「3けた×2けた」の筆算のかけ算に、強い「嫌だなぁ」を感じさせる子に、こちらのリードで、速いスピードの計算を体験させます。目の前の子の「嫌だなぁ」の気持ちを少しも気にしないでリードすることが、重要なコツです。

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:321 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 13 \\ \hline \end{array}  }}\\ の「3けた×2けた」を、

自力でどうにか答えを出します。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  321 \\ \:\:\:\times  \:\:\:\: 13 \\ \hline   963 \\   321\:\:\:\,\\\hline4173 \end{array}  }}\\ と、

正しい答えを出しています。

 

でも、

この子が答えを出すまでの

ダラダラとした動きから、

「嫌だなぁ」の気持ちを強く感じさせます。

 

 

そしてこの子は、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 61 \\ \hline \end{array}  }}\\ や、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 70 \\ \hline \end{array}  }}\\ で、

お手上げ状態です。

 

406 や、

70 のような 0 が入った数のかけ算です。

 

九九は、

覚えるとしても、

1の段より上です。

 

0の段の九九を、

普通は練習しません。

覚えていません。

 

さらに、

九九は、×1 からです。

 

2の段でしたら、

「にいちがに(2×1=2)」からです。

 

×0 は、

覚えている九九の中に、ないのです。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 61 \\ \hline \end{array}  }}\\ の計算には、

1×0= や、

6×0= が出てきますから、

このようなかけ算の計算は、

見慣れていないだけなのですが、

「嫌だなぁ」となります。

 

こうなると、

「どうやるの?」と、

こちらに聞く元気も出ません。

 

何をするでもなく、

ボ~ッとしてしまいます。

 

答えを出すことを諦めて、

「もうやめた」、

「こんなのできっこない・・」、

このような感じとは違います。

 

「答えを出さなければ・・」と、

この子は心のどこかで決めているようです。

 

だから手伝って、

こちらがリードして答えを出して、

終わらせたいのですが、

目の前のこの子を、

そのまま見たら、

とても手伝える状態ではありません。

 

 

このような子を手伝うとき、

こちらは、

自分自身のすべきこと、

すべきでないことを再確認します。

 

その中の 1つが、

「嫌だなぁ」を感じさせる子どもの気持ちを、

まったく気にしないことです。

 

こちらがリードする対象は、

この子が答えを出すための動きだけで、

気持ちを対象から外してしまいます。

 

ではありますが、

こちらの計算の実況中継を見せてリードして、

子どもの動きを変えてしまえば、

自然に、しかも自動的に、

子どもの気持ちも入れ替わります。

 

動きと気持ちは、

密接に関係しています。

 

子どもの「嫌だなぁ」の気持ちが、

ダラダラとした動きを生み出して、

逆に、

テキパキと速い動きに入れ替えれば、

「さぁ、終わらせるぞ・・」のような

強い前向きな気持ちになります。

 

でも、

このように、気持ちが入れ替わることを、

少しも期待していません。

こちらのリードの対象にしていません。

 

 

この子が手に負えないかけ算を、

子どもの動きを入れ替えるリードで、

速いスピードの計算で、

答えを出すことだけに、

狭く絞り込みます。

 

実は、

このように狭く絞り込んでしまうから、

「嫌だなぁ」を強く感じさせる子の

ダラダラとした動きに、

こちらは、

まったく影響されないで、

チョット困っている程度の子に手伝うように、

速いスピードの計算をリードできます。

 

ここまで思い切らないと、

やはりどうしても、

目の前の「嫌だなぁ」を強く感じさせる気持ちに、

引きずられてしまいます。

 

そして、

速いスピードの計算をリードできなくなります。

 

こうならないように、

こちらの心に、

「嫌だなぁ」を感じさせる子どもの気持ちを、

リードの対象にしないと、

前もって、

強く覚悟しておきます。

 

 

なお、

このようにしてでも、

速いスピードの計算にこだわるのは、

速いスピードの計算を体験させると、

答えの出し方が、

リードされたこの子に残ると、

分かっているからです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -658)、(×÷  {\normalsize {α}} -138)