分数のひき算は、引くことができる問題と、引くことができないので、工夫してから引く問題があって、計算する前に、どちらなのかを決めることを、子どもの間違いを通して教えます。

分数のひき算は、

そのまま引ける問題もあれば、

引けるように工夫してから引く問題もあります。

 

最初は、

そのまま引くことができる問題から習います。

 

例えば、

 {\Large\frac{4}{7}}-1 {\Large\frac{1}{7}}= のようなひき算です。

 

左の分数から、

右の分数を引くだけの計算です。

 

整数部分の 3-1=2 と、

分子の 4-1=3 を計算して、

 {\Large\frac{3}{7}} が答えです。

 

 {\Large\frac{4}{7}}-1 {\Large\frac{1}{7}}=2 {\Large\frac{3}{7}} です。

 

 

このような

左から右を引くだけのひき算に慣れたら、

少し工夫が必要な

 {\Large\frac{3}{7}}-1 {\Large\frac{6}{7}}= のようなひき算を習います。

 

整数部分は、

左が 3 で、右が 1 ですから、

左から右を引くことができます。

 

ですが、

分子は、

左が 3 で、右が 6 ですから、

左から右を、

3-6 ですから引くことができません。

 

 

さて、

分数のこのようなひき算まで進んでいる子は、

何となくのレベルですが、

引けるようにするのだろうと、

心の片隅で予想しています。

 

このように感じるのは、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 53 \\ - 16 \\ \hline \end{array} }} \\ のような筆算のひき算で、

一の位のひき算 3-6 を

引くことができないときに、

3 の前に、1 を付けて、

13 にして、

13-6=7 と引いているからです。

 

筆算のひき算で、

上から下を引くことができないとき、

工夫して、引けるようにしたことを、

ハッキリと思い出したのではなくて、

ただ何となくのレベルです。

 

 {\Large\frac{3}{7}}-1 {\Large\frac{6}{7}}= の分子のひき算、

3-6 をできないので、

ひき算できるように工夫するのだろうと、

漠然としたレベルですが、

感じているようです。

 

 

ところで、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 53 \\ - 16 \\ \hline \end{array} }} \\ の教え方は、

一の位の 3 と 6 を、

この順に示して、

「引けない」としてから、

「13-6=7」・・のような感じです。

 

3 を、

13 にしています。

 

3 の前に、

1 を付ける理由を、

計算だけで、

説明するのが難しいので、

説明抜きで押し付けています。

 

 

 {\Large\frac{3}{7}}-1 {\Large\frac{6}{7}}= の教え方も、

ほんの少しですが、

似ています。

 

分子の 3 と 6 を、

この順に示して、

「引けない」とします。

 

この後、

3 に、7 を足すことを押し付けるのではなく、

計算で説明できますから、

説明します。

 

ここが、

筆算のひき算の教え方と違います。

 

 {\Large\frac{3}{7}}-1 {\Large\frac{6}{7}}= の 4 {\Large\frac{3}{7}}

整数部分 4 を示して、

「3 と、1」、

「1 が、 {\Large\frac{7}{7}} 」としてから、

 {\Large\frac{7}{7}} の分子の 7 を示して、

「これ、足す」、

 {\Large\frac{3}{7}} の分子の 3 を示して、

「これ、じゅう(10)」です。

 

このような計算だけの説明で、

 {\Large\frac{3}{7}}-1 {\Large\frac{6}{7}}= を、

 {\Large\frac{10}{7}}-1 {\Large\frac{6}{7}}= に変えて、

引けなかった 3-6 を、

ひき算できる 10-6 に工夫します。

 

この続きは、

左から右を引くだけです。

 

整数部分は、3-1=2 と、

分子は、10-6=4 と計算できます。

 

これから、

 {\Large\frac{10}{7}}-1 {\Large\frac{6}{7}}=2 {\Large\frac{4}{7}} です。

 

 

引くことができないひき算を、

少し工夫して引けるようにしてから、

計算します。

 

この計算に慣れたら、

工夫しなくても、

そのまま引くことのできるひき算を、

混ぜます。

 

例えば、

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}= です。

 

 

このまま、

左から右を引くことができます。

 

整数部分の 8-5=3 と、

分子の 6-5=1 と計算して、

 {\Large\frac{1}{7}} が答えです。

 

 

それなのに、

8 を、7 と 1 に分けて・・のように工夫して、

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=7 {\Large\frac{13}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=2 {\Large\frac{8}{7}}=3 {\Large\frac{1}{7}} のように、

必要のない計算をする子がいます。

 

このような子に、

問題 8 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}= の分子、6 と 5 を示して、

「引ける?」と聞きます。

 

引けるようにする工夫は、

引くことができないからです。

 

引くことができるときは、

そのまま引きます。

 

このことを、

教えて、

計算を始める前に式を見て、

「引くことができる」のか、

それとも、

「引くことができない」のかを

決めるように誘います。

 

(基本  {\normalsize {α}} -542)、(分数  {\normalsize {α}} -230)