21÷3=、25÷5=、24÷6= のような
割り切れるわり算を学ぶ目的は、
① 自力で答えを出せるようになること、
② 問題を見たら瞬時に答えが出てしまうような
わり算の感覚を持って、使えるようになること、
この 2つです。
自力で答えを出すことを教えるときも、
わり算の感覚を持つために
繰り返し計算するときも、
こちらが教える主な対象が
速い計算スピードです。
例えば、
21÷3= の答えの出し方を教えるとき、
次のような実況中継型リードを見せます。
21÷3= の 3 を示して、
すぐ、21を示します。
そして、
21 を示したまま、
3の段の九九を下から唱えます。
「さんいちがさん(3×1=3)」、
「さんにがろく(3×2=6)」、
「さざんがく(3×3=9)」、
「さんしじゅうに(3×4=12)」、
「さんごじゅうご(3×5=15)」、
「さぶろくじゅうはち(3×6=18)」、
「さんしちにじゅういち(3×7=21)」、
「にじゅういち(21)になった」と言って、
21÷3= の = の右の余白を示して、
「さんしちにじゅういち(3×7=21)のしち(7)」と言います。
リードされた子は、
21÷3=7 と書きます。
このような実況中継型リードの
全体の流れそのものを
テキパキサッサのような感じで
初めから、速いスピードにします。
子どもが理解しやすいだろうと配慮して、
ユックリとしたスピードにならないように注意します。
速いスピードで、
自力で答えを出すことを目的としているからです。
もちろん、
1問の実況中継型リードだけで、
「分かった」となる子は
ゼロではありませんが、
ほぼゼロです。
大多数の子には、
5問、10問と、
同じような速いスピードの実況中継型リードを
繰り返し見る必要があります。
これだけで子どもは、
「分かった」となります。
分かったとなったときの
分かった内容は、
① 答えの出し方と、
② 速いスピードの両方です。
子どもが、
わり算の感覚を持つために
繰り返し計算するときも
速いスピードを教えます。
これは、じつは、
子どもの変化を先回りして待ち伏せる知恵です。
同じような計算を繰り返すと、
大多数の子どもは、
「まだ、やるの?」、
「もう分かったから・・・」となって、
集中を切らせてボ~ッとすることや、
眠くなるようなことを
何回も繰り返すようになります。
こうなることを防ぐために、
先回りして待ち伏せるやり方なのです。
「まだ、やるの?」、
「もう分かったから・・・」となっても、
集中を切らせてボ~ッとすることや、
眠くなるようなことに、
ならなければいいのです。
楽にスラスラできるわり算を、
もっと速いスピードで計算できるように
リードするだけです。
つまり、
「まだ、やるの?」、
「もう分かったから・・・」となったとき、
子どもよりも速いスピードで、
九九を下から唱えて答えを出すような
実況中継型リードをこちらがすれば、
子どもは、
「私だって・・・」と、
速いスピードに意識を向けます。
集中を切らせてボ~ッとすることや、
眠くなるようなことに、
子どもの気持ちが向かないのです。
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関連:2023年05月04日の私のブログ記事
「繰り返し練習することで、
特別な感覚を持つことができます。
同時に、
困った習慣を持ってしまうことがあります。
速いスピードの計算に挑戦させれば、
困った習慣を、
夢中になる習慣に転じることが可能です」。
「はてなブログ」投稿。
(2023年08月11日)