筆算のひき算で、下から上を引く子がいます。計算式全体をチラッとでも見ることをしない子です。このことを、知っただけでしたら学習知です。見たら、体験知に変わります。ミスした答えの正し方を指導したら、体験知が増えます。

筆算のひき算で、

引ける方から引いてしまう子は、

計算式全体を、

計算する前にチラッとでも見ていません。

 

例えば、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 76 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\  の一の位の 6 と 8 を、

8-6=2  と引いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:76 \\ -\: 28\\ \hline \:\:\:\:2\end{array} }} \\  と書く子は、

計算式全体をチラッと見ようとして、

見ていません。

少しも見ていません。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 76 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\  の計算式全体を、

チラッとでも見ていれば、

一の位の上が 6 で、下が 8 と、

位置関係を見ます。

 

そして、

上から下を引くのですから、

6-8=  は引けないことに気付きます。

 

と、

このようなことを、

読むことで知ったのでしたら、

それは学習知です。

 

 

実際に、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:76 \\ -\: 28\\ \hline \:\:\:\:2\end{array} }} \\  と書く子を見ることで、

「なるほど、引ける方から引く子がいる」と、

体験知に変わります。

 

そして、

計算式全体をチラッとでも見る子に育てたくて、

次のような実況中継型リードで教えます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:76 \\ -\: 28\\ \hline \:\:\:\:2\end{array} }} \\  と書いたミスに、

6 と 8 を示して、

「ろく引くはち、引けない(6-8=)」、

「じゅうろく引くはち、はち(16-8=8)」と言って、

ミスした答え 2 を示して、

「ここ、はち(8)」と言います。

 

 

そして、

このような子が、

3けたの筆算のひき算でも、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:654 \\ -\: 248\\ \hline \:\:\:\:4\end{array} }} \\  と、

引ける方から引いていることを見て、

「計算式全体をチラッと見ることは、

育てることが難しい」と受け止めて、

実際にミスする子を見た体験から、

体験知が増えます。

 

ここでも、

計算式全体をチラッとでも見る子に育てたくて、

次のような実況中継型リードで教えます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:654 \\ -\: 248\\ \hline \:\:\:\:4\end{array} }} \\  と書いたミスに、

4 と 8 を示して、

「し引くはち、引けない(4-8=)」、

「じゅうし引くはち、ろく(14-8=6)」と言って、

ミスした答え 4 を示して、

「ここ、ろく(6)」と言います。

 

 

このようにして、

計算式全体をチラッとでも見ない子の

体験知を増やしていきます。

 

見る体験や、

ミスした答えを正す指導の体験で、

体験知が増えていきます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1394)、(+-  {\normalsize {α}} -764)

 

関連:2023年08月21日の私のブログ記事

「筆算のひき算で、繰り下がりの有無は、

式を見れば分かります。ですが子どもは、

意識して式を見ていません」。