分子が 5 で、分母も 5 の仮分数を、1 と、正しく計算できた子に、「どうやったの?」と聞きます。「上と下が同じだから、1」と言われたら、計算自体をリードします。

分子と分母が、

同じ数 5 の仮分数  {\Large\frac{5}{5}} を、

1 と、正しく計算した子です。

 

 {\Large\frac{3}{5}} {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{5}{5}}=1  です。

 

 

正しくできていますから、

この子の計算の仕方を聞きます。

 

「どうやったの?」です。

 

 

すると、

「上と下が同じだから、1」と言います。

 

この子だけではなくて、

このように言う子が多いのです。

 

 

確かに、

上と下は同じです。

 

この子は、

正しいことを言っています。

 

ですが、

だから、1 ではないのです。

 

「どうやるの?」の答えに、

なってはいません。

 

 

「上と下が同じ」は、

分子と分母が、同じ数 5 の仮分数を、

言葉にしただけなのです。

 

「どのような分数?」と聞かれたら、

「上と下が同じ数で、5になっています」と、

このようになるのでしょう。

 

 

でも今、

「どうやったの?」と聞いています。

 

分数の特長を聞いてはいないのです。

 

分子と分母が、同じ数 5 の仮分数に、

どのような計算をしたら、

1 が、答えになるのかを聞いています。

 

 

もちろん、

「上と下が同じ数の分数は、1と書く」のような

算数の規則などないのです。

 

何らかの計算をしているのです。

 

 

ただし、

このようなことを

この子に説明したら、

とても長くなってしまいます。

 

「どうやったの?」は、

答えを出した計算を聞いている質問で、

「上と下が同じ数 5 の分数を、

どのように計算したら、1 になる?」と

聞いているのです。

 

 

この子に、

アレコレ説明しても、

ピンとくることはないでしょうから、

次のように、リードしてしまいます。

 

分子 5 と、分母 5 を、

この順に示しながら、

「これ割るこれは?」と聞くだけのリードです。

 

これでこの子は、

「えっ」、

「なぁんだ」、

「計算を聞かれたのか!」のように

自分の勘違いを理解できます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1319)、(分数  {\normalsize {α}} -531)