計算の正体は、いくつかの動作を、一定の順に積み重ねることです。筆算のたし算を例にしますが、言葉で説明しようのないことがあります。

計算問題の答えを出すことを単純化すれば、

いくつかの動作を積み重ねているだけです。

 

見ることや、

読むことや、

数えることや、

書くことや、

覚えることのような動作です。

 

例えば、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 93 \\ \hline \end{array} }} \\  の筆算のたし算でしたら、

一の位の 8 と 3 を、

上から下に見て、

それぞれを、

「はち」、「さん」と認識して、

たし算の感覚の自動スイッチを入れて、

答え 11 を出して、

11 の一の位の 1 だけを切り離して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 93 \\ \hline \:\:\:\:1\end{array} }} \\  と書いて、

11 の十の位の 1 を切り離して、

一時的に覚えて、

次に、

十の位の 6 と 9 を、

上から下に見て、

それぞれを、

「ろく」、「く」と認識して、

たし算の感覚の自動スイッチを入れて、

答え 15 を出して、

一時的に覚えた 1 を思い出して、

15 に足して、16 として、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 93 \\ \hline161\end{array} }} \\  と書きます。

 

これだけの動作を、

ここで紹介しているような

筆算のたし算特有の一定の順に、

積み重ねることで、

答えが出ます。

 

動作を積み重ねているだけです。

そうすると、答えが出ます。

 

 

さて、

この例で説明した計算の中の

「はち」、「さん」と認識して、

たし算の感覚の自動スイッチを入れることは、

言葉で説明して理解させることが

とても難しい内容です。

 

8 を見て、

「はち」と読むだけでしたら、

たし算の感覚の自動スイッチが入りません。

 

認識するから、

たし算の感覚の自動スイッチが入り、

答え 11 が出ます。

 

言葉で説明しようのないことです。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 93 \\ \hline \end{array} }} \\  の 6 と 9 を隠して、

「はち足すさん、じゅういち」と言って、

3 の真下を示して、

「ここ、1」、

「指、1」とリードするようにすれば、

計算そのものを見せていますから、

「はち」、「さん」と認識して、

たし算の感覚の自動スイッチを入れることが、

子どもに何となく伝わります。

 

 

また、

11 の十の位の 1 を切り離して、

一時的に覚えることも、

言葉で説明して理解させることが

とても難しい内容です。

 

こちらが実際にしていることですが、

切り離すことは、

言葉で説明しようのないことです。

 

「指、1」とリードして、

子どもに、指を 1本伸ばさせます。

 

こうすれば、

11 の十の位の 1 を切り離して、

一時的に覚えていることになりますから、

何となく子どもに伝わるはずです。

 

このように、

いくつかの動作を積み重ねていることが、

計算の正体ですが、

これも、言葉で説明しようのないことです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -953)、(+-  {\normalsize {α}} -509)