7+4=、5+7=、8+3= のようなたし算を、
数えて答えを出す子です。
この子の計算の仕方は、
7+4= の 7 の次の 8 から、
8、9、10、11 と、
+4 の 4 回数えて、
答え 11 を出して、
7+4=11 と書きます。
動作を順に並べると、
① 7 を見る動作、
② 7 の次の 8 を出す動作、
③ 4 を見る動作、
④ 8、9、10、11 と、数える動作、
⑤ 7+4=11 と、11 を書く動作です。
これだけの動作を、
この順に、
この子は、自力で行います。
さて、
人の脳の前頭葉、
大体ですが、額のあたりの脳は、
ワーキングメモリーと呼ばれる働きをします。
7+4= の 7 を見て、
その次の 8 を出したら、
この 8 を、
一時的に覚える場所が、
ワーキングメモリーです。
そして、
4 を見て、
この 4 を、
4回数えることと、
一時的に覚えておくのも、
このワーキングメモリーです。
そして、
8、9、10、11 と、
4回数えることができるのも、
ワーキングメモリーの働きで、
最後の数 11 を、
7+4=11 と書くまで、
覚えておくのも、
このワーキングメモリーです。
意識的に覚えようとしていないのに、
一時的に覚えてしまう便利な働きです。
さて実は、
7+4= の答えを出すまでの
それぞれの動作のスピードを、
意識して速めるようにするだけで、
このワーキングメモリーの働きが強くなります。
7+4= の答えを出すまでの
① 7 を見る動作、
② 7 の次の 8 を出す動作、
③ 4 を見る動作、
④ 8、9、10、11 と、数える動作、
⑤ 7+4=11 と、11 を書く動作の
それぞれを速めれば、
速めただけ、
ワーキングメモリーの働きが強くなります。
7+4=、5+7=、8+3= と、
次々に答えを出すための
それぞれの動作のスピードを、
速めれば、
一時的に覚える内容が、
7の次の 8 と、
4 回数えることと、
8、9、10、11 と、数えることと、
答え 11 を保持することが、
動作のスピードが速いために、
活発になって、
しかも、
次の問題 5+7= に
移った瞬間、
ワーキングメモリーが、
5 の次の 6 を
一時的に覚えることに入れ替わります。
めまぐるしく
覚えては、忘れを繰り返しますから、
ワーキングメモリーは、
とても活発に働いて、
強くなります。
そして、
このワーキングメモリーは、
算数の計算の時だけではなくて、
あらゆる知的活動をするときに
活動自体を支えます。
(基本 -967)、(+- -515)