四則混合 (2- )÷= の
1番目の計算 2- は、
まったく忘れてしまって、
何一つできなくなることが、
よく起こる計算です。
このような場合、
「できない」や、
「分からない」と感じて、
ただジッと座ったままになる子が、
不思議なことに多いのです。
何らかの金縛りにあったように、
動けなくなりジッとしているだけになります。
実は、
「できない」や、
「分からない」と感じることも、
ただジッと座ったままになることも、
この子が選んだ選択肢の一つです。
もちろんこの子は、
自分が選んで、
そして、そうしている・・・なんて、
少しも思っていません。
が、
無意識であっても、
この子が選んでしていることであることだけは、
事実です。
つまり、
他にも、
選ぼうとすれば、
選べることがあるからです。
例えばですが、
「教えてくれそうな誰かに聞く」ことです。
この子が選ぼうと思えば、
選ぶことができます。
そして聞くことにしたら、
聞き方も選択肢になります。
ただ、
「分からない」と聞くことができます。
問題 (2- )÷= の
2- を示して、
「ここ、どうやるの?」と聞くことができます。
自分の行動を、
自分が選ぶことができることに、
気が付いた子は、
アレコレと選ぶことを楽しむようになるはずです。
でも、
自分の行動を自分で選ぶことができる力を、
子どもに教えることは、
とても難しいことです。
この問題 (2- )÷= の
2- の計算に睨まれて、
ただジッとしている子に、
以下のようなリードをすれば、
他にも選ぶことができることに、
気付かせることができる可能性があります。
この問題 (2- )÷= の
2- を示して、
「引ける?」と聞きます。
こちらが聞いた内容を、
この子は理解できないでしょうが、
それでも、
「引けない」と答えてくれます。
子どもの答え「引けない」は、
「やり方が分からない」に近いはずですが、
「引けない」と答えてくれます。
ですから、
2- の 2 を示して、
「引けるようにする!」、
「どうする?」と、
子どもに重ねて聞きます。
アレコレとさまざまな選択肢があることを、
このように示すことで、
「選ぶことができること」に、
漠然とであっても気付くことを期待しています。
でも、
「どうする?」に答えられずに、
無言です。
計算の仕方を教えるのではなくて、
選択肢の幅が広いことを示唆したいのですから、
子どもを待ちません。
「いち(1)、借りる」と教えてしまいます。
これも、選択肢です。
そして、
子どもに重ねて、
「 1 を、どうする?」と聞きます。
やはり、無言です。
同じ理由で、待ちません。
「下、ろく(6)」とリードして、
「上は?」と聞きます。
これも、
選択肢です。
この子は、ここで、
「分かった」となり、
「6!」と答えます。
この後も同じようなリードで手伝い、
2-=
1-= まで進むと、
「もう、分かった」、
「できる」となりますから、
続く計算をこの子に任せます。
このようにして、
多くの選択肢を、
短時間に、
次々とこの子への質問の形で
示して考えさせるから、
選択肢の多さに気付く可能性を
こちらは期待できます。
(基本 -728)、(分数 -315)