不等式 2x>-8 を解いて、x<-4 と間違えた子をリードします。割った数 2 の符号が、プラスであることに気付かせるリードです。こうすれば、この後の不等式の計算で、割る数の符号を意識するようになります。

不等式 2x>-8 を解きます。

 

計算して、

答え x<-4 を出します。

 

残念ながら、

間違えています。

 

x>-4 が、正しい答えです。

不等号の向きが、

この子の答えと逆です。

 

 

さて、

不等式は、

マイナスの数で割る計算で、

不等号の向きが変わります。

 

プラスの数で割っても、

不等号の向きは、

変わりません。

 

この子は、

このように正しく理解できています。

 

2x>-8 を解いて、

x<-4 を答えと計算しても、

「不等式の不等号の向きが変わるのは、

マイナスの数で割ったとき」の知識は、

この子の頭の中で、

正しいままです。

 

つまり、

頭の中で思っていることと、

実際に計算して、

やっていることが、

ちぐはぐなのです。

 

そして、

このような「ちぐはぐさ」は、

計算問題で、よく起こることなのです。

 

 

不等号の向きを、

間違ってしまう原因は、

不等式を割る数の

符号がプラスなのか、

あるいは、

マイナスなのかを、

キチンと意識していないことです。

 

だから、

割る数の符号を意識するように

この子をリードして、

教えます。

 

くどい言い方をしますが、

「割る数の符号を意識すること」を、

この子に教えます。

 

 

この子に、

「何で、割った?」と聞きます。

 

すると、

驚いたことに、

この子は、

「2 で割った」と言えません。

 

本題から外れますが、

このようなことも、

よく起こります。

 

自分に教えてくれる人から、

何かを聞かれたら、

その答えを評価されていると思っています。

 

正しいと確信できないとき、

答えないのが普通なのです。

 

だから、

「何で、割った?」と聞いて、

子どもから返事がなくても、

普通に起こることが起こっただけです。

 

ですが、

この子は、

不等式 2x>-8 を解いて、

x<-4 と計算しています。

 

この子がした計算です。

 

不等式 2x>-8 を、

この子は、

2 で割っています。

 

でも、

「何で、割った?」に答えられません。

 

つまり、

この子は、

口にしないだけのことで、

頭の中に、

「2 で割った・・」のような答えを、

キチンと出しています。

 

こうなっているようですから、

「2」と、

答えを押し付けます。

 

不等式 2x>-8 を、

x<-4 と計算した子ですから、

こちらが押し付けた答え、

「2」を受け入れます。

 

頭の中の答え、

「2 で割った・・」と同じですから、

「あっ、同じだ・・」のような感じなのでしょう。

 

 

このように、

「2 で割った」ことを

受け入れてくれたようですから、

さらに聞きます。

 

「2 は、プラスなの、マイナスなの?」です。

 

 

こちらのこの質問で、

「あっ!」となります。

 

不等式 2x>-8 を、

2 で割っています。

 

不等号の向きを変えて、

x<-4 を答えとしています。

 

でも、

割った数 2 の符号は、

プラスです。

 

マイナスの数ではありません。

 

この子の頭の中に、

正しいまま残っている知識で、

プラスの数で割っても、

不等号の向きは変わりません。

 

このようなことが、

この子の頭の中を駆け巡り、

「あっ!」となったようです。

 

これだけのリードで、

この子は自力で、

x>-4 と正しています。

 

 

このような間違いは貴重です。

 

不等式の計算で、

割る数の符号を、

プラスなのか、

それとも、

マイナスなのかを、

この後、

自分で気を付ける子になります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -528)、(分数  {\normalsize {α}} -223)