連立方程式を解くとき、自分自身に、「何を消す?」と聞いてから、係数の数字の配置(行列)を心にイメージして、操作します。こうしているこちらを子どもに見せます。「あぁなりたい」と子どもに思わせるロールモデルです。

連立方程式  {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}5x+3y=1\\9x+4y=6\end{array}\right.\end{eqnarray}}  の解き方を、

「どうやるの?」と、

子どもから聞かれたら、

こちらはすぐ、

「何を消す?」とリードします。

 

実は、

自分自身をリードしています。

 

子どもにも聞えるように、

言ってしまっただけの独り言です。

 

こちらが、

自分自身に、

「何を消す?」と聞くことを

見せている教え方です。

 

 

子どもから聞かれて、

ほんの瞬間、チラッと、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}5x+3y=1\\9x+4y=6\end{array}\right.\end{eqnarray}}  を見れば、

連立方程式と分かりますから、

「何を消す?」と、

自分自身をリードしています。

 

「どうしようか?」ではありません。

「何を消す?」です。

解き始めます。

 

こう言った後で、

「何を消す?」と、

自分自身から聞かれたこちらが、

式  {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}5x+3y=1\\9x+4y=6\end{array}\right.\end{eqnarray}}  の全体を、見ます。

 

そしてこちらは、

\begin{matrix}5\:\:\:3\\9\:\:\:4\end{matrix}  のような数字の配置を

心に浮かべます。

 

この  \begin{matrix}5\:\:\:3\\9\:\:\:4\end{matrix}  は、

方程式  {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}5x+3y=1\\9x+4y=6\end{array}\right.\end{eqnarray}}  の

x と、y に付いている係数を、

同じ配置に並べています。

 

そして、

この  \begin{matrix}5\:\:\:3\\9\:\:\:4\end{matrix}  を、

心の中で、操作します。

 

 

上下の並びを見ます。

 

左側の上下の並びは、

x に付いている係数で、

\begin{matrix}5\\9\end{matrix}  です。

 

上の 5 を、9倍して、

下の 9 を、5倍すれば、

\begin{matrix}45\\45\end{matrix}  と、上下に同じ数になります。

 

つまり、

上の式  5x+3y=1  を、9倍して、

下の式  9x+4y=6  を、5倍して、

上から下を引けば、

x が、消えます。

 

 

次に、

右側の上下の並びは、

y に付いている係数で、

\begin{matrix}3\\4\end{matrix}  です。

 

上の 3 を、4倍して、

下の 4 を、3倍すれば、

\begin{matrix}12\\12\end{matrix}  と、上下に同じ数になります。

 

つまり、

上の式  5x+3y=1  を、4倍して、

下の式  9x+4y=6  を、3倍して、

上から下を引けば、

y が、消えます。

 

どちらを消すように選ぶのかは、

好みの問題でもありますが、

普通でしたら、

y を、消すことを選びます。

 

式変形が、

楽だからです。

 

 

式  {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}5x+3y=1\\9x+4y=6\end{array}\right.\end{eqnarray}}  を見て、

心に、\begin{matrix}5\:\:\:3\\9\:\:\:4\end{matrix}  を浮かべて、

「y を、消す」と決めるまで、

実は、

1秒も掛かりません。

 

式  {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}5x+3y=1\\9x+4y=6\end{array}\right.\end{eqnarray}}  を見てすぐ。

「y を、消す」と決めることができます。

 

そして、

とても面白いことですが、

こちらのこのような心の変化を、

子どもは、

かなり的確に読み取っています。

 

「どうやっているのかが

よく分からないが、

すぐに、

y を、消すことに決めている」と、

こちらの心の変化を読んでいます。

 

これが、

この子の学びを強く刺激します。

 

「あぁなりたい・・・」と、

連立方程式の解き方のゴールを意識できます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -972)、(分数  {\normalsize {α}} -414)