人は、選ぶ力を持っています。
自分に何が起ころうとも、
それがどのような刺激であろうとも、
自分がどう振る舞うのかを
自分で選ぶ力を持っています。
普段は、
家庭環境や、
学校のような学びの場で
自然に身に付けた習慣にコントロールされて
自分の振る舞い方を決めていますから、
自分が選んでいると
意識していないのが普通です。
でも、
自分に何が起こったとしても、
どう振る舞うのかを
自分で選ぶことができます。
このような選ぶ力は、
年齢に関係ないので、
子どもも、
子どもをリードするこちらも、
自分の振る舞い方を選ぶ力があります。
例えば、
のようなひき算 50問を計算中に、
いたずら書きをしている子です。
ひき算 の答えを出すことを中断して、
いたずら書きをすることを、
この子が、
選んだからです。
こうなのですが、
いたずら書きをしている子に、
「あなたが選んだから、
そうしているだけです」、
「いたずら書きをしている今でも、
答えを出すことを選ぶことができます」のように
この子がしていることの理由と、
選ぶ力があることを、
言葉で説明しても、
「何を言っているのですか?」、
「まったく分からないのですが・・・」と、
理解されないだけです。
だから、
選ぶ力があることを、
実際に使わせることで、
「どうしてなの?」と思わせてしまい、
体験させてしまいます。
具体的には、
いたずら書きをしている子に、
いたずら書き自体を無視して、
いたずら書きに割って入り、
の 2 と 5 を示して、
「2-5、引けない」と言って、
「12-5、7」と引いて、
5 の真下を無言で示します。
いたずら書きに割って入られても、
いたずら書き自体を無視して、
こちらが夢中になって、
答えを出すことだけを見ますから、
子どもは抵抗できないのです。
実は、
これがコツです。
自力で、
選ぶ力を使うとき、
今していることを無視して、
新たにすべきことだけを
夢中になって
ドンドン進めてしまうことです。
「どうして私は、
このようなことばかりするのだろう?」のように
今していることを
アレコレ考えてしまうと、
このように考えることを
選んで、していることになります。
今していることを無視して、
つまり、
何もしていないことにして、
したいことをすればいいのです。
これが、
選ぶ力です。
いたずら書きの最中に、
突然に、割って入られて、
速いスピードで答えを出す様子を
目の前で見せられた子は、
選ぶも選ばないもなく、
即、
と書きます。
そして、
答え 7 を書くことで、
いたずら書きとは違うことを、
つまり、
ひき算の答えを出すことを始めています。
答えを出すことを選び、
答えを出すことを、
突然にリードされたからです。
選ぶこと自体と、
選んだ行動を行うことを、
体験するようなリードです。
こうなった子に、
計算の続きをリードします。
の 32 の 3 を示して、
「いち(1)減って、に(2)」と言って、
15 の 1 を示して、
「にひくいち、いち(2-1=1)」と言って、
15 の 1 の真下を無言で示します。
こちらにリードされてですが、
ひき算の答えを出すことを
選ぶ力で選んだ続きの流れに乗って、
子どもは素早く、
と書きます。
(基本 -1244)、(+-
-676)