自力で答えを出したい気持ちは、率先力の主体性です。常に、1ステップだけを教えることで、育てることができます。

次の 1ステップだけを教えます。

 

1ステップが十分でなければ、

子どもは、

再び、「分からない」や、

「教えて」と聞きますから、

また、次の 1ステップだけを教えます。

 

このように、常に、

1ステップだけを教えます。

 

これだけの手間を掛けて、

自力で答えを出そうとする主体性を

少しずつ育てます。

 

 

例えば、

見た目が普通ではない筆算のたし算の

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:\:\:\: 7\\ +115 \\ \hline \end{array} }} \\  を、

「分からない」と聞かれたとします。

 

1けたの 7 に、

3けたの 115 を足すたし算です。

 

見慣れている筆算のたし算   {\normalsize { \begin{array}{rr} 324 \\ +\: 257 \\ \hline \end{array} }} \\  と、

かなり違う形をしています。

 

だからでしょう。

「分からない」となるようです。

 

 

この子に、

次の 1ステップだけを教えます。

 

最初の 1ステップを教えます。

1ステップだけです。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:\:\:\: 7\\ +115 \\ \hline \end{array} }} \\  の 7 と 5 を示しながら、

「しち 足す ご じゅうに」と言って、

5 の真下を示して、

「ここ、に(2)」、

「指、いち(1)」と言います。

 

1ステップを教えられた子は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:\:\:\: 7\\ +115 \\ \hline\:\:\:\:2\end{array} }} \\  と書いて、

指を 1 本伸ばします。

 

 

こちらは、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:\:\:\: 7\\ +115 \\ \hline \end{array} }} \\  の答えを出すために、

最初の計算  7+5=12  を教えて、

12 の 2 を、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:\:\:\: 7\\ +115 \\ \hline\:\:\:\:2\end{array} }} \\  と書いて、

12 の 1 を、

指を 1本伸ばして覚えることを教えましたから、

「分からない」と聞いた子への指導を、

プツッと終わります。

 

「分からない」と子どもから聞かれて、

即、

最初の 1ステップを教えましたから、

子どもの「分からない」を満たしています。

 

「教えたよ!」と言わないですが、

1ステップを教え終わりましたから、

子どもへの指導を終えます。

 

 

同じ子から、

また、「分からない」と聞かれます。

 

また、

次の 1ステップだけを教えます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:\:\:\: 7\\ +115 \\ \hline\:\:\:\:2\end{array} }} \\  の次の 1ステップです。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:\:\:\: 7\\ +115 \\ \hline\:\:\:\:2\end{array} }} \\  の 115 の十の位の 1 を示して、

「これ」と言って、

子どもの指を、伸ばしていようが、

折っていようが、

1本だけ触って、

「いち(1)、増えて、に(2)」と言って、

すぐ下の余白を示して、

「ここ、に(2)」と言います。

 

「分からない」と聞いて、

次の 1ステップを教えられた子は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:\:\:\: 7 \\ +115 \\ \hline\:\:22\end{array} }} \\  と書きます。

 

やはりここでも、

「教えたよ!」と言わないですが、

1ステップを教え終わりましたから、

子どもへの指導を終えます。

 

 

この次のステップを、

また、

「分からない」と聞かれたら、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:\:\:\: 7 \\ +115 \\ \hline\:\:22\end{array} }} \\  の次の 1ステップを教えます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:\:\:\: 7 \\ +115 \\ \hline\:\:22\end{array} }} \\  の 115 の百の位の 1 を示して、

「これ」と言って、

その真下を示して、

「ここ」と言います。

 

教えられた子は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:\:\:\: 7\\ +115 \\ \hline\:122\end{array} }} \\  と書きます。

 

このように、

次の 1ステップだけを、

手間を惜しまないで教えれば、

子どもの内面に、

「自力で答えを出したい」気持ちが育ちます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1285)、(+-  {\normalsize {α}} -700)

 

関連:2023年05月14日の私のブログ記事

「子どもから聞かれたら、

次の 1ステップだけを教えて、

「続きは自分で・・・」のような感じに、

突き放します。

しかたなしに、自力で「計算しよう」とします。

こうして、強引に計算に向かわせます」。