の計算を手伝うときに、

必要とすることが、

とても多いのが実態です。

 

そして、

「あるがままを認めて、受け入れる」には、

「伸ばしてあげたい」や、

「育ててあげたい」のような

優しい愛のような気持ちだけではなくて、

計算だけに絞り込んでリードするスキルが

必要になります。

 

実は、

計算だけに絞り込んでリードするから、

「あるがままを認めて、受け入れる」ことになります。

 

計算だけに絞り込めていれば、

こちらと子どもの人間関係が、

計算だけでつながります。

 

こちらは計算だけを気にしますから、

子どものあるがままを認めていて、

受け入れています。

 

こうすると、

自分のあるがままを認めて、

受け入れてもらえていると、

当事者の子どもは、

すぐに分かりますから、

こちらの計算だけに絞り込んだリードを、

素直に受け入れることができます。

 

さて、

「あるがままを認めて、受け入れる」例として、

「忘れて、できないこと」を、

具体的な計算で、説明します。

 

例えば、

(2- {\Large\frac{1}{4}} )× {\Large\frac{8}{21}} のような四則混合です。

 

先に計算順を決めることは、

今、学んでいることですから、

正しくできます。

 

① かっこの中の - 、

② かっこの外の × の順です。

 

そして、

計算順に従って、

1 番目の計算 2- {\Large\frac{1}{4}} をします。

 

ですが、

忘れていて、できません。

 

整数 2 から、

分数  {\Large\frac{1}{4}} を、

どのようにして、

引けるようにしていたのかを忘れています。

 

整数 2 を、分数に変えることは、

覚えているようですが、

変え方を忘れています。

 

忘れたら、

忘れたままの子に、

こちらの計算の実況中継を見せます。

 

「計算を忘れた子に、

もう一度教える」のではありません。

 

こちらのチョットした仕草で、

「計算を忘れた子」と思っていることが、

子どもに伝わりますから、

嫌われます。

 

そうではなくて、

「今回、初めて、

整数 2 を分数に変える変え方を習う子」と、

この子のことをみるようにします。

 

2- {\Large\frac{1}{4}} の 2 の 1 だけを、

 {\Large\frac{4}{4}} に変えることを、

実況中継します。

 

2 を示して、

「これ、1+1」、

「1 を、 {\Large\frac{4}{4}} 」、

「だから、1 {\Large\frac{4}{4}} 」のような実況中継です。

 

見て、聞いていた子は、

2- {\Large\frac{1}{4}}=1 {\Large\frac{4}{4}} {\Large\frac{1}{4}}= と書きます。

 

この続きは、

計算できそうですから、

子どもに任せます。

 

忘れたら、

忘れたままに、

今回、初めて習う子に、

実況中継を見せます。

 

すると子どもは、

「あぁ、そうだった。

1 を、 {\Large\frac{4}{4}} にすればいいのだ」と思い出します。

 

「忘れて、できないらしい」と、

少しも思わないで、

2- {\Large\frac{1}{4}} を、

 {\Large\frac{4}{4}} {\Large\frac{1}{4}} に変える計算だけを

実況中継を見せて教えるのですから、

スキルなのです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -405)、(+-  {\normalsize {α}} -251)、(分数  {\normalsize {α}} -156)