「分からない」と聞く子に、こちらの代表的な 4 つの指導です。「分からないと言うな!」と、「分かる!」と、「どこ?」と、「どこまでできる?」です。

「分からない」の言い方で、

聞く子がいます。

 

自力で答えを出せないようです。

 

でも、

答えを出したい気持ちが強いから、

こちらに、「分からない」と聞いて、

教えてもらってから、

答えを出そうとしています。

 

この子は、

答えを出す目的で、

計算問題に取り組んでいますから、

「分からない」と聞くことは、

目的にかなったとてもいいことです。

 

聞くことはいいことなのですが、

「分からない」の聞き方では、

あいまいなために、

自分の聞きたいところを、

確実に聞ける保証がありません。

 

ですから、

答えを出す手助けを求めているこの子が、

期待していないことですが、

「分からない」の聞き方から

教えるようにします。

 

 

「分からない」と言うこと自体を、

やめさせようとする指導があります。

 

例えば、

「分からないと言うな!」と、

直接指示することです。

 

こう言われたら、

答えの出し方とは、

まったく関係ないように感じますから、

「そうではなくて、

計算の仕方が・・」と、

子どもは心の中で思うでしょう。

 

あるいは、別の例ですが、

「分かる!」と、

「分からない」と言った子が驚くような

とても強い口調で、

子どもが「分からない」と言ったことを

否定してしまう指導もあります。

 

「分からないと言うな!」や、

「分かる!」と押し付けることが、

今のこの子にピッタリであれば、

子どもは、

内面をギュッと引き締めますから、

「分からない」と思っていた計算を

自力でできてしまうことがあります。

 

 

「分からない」と聞く子は、

こちらにもたれかかる甘えが

どこかにあります。

 

内面をギュッと引き締める指導が、

今のこの子に、

レベルが高いようでしたら、

もたれかかる甘えを受け入れて、

「何を、教えてほしいのか?」を、

ハッキリさせるようにリードします。

 

「分からない」と聞いた子ですから、

「どこの部分の計算をできないのか?」を、

聞き返すようにすると、

自然です。

 

「どこ?」と聞き返すことで、

「分からない」計算自体を

絞り込ませる指導です。

 

例えば、

 {\Large\frac{1}{3}}÷3- {\Large\frac{5}{18}}= の四則混合で、

「分からない」と聞く子です。

 

「どこ?」と聞き返します。

 

すると、

「ここ」と、

 {\Large\frac{1}{3}}÷3 のわり算を示します。

 

まだ曖昧ですから、

「これのどこ?」と、

また、聞き返します。

 

すると、

 {\Large\frac{1}{3}} を示して、

「これ、どうするの?」と、

子どもは、

自分が教えてもらいたいところを絞り込みます。

 

ここまで絞られたので、

帯分数 1 {\Large\frac{1}{3}} を、

仮分数に変えることだけを教えます。

 

 {\Large\frac{1}{3}}÷3- {\Large\frac{5}{18}}= の上の余白で、

「これ、ここで」とリードして、

 {\Large\frac{1}{3}}÷3= と転記させてから、

「下、3」、

「上、3×1=3、3+1=4」とリードして、

 {\Large\frac{1}{3}}÷3= {\Large\frac{4}{3}} です。

 

こうして、

この子の希望を満たします。

 

 

これに似ているようで、

少し違いますが、

「どこまでできる?」と聞き返すことで、

「できている部分」を

ハッキリとさせる指導があります。

 

同じ問題 1 {\Large\frac{1}{3}}÷3- {\Large\frac{5}{18}}= に、

「どこまでできる?」と聞き返すと、

子どもは、

自分がどこまで計算できるのかを

問題の式を見てハッキリとさせます。

 

計算順を、

わり算(÷)が先で、

ひき算(-)が後と決めています。

ここは、できます。

 

最初の計算のわり算は、

分数のわり算ですから、

÷ の右の 3 をひっくり返して、

× のかけ算に変えることもできます。

 

3 を分数にすると、

 {\Large\frac{3}{1}} ですから、

ひっくり返して、 {\Large\frac{1}{3}} とすることも、

できます。

 

このように、

自分のできるところを、

ハッキリとさせていくことで、

この先はできないになります。

 

それが、

÷ の左の 1 {\Large\frac{1}{3}} をどうするのかを

思い出せないことです。

 

ここが分かれば、

自分は、わり算 1 {\Large\frac{1}{3}}÷3 を、

計算できるとハッキリとさせます。

 

 

さて、

「分からない」と聞かれたら、

「分からないと言うな!」と、

「分かる!」と、

「どこ?」と、

「どこまでできる?」が、

こちらが選ぶことのできる

代表的な選択肢です。

 

(基本  {\normalsize {α}} -600)、(分数  {\normalsize {α}} -255)