子どもが何をしていても、自分で選ぶとはなく選んでいます。計算の途中で、いたずら書きをしているのは、子どもが選んだからです。でも、再び、答えを出すことを選ぶこともできます。

人は、選ぶ力を持っています。

 

自分に何が起ころうとも、

それがどのような刺激であろうとも、

自分がどう振る舞うのかを

自分で選ぶ力を持っています。

 

普段は、

家庭環境や、

学校のような学びの場で

自然に身に付けた習慣にコントロールされて

自分の振る舞い方を決めていますから、

自分が選んでいると

意識していないのが普通です。

 

でも、

自分に何が起こったとしても、

どう振る舞うのかを

自分で選ぶことができます。

 

 

このような選ぶ力は、

年齢に関係ないので、

子どもも、

子どもをリードするこちらも、

自分の振る舞い方を選ぶ力があります。

 

例えば、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 32 \\ - 15 \\ \hline \end{array} }} \\  のようなひき算 50問を計算中に、

いたずら書きをしている子です。

 

ひき算  { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 32 \\ - 15 \\ \hline \end{array} }} \\  の答えを出すことを中断して、

いたずら書きをすることを、

この子が、

選んだからです。

 

こうなのですが、

いたずら書きをしている子に、

「あなたが選んだから、

そうしているだけです」、

「いたずら書きをしている今でも、

答えを出すことを選ぶことができます」のように

この子がしていることの理由と、

選ぶ力があることを、

言葉で説明しても、

「何を言っているのですか?」、

「まったく分からないのですが・・・」と、

理解されないだけです。

 

 

だから、

選ぶ力があることを、

実際に使わせることで、

「どうしてなの?」と思わせてしまい、

体験させてしまいます。

 

具体的には、

いたずら書きをしている子に、

いたずら書き自体を無視して、

いたずら書きに割って入り、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 32 \\ - 15 \\ \hline \end{array} }} \\  の 2 と 5 を示して、

「2-5、引けない」と言って、

「12-5、7」と引いて、

5 の真下を無言で示します。

 

いたずら書きに割って入られても、

いたずら書き自体を無視して、

こちらが夢中になって、

答えを出すことだけを見ますから、

子どもは抵抗できないのです。

 

 

実は、

これがコツです。

 

自力で、

選ぶ力を使うとき、

今していることを無視して、

新たにすべきことだけを

夢中になって

ドンドン進めてしまうことです。

 

「どうして私は、

このようなことばかりするのだろう?」のように

今していることを

アレコレ考えてしまうと、

このように考えることを

選んで、していることになります。

 

今していることを無視して、

つまり、

何もしていないことにして、

したいことをすればいいのです。

 

これが、

選ぶ力です。

 

 

いたずら書きの最中に、

突然に、割って入られて、

速いスピードで答えを出す様子を

目の前で見せられた子は、

選ぶも選ばないもなく、

即、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:32 \\ -\: 15\\ \hline \:\:\:\:7\end{array} }} \\ と書きます。

 

そして、

答え 7 を書くことで、

いたずら書きとは違うことを、

つまり、

ひき算の答えを出すことを始めています。

 

答えを出すことを選び、

答えを出すことを、

突然にリードされたからです。

 

選ぶこと自体と、

選んだ行動を行うことを、

体験するようなリードです。

 

 

こうなった子に、

計算の続きをリードします。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:32 \\ -\: 15\\ \hline \:\:\:\:7\end{array} }} \\ の 32 の 3 を示して、

「いち(1)減って、に(2)」と言って、

15 の 1 を示して、

「にひくいち、いち(2-1=1)」と言って、

15 の 1 の真下を無言で示します。

 

こちらにリードされてですが、

ひき算の答えを出すことを

選ぶ力で選んだ続きの流れに乗って、

子どもは素早く、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:32 \\ -\: 15\\ \hline \:17\end{array} }} \\  と書きます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1244)、(+-  {\normalsize {α}} -676)