複素数のかけ算なのに、そう見えていない子です。最小限の手伝いで、見えるようにすれば、子どもは、発見できた喜びを感じて、自力で続きを計算します。

 {\normalsize {(2+\sqrt{-2\:\:})(3+\sqrt{-2\:\:})}}= の計算を、

複素数のかけ算に見えない子が、

「どうやるの?」と聞きます。

 

聞かれたこちらは、

複素数のかけ算を計算できる子なのに、

計算の仕方を聞くのだから、

複素数のかけ算に見えていないらしい・・・」と、

すぐに推測します。

 

そして、

問題  {\normalsize {(2+\sqrt{-2\:\:})(3+\sqrt{-2\:\:})}}= を、

複素数のかけ算と、

子どもが気付くように、

書き換えるだけの

手伝いをすると決めます。

 

 

つまり、

 {\normalsize {\sqrt{-2\:\:}}} を、

 {\normalsize {\sqrt{2}{i}}} に、

書き換えるだけの手伝いをすれば、

問題  {\normalsize {(2+\sqrt{-2\:\:})(3+\sqrt{-2\:\:})}}= が、

書き換わって、

 {\normalsize {(2+\sqrt{2}{i})(3+\sqrt{2}{i})}}= になります。

 

こうすれば、

この子は、

「あっ!」となって、

そして、

「なぁんだ」、

複素数のかけ算だ!」と、

自力で発見します。

 

 

だから、

 {\normalsize {\sqrt{-2\:\:}}} を、

 {\normalsize {\sqrt{2}{i}}} に、

書き換えることだけを手伝います。

 

複素数のかけ算であることは、

この子自身に発見させるようにします。

 

こちらが教えすぎることで、

発見する喜びを、

子どもから奪うことがないような手伝い方です。

 

 

以下は、

 {\normalsize {\sqrt{-2\:\:}}} を、 {\normalsize {\sqrt{2}{i}}} に、書き換えることだけの

リードの実例です。

 

 {\normalsize {(2+\sqrt{-2\:\:})(3+\sqrt{-2\:\:})}}= の

左の  {\normalsize {\sqrt{-2\:\:}}} を示して、

「これ」と言ってから、

真上の余白を、

「ここ」と指定して、

「ルート(\sqrt{\:\:\:\:})」、

「に(2)」、

「あい(  {\normalsize {i}} )」とリードします。

 

リードされた子は、

左の  {\normalsize {\sqrt{-2\:\:}}} の余白の真上に、

 {\normalsize {\sqrt{2}{i}}} と書きます。

 

この子は、

ここまでリードしたら、

「分かった!」となります。

 

 

左の  {\normalsize {\sqrt{-2\:\:}}} の余白の真上に、

 {\normalsize {\sqrt{2}{i}}} を書いただけで、

 {\normalsize {(2+\sqrt{-2\:\:})(3+\sqrt{-2\:\:})}}= が、

この子の頭の中で、

 {\normalsize {(2+\sqrt{2}{i})(3+\sqrt{2}{i})}}= に書き換わり、

複素数のかけ算であることに、

気付いたようです。

 

小さなことですが、

この子は、

発見できた喜びを感じています。

 

(基本  {\normalsize {α}} -766)、(分数  {\normalsize {α}} -332)