18÷2= のようなわり算 20 問を、見たら答えが出る計算と、九九を下から唱える計算の両方を、親に体験していただきます。その後で、計算の仕方と、計算を説明できるのかどうかが、大きく違うことをお伝えすることがあります。

算数や数学の教え方は、

対象が計算であっても、

理解できることを目的にしているようです。

 

このブログでは、

「入れる学び」と表現しています。

 

主として、言葉で、

子どもに、いくつかの情報を伝えて、

その情報で子どもが、

「分かった」となることを

目的にしているからです。

 

でも、

計算問題は、

計算できるようになったかどうかも、

実は、大事です。

 

このブログでは、

「出す学び」と表現しています。

 

理解するために、

情報を取り込むのは、

入れる向きです。

 

この入れる向きに対して、

計算問題の答えを出すことは、

子どもが自力で行いますから、

出す向きです。

 

このように向きの真逆な学びですから、

「分かった」であっても、

「計算できない」こともあります。

 

情報を取り込んで、

理解することと、

計算の答えを出すことは、

かなり違う頭の働きのようです。

 

この「出す学び」で、

自力で計算する答えの出し方に、

実は、2 種類あることを、

子どもの計算を理解する視点として、

親にお伝えすることがあります。

 

8+7= のようなたし算と、

18÷2= のようなわり算が、

2 種類の計算を区別し易い計算です。

 

以下、

わり算で説明します。

 

親にお伝えするために、

18÷2=、21÷3=、25÷5=、24÷6=、

32÷8=、35÷7=、36÷4=、15÷3=、

14÷2=、28÷4=、72÷9=、30÷5=、

9÷3=、16÷4=、12÷3=、18÷6=、

21÷7=、20÷5=、24÷8=、27÷9=、

このようなわり算を使います。

 

2 通りの方法で、

同じ 20 問を計算していただきます。

 

実際に、

計算していただくと、

理解が深くなるからです。

 

親は、

問題 18÷2= や、21÷3= を見たら、

答え 9 や、7 が出ます。

 

最初は、

この方法で計算していただきます。

 

見たら、答えが出るのですから、

1 問、1~2 秒でしょう。

 

20 問で、20~40 秒です。

 

次は、

初めてわり算を習う子の

計算の仕方を指定します。

 

九九を、下から唱える計算です。

 

18÷2= でしたら、

18 を見たまま、

2 の段を下から、

「にいちがに、ににんがし、・・」と唱えて、

九九の答えが、18 になるまで、

「にくじゅうはち」まで唱えて、

18÷2=9 と書きます。

 

21÷3= でしたら、

21 を見たまま、

3 の段を下から、

「さんいちがさん、さんにがろく、・・」と唱えて、

九九の答えが、21 になるまで、

「さんしちにじゅういち」まで唱えて、

21÷3=7 と書きます。

 

でも親は、

18÷2= を見たら、

答え 9 が出ていますから、

九九の唱え方が雑になります。

 

確実に九九を唱えていただくために、

面倒さを強く感じますが、

違う種類の計算をご理解いただくためですから、

九九をブツブツと唱えていただきます。

 

1 つの段を早口で唱えれば、

6 秒くらいですから、

18÷2= の答え 9 を、

九九を唱えて出す時間は、

6秒くらいです。

 

9÷3= のように、

「さざんがく」まで唱えれば、

答え 3 が出ますから、

6 秒もかからないわり算もあります。

 

ですから、

1 問、長くても 6 秒です。

 

20 問ですから、

長くても 120 秒、

つまり、2 分です。

 

18÷2= を見たら出る答え 9 のような計算の

20 問、20~40 秒と比べて、

2 分はとても長い時間です。

 

このような計算を体験していただいた後で、

子どもの「出す学び」を、

理解する視点をお伝えします。

 

18÷2= を、

2 の段の九九を下から唱えて、

答え 9 を出す計算は、

言葉で説明できます。

 

だから、

計算の仕方を教えることができます。

 

でも、

18÷2= を見たら、

答え 9 が出る計算は、

言葉で説明できません。

 

実際にしていることを、

そのまま言葉にすると、

「見たら、答えが出る」ですが、

これでは、説明になりません。

 

初めて 18÷2= を計算する子は、

見ても、

18÷2= が見えるだけです。

 

答え 9 は、

出ません。

 

ですから、

「見たら、答えが出る」と説明されても、

そうはなりませんから、

子どもは、

「えっ、うそ。そうはならなない・・」と、

言われていることを理解できません。

 

このように、

見たら答えが出る親と、

九九を下から唱える子どもでは、

計算の仕方も、

計算を説明できるのかどうかも、

大きく違います。

 

と、

このような視点をお伝えします。

 

(基本  {\normalsize {α}} -418)、(×÷  {\normalsize {α}} -091)

 

たし算を、指で数えて計算している子を、正確に理解するための少しばかり面白い視点を、親にお伝えすることがあります。試しに、2 通りの方法で、たし算 10 問を計算していただいた後にです。

7+4=、8+6=、9+5=、6+8=、2+9=、

7+8=、9+4=、7+6=、8+9=、7+7=。

 

このようなたし算を、

指で数えて計算する子です。

 

例えば、

7+4= でしたら、

7 の次の 8 から、

8、9、10、11 と指で数えて、

答え 11 を出します。

 

8+6= でしたら、

8 の次の 9 から、

9、10、11、12、13、14 と指で数えて、

答え 14 を出します。

 

このような計算をしている子を、

正確に理解するための材料として、

少しばかり面白い視点を、

親にお伝えすることがあります。

 

10 分ほど時間をいただければ済むような

新しい視点を持つお手伝いです。

 

10 問のたし算を、

親に、普通に計算していただきます。

 

7+4=、8+6=、9+5=、6+8=、2+9=、

7+8=、9+4=、7+6=、8+9=、7+7=。

この 10 問です。

 

親は、

7+4= を見るだけで、

答え 11 が出ますから、

7+4=11 と書く時間を入れても、

1 問、1~2 秒でしょう。

 

10 問で、10~20 秒です。

 

続いて、

同じ 10 問、

7+4=、8+6=、9+5=、6+8=、2+9=、

7+8=、9+4=、7+6=、8+9=、7+7= を、

子どもと同じように、

指で数えて計算してもらいます。

 

7+4= を見たら、

答え 11 が出る親ですから、

指で数えると言っても、

答え 11 を知っているために、

指の使い方が雑になって、

子どもと同じようにはなりません。

 

そこで、

お子さんの計算を理解するために、

やや厳しい制限を守っていただきます。

 

例えば、

7+4= でしたら、

7 の次の 8 から、

ブツブツと声に出してつぶやきながら、

でも、早口で構いませんので、

8、9、10、11 と指で数えて、

計算していただきます。

 

こうすると、

7+4= の答え 11 が分かっていても、

子どもと同じように、

手間のかかる計算になります。

 

すると、

同じ 10 問、

7+4=、8+6=、9+5=、6+8=、2+9=、

7+8=、9+4=、7+6=、8+9=、7+7= を、

40 秒、50 秒になります。

 

しかも、

イライラしてきます。

 

このように、

2 通りの方法で、

7+4=、8+6=、9+5=、6+8=、2+9=、

7+8=、9+4=、7+6=、8+9=、7+7= を、

計算していただきます。

 

そして、

いくつかの新しい視点を持つお手伝いをします。

 

指で数える計算は、

言葉で説明することができます。

 

問題を見たら、

答えがでている計算は、

どのような計算なのかを

言葉で説明することができません。

 

計算していただきましたので、

ご自身の計算を思い返していただければ、

言葉で説明できるのかどうかを

探ることができます。

 

問題を見ただけで、

答えが出ている計算は、

言葉で説明することができないとしたら、

言葉で教えられないことになって、

だから、

誰かに教えてもらった計算ではないでしょう。

 

自分が、

このような計算をつかんだと考えるのが、

自然だと思うのですが、

いかがでしょうか?

 

であるとすれば、

子どもも、同じように、

自分でつかむしかないのでしょう。

 

自分でつかんだ計算であることを、

納得できたとして、

どのようにしたから、

つかめたのでしょうか?

 

アレコレと思い浮かぶでしょう。

 

仮説としてですが、

指で数える計算を、

ウンザリしていても続けたから、

指で数える前に答えが出るようになった・・と、

考えることもできそうです。

 

と、

このような新しい視点を持つお手伝いをします。

 

(基本  {\normalsize {α}} -417)、(+-  {\normalsize {α}} -260)

 

四則混合の 1 つの式の中でも、3 つの分数のかけ算・わり算は、1 度に計算させるように育てます。式を見る目が、育ちます。

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{3}{4}}× {\Large\frac{2}{5}}× {\Large\frac{5}{9}}= や、

 {\Large\frac{1}{4}}÷1 {\Large\frac{1}{5}}× {\Large\frac{4}{5}} {\Large\frac{1}{3}}×3 {\Large\frac{3}{5}}= のような

分数の四則混合です。

 

計算する前の子に、

「順番?」と問います。

 

聞かれることを待ち構えていた子は、

前もってリハーサルしていたように、

瞬時に応答してくれます。

 

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{3}{4}}× {\Large\frac{2}{5}}× {\Large\frac{5}{9}}= でしたら、

 {\Large\frac{3}{4}}× {\Large\frac{2}{5}}× {\Large\frac{5}{9}} の 2 つの × を囲むように、

指先で楕円を描き、

続いて、

左の + を指し示します。

 

一瞬の戸惑いもなく、

瞬時に、無言で、

計算順を、

このように、指先で示してくれます。

 

 {\Large\frac{1}{4}}÷1 {\Large\frac{1}{5}}× {\Large\frac{4}{5}} {\Large\frac{1}{3}}×3 {\Large\frac{3}{5}}= でしたら、

 {\Large\frac{1}{4}}÷1 {\Large\frac{1}{5}}× {\Large\frac{4}{5}} の ÷ と × を囲むように、

指先で楕円を描き、

続いて、

右の × を示し、

中ほどの + の順です。

 

少しも戸惑いを感じさせません。

 

この子は、

計算順を先に決めてから、

その後で計算する習慣を、

既に持っていて、

確実にそうできます。

 

この子のように育てるために、

分数の四則混合を計算する前に、

先に計算順を決める習慣が育つまで、

計算する前に、

「順番?」と問い続けます。

 

先に計算順を決める習慣が育つまで、

数カ月もかかりません。

 

子どもの個人差がありますが、

1~2週間くらいです。

 

この手間をかければ、

どの子も必ず、

この子のように、

そうすることが当たり前のように、

計算順を先に決めるようになります。

 

もちろん、

四則混合の計算式は、

簡単なものから、

かなり複雑なものまであります。

 

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{3}{4}}× {\Large\frac{2}{5}}× {\Large\frac{5}{9}}= や、

 {\Large\frac{1}{4}}÷1 {\Large\frac{1}{5}}× {\Large\frac{4}{5}} {\Large\frac{1}{3}}×3 {\Large\frac{3}{5}}= のように、

それまでと違ったタイプの四則混合を、

新しく計算するするときには、

計算する前に、

「順番?」と聞きます。

 

四則混合の 1 つの式の中でも、

 {\Large\frac{3}{4}}× {\Large\frac{2}{5}}× {\Large\frac{5}{9}} や、

 {\Large\frac{1}{4}}÷1 {\Large\frac{1}{5}}× {\Large\frac{4}{5}} のような

3 つの分数のかけ算・わり算を、

1 度に計算してほしいのでです。

 

例えば、

 {\Large\frac{3}{4}}× {\Large\frac{2}{5}}× {\Large\frac{5}{9}} を、

 {\Large\frac{3}{4}}× {\Large\frac{2}{5}} \require{cancel}\displaystyle {\frac{3}{\begin{matrix}\cancel{4}\\2\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{2}\end{matrix}\,}{5}} {\Large\frac{3}{10}} としてから、

この答え  {\Large\frac{3}{10}} を使って、

 {\Large\frac{3}{10}}× {\Large\frac{5}{9}} \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{3}\end{matrix}\,}{\begin{matrix}\cancel{10}\\2\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{5}\end{matrix}\,}{\begin{matrix}\cancel{9}\\3\end{matrix}\,}} {\Large\frac{1}{6}} とすれば、

2 回の計算です。

 

1 度ではありません。

 

そうではなくて、

1 度で、

 {\Large\frac{3}{4}}× {\Large\frac{2}{5}}× {\Large\frac{5}{9}} \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{3}\end{matrix}\,}{\begin{matrix}\cancel{4}\\2\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{2}\end{matrix}\,}{\begin{matrix}\cancel{5}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{5}\end{matrix}\,}{\begin{matrix}\cancel{9}\\3\end{matrix}\,}} {\Large\frac{1}{6}} と、

計算させたいから、

「順番?」と聞くことから、

始めています。

 

(基本  {\normalsize {α}} -417)、(分数  {\normalsize {α}} -161)

 

「なぜ?」とする子を、「正しいと認めて、受け入れる」方向にリードして、疑問を抱えたままで、ルートの計算に慣れさせます。こうして、2次方程式に進み、解にルートが出ても、自然に受け入れることができるようにします。こうなると子どもは、このための準備であったことに気付きます。

\sqrt{2} や、\sqrt{3} が、

 {x^{2}-2x-1=0} のような2次方程式の解に、

x=1±\sqrt{2} のように出てきます。

 

だから、

 {x^{2}-2x-1=0} のような2次方程式の前に、

\sqrt{2} や、\sqrt{3} を計算できるようにします。

 

試しに、

 {x^{2}-2x-1=0} を、解いてみます。

 

式を変形するシンプルな解き方です。

 

 {\normalsize {(x-1)^{2}-2=0}}

 {\normalsize {(x-1)^{2}=2}}

x-1=±\sqrt{2}

x=1±\sqrt{2} と解けます。

 

このように、

 {x^{2}-2x-1=0} を解くために、

\sqrt{2} が必要です。

 

だから、

 {x^{2}-2x-1=0} のような2次方程式を解く前に、

\sqrt{2} や、\sqrt{3} の計算に慣れておきます。

 

でも、

\sqrt{2} や、\sqrt{3} の計算に慣れようとしているとき、

やがて後になって、

 {x^{2}-2x-1=0} のような2次方程式を

解くときに必要になると、

子どもは知りません。

 

それでも、

\sqrt{2} や、\sqrt{3} の計算に慣れておきます。

 

例えば、

\sqrt{2}\sqrt{3}\sqrt{2}= を、

\sqrt{2}\sqrt{3} と計算します。

 

あるいは、

(3\sqrt{2}+1)(5\sqrt{2}+2)= を、

15(\sqrt{2})^{2}+11\sqrt{2}+2= と展開してから、

15×2+11\sqrt{2}+2=

11\sqrt{2}+32 と計算します。

 

さらには、

{\Large\frac{4+3\sqrt{2}}{\sqrt{2}}}= を、

{\Large\frac{(4+3\sqrt{2})\sqrt{2}}{\sqrt{2}\sqrt{2}}}= と、分母を有理化して、

{\Large\frac{4\sqrt{2}+3(\sqrt{2})^{2}}{(\sqrt{2})^{2}}}= 、

{\Large\frac{4\sqrt{2}+6}{2}}= (2 で約分します)、

\sqrt{2}+3 と計算します。

 

子どもは、

このような計算を通して、

\sqrt{2} や、\sqrt{3} に慣れます。

 

そして、

 {x^{2}-2x-1=0} の解を、

x=1±\sqrt{2} と、

違和感なく自然に、

計算できるようになります。

 

数学は、

このように組み立てていきます。

 

だから、

2 乗して、2 になる数を、

\sqrt{2} と知ったら、

「なぜ?」とする子を、

そうはしないで、

「正しい!」と受け入れて、

使い方に慣れる方にリードします。

 

あるいは、

a>0、b>0 のとき、\sqrt{a}\sqrt{b}\sqrt{ab} も、

「えっ、どういうこと?」とする子を、

そうはしないで、

「正しい!」と受け入れて、

使い方に慣れる方にリードします。

 

この方向にリードして、

計算が、先に進んだとき、

「このためだったのか・・」と、

「なぜ?」や、

「えっ、どういうこと?」の答えを、

発見できます。

 

大げさですが、

子どもには、発見です。

 

(基本  {\normalsize {α}} -416)、(分数  {\normalsize {α}} -160)

 

筆算のたし算:100問を解き終える粘りを育てます。筆算のたし算を計算するリズムを持たせることで、粘りを育てることができます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 33 \\ \hline \end{array} }}    {\normalsize { \begin{array}{rr} 55 \\ +\: 26 \\ \hline \end{array} }}    {\normalsize { \begin{array}{rr} 75 \\ +\: 19 \\ \hline \end{array} }}    {\normalsize { \begin{array}{rr} 46 \\ +\: 28 \\ \hline \end{array} }} \\  

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 88 \\ \hline \end{array} }}    {\normalsize { \begin{array}{rr} 28 \\ +\: 73 \\ \hline \end{array} }}    {\normalsize { \begin{array}{rr} 47 \\ +\: 56 \\ \hline \end{array} }}    {\normalsize { \begin{array}{rr} 94 \\ +\: 68 \\ \hline \end{array} }} \\  

 

このような筆算のたし算:100問を、

解き終える粘りを育てようとしている子です。

 

「どのような計算力なのか?」を、

探りながら、

こちらの計算を見せるリードをします。

 

以下は、

リードの一例です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 33 \\ \hline \end{array} }} \\ の 7 と 3 を示しながら、

「7+3=10」と早口で計算して、

子どもが何をするのかを待ちます。

 

この子は、すぐに、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 33 \\ \hline \:\:\:\:0\end{array} }} \\ と書きます。

 

このような様子から、

「1 を繰り上がり数として覚えたようだ」と、

推測できます。

 

続いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 33 \\ \hline \:\:\:\:0\end{array} }} \\ の 2 と 3 を示しながら、

「2+3=5」と早口で計算して、

子どもが何をするのかを待ちます。

 

この子は、すぐに、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 27 \\ +\: 33 \\ \hline\:\:60\end{array} }} \\ と書きます。

 

繰り上がり数 1 を足して、

6 にしていますから、

1 を繰り上がり数として覚えていて、

そして、確実に足す力があります。

 

しかも、

こちらの早口の計算、

「7+3=10」や、

「2+3=5」に素早く反応できますから、

7+3= や、2+3= の答えが、

問題を見たら、見ただけで、

瞬時に、10 や、5 と出るようです。

 

次の問題  {\normalsize { \begin{array}{rr} 55 \\ +\: 26 \\ \hline \end{array} }} \\ は、

この子の高い計算力に合わせて、

こちらの計算を見せるリードを、

減らします。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 55 \\ +\: 26 \\ \hline \end{array} }} \\ の 5 から 6 の向きを、

ペン先で示して、

すぐにボソッと「じゅういち(11)」です。

 

5+6= の答え、

11 だけをいきなり言うリードです。

 

これだけのリードに対して、

子どもはすぐに、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 55 \\ +\: 26 \\ \hline \:\:\:\:1\end{array} }} \\ と書きます。

 

続いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 55 \\ +\: 26 \\ \hline \:\:\:\:1\end{array} }} \\ の 5 から 2 の向きを、

ペン先で示して、

すぐにボソッと、

「しち(7)」、「はち(8)」です。

 

「しち(7)」は、5+2=7 です。

繰り上がり数 1 を足して、「はち(8)」です。

 

このリードに対して、

子どもはすぐに、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 55 \\ +\: 26 \\ \hline\:\:81\end{array} }} \\ と書きます。

 

この子の素早い計算から、

2+3=、7+3=、5+2=、5+6=、7+1=、

5+9=、4+2=、6+8=、1+8=、5+8=、

2+7=、8+3=、4+5=、7+6=、9+6=、

4+8=、・・・・・ のような 25 問を、

20秒くらいで計算できるようです。

 

このように、

こちらの計算を見せるリードを通して、

この子の計算力を評価します。

 

そして、

これだけの計算をできる子に合わせて、

こちらの計算の見せ方を決めます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 75 \\ +\: 19 \\ \hline \end{array} }} \\ の 5 から 9 の向きを、

ペン先で示して、

すぐにボソッと「じゅうし(14)」です。

 

子どもが、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 75 \\ +\: 19 \\ \hline \:\:\:\:4\end{array} }} \\ と書いたらすぐ、

7 から 1 の向きを、

ペン先で示して、

すぐにボソッと、

「はち(8)」、「く(9)」です。

 

子どもが、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 75 \\ +\: 19 \\ \hline\:\:94\end{array} }} \\ と書いたらすぐ、

次の問題  {\normalsize { \begin{array}{rr} 46 \\ +\: 28 \\ \hline \end{array} }} \\ を、

同じようにリードします。

 

このようにリードして、

5~10 問、

子どもと協力して計算して、

子どもに、計算のリズムを伝えます。

 

計算のリズムを持たせて、

たし算:100問を、

解き終える粘りを育てます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -415)、(+-  {\normalsize {α}} -259)

 

方程式は、解く前に解き方を決めます。その後で解きます。計算できない方程式を教えるとき、このような解き方を体験させます。

3x+12-5x=0 や、

5-3x-7x+3=0 の方程式を、

計算できないようです。

ボンヤリとしています。

 

5x+4=9 や、

5x=3x+12 や、

7x+4=4x+6 の方程式でしたら、

解くことができる子です。

 

でも、

3x+12-5x=0 や、

5-3x-7x+3=0 は、

まったく違って見えるようです。

 

同じ方程式の仲間に、

見えないようです。

 

この子の戸惑いは、

おそらくですが、

= の右が、

0 だけしかないからのようです。

 

0 も、

方程式 5x+4=9 の

= の右の 9 と同じ数です。

 

でも 0 は、

数の仲間であるような、

仲間ではない何か違うもののような

不思議なもののようです。

 

これだけのことなのですが、

5x+4=9 と、

3x+12-5x=0 は、

まったく違う形に見えるようです。

 

そして、

5x+4=9 は解くことができるのに、

3x+12-5x=0 は、

計算できません。

 

「どうして、違う形に見えるのか?」ではなくて、

「違う形に見える」のですから、

「同じだ」と気付くようなリードをします。

 

以下は、

リードの一例です。

 

3x+12-5x=0 に、

「どうやるの?」と聞きます。

 

方程式 3x+12-5x=0 を解く前に、

どのように解くのかを決める習慣です。

 

計算できなくて、

戸惑っている子ですから、

「どうやるの?」に答えることができないでしょう。

 

それでも、

解く前に、

解き方を決める習慣を育てていますから、

「どうやるの?」と、

子どもの答えを期待して、聞きます。

 

「どうやるの?」と、

聞くだけ無駄なことではなくて、

習慣を育てる手助けです。

 

聞いた後、

一瞬だけ待ちます。

 

「どうやるの?」が、

子どもの心に届いて、

考え始めるまでの一瞬間です。

 

「どうやるの?」と聞いても、

「どうせ答えられないだろうから」で、

一瞬間も待たずに、

解き方を教えてしまうと、

子どもの心に「どうやるの?」が届きません。

 

答えられるのかどうかよりも、

「どうやるの?」と、

自分が、自分に聞く習慣を育てることが

重要です。

 

ですから、

「どうやるの?」と聞いた後、

こちら自身が、自分に聞いたと思って、

答えを考える一瞬間だけ待ちます。

 

そして、

「どうやるの?」の自問自答に、

こちら自身が答えるタイミングで、

戸惑っている子に、

3x+12-5x=0 の解き方をリードします。

 

3x+12-5x=0 の

12 を示して、「これ」、

=0 の右を示して、「ここ」です。

 

これだけのリードです。

 

実は、

このリードは、

方程式 3x+12-5x=0 を

解くリードではなくて、

解く前に、

自分が、

自分に問う「どうやるの?」の答えです。

 

このようなリードで、

解き方を決めてから、

方程式 3x+12-5x=0 を解きます。

 

3x と、-5x を示して、

「このまま」です。

 

こちらにリードされて、

子どもは、

方程式 3x+12-5x=0 の下の余白に、

3x-5x と書きます。

 

続いて、

12 を示して、「これ」、

=0 の右を示して、「マイナス、ここ」です。

 

このリードで、

子どもは、

3x-5x=0-12 と書きます。

 

こうなると、

子どもに見慣れた方程式の形ですから、

続きを自力で解くことができます。

 

次の方程式、

5-3x-7x+3=0 も、

同じようにリードします。

 

「どうやるの?」と、

解き方を教える前に聞きます。

 

「どうやるの?」が、

子どもの心に届いて、

考え始めるまでの一瞬間、

待ってから、

「どうやるの?」への

こちらの答えを見せます。

 

5-3x-7x+3=0 の

5 と、3 を示して、「これとこれ」、

=0 の右を示して、「ここ」です。

 

このようなリードで、

「どうやるの?」の答えを見せた後、

解き方をリードします。

 

-3x と、-7x を示して、

「このまま」です。

 

子どもは、

方程式 5-3x-7x+3=0 の下の余白に、

-3x-7x と書きます。

 

続いて、

5 と、3 を示して、「これとこれ」、

=0 の右を示して、

「マイナスで、ここ」です。

 

子どもは、

-3x-7x=0-5-3 と書きます。

 

続きは、

自力で解くことができます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -414)、(分数  {\normalsize {α}} -159)

 

計算して答えを出すための理解ができれば、計算することができます。意味を言葉で説明されて、「分かった!」となる理解まで、必要としません。

2 乗すると、

-1 になる数を、

文字  {\normalsize {i}} で表します。

 

この  {\normalsize {i}} を、

虚数単位といいます。

 

 {\normalsize { i^{2}=-1}} です。

あるいは、

 {\normalsize {i}}\sqrt{-1\:\:} です。

 

高校数学になると、

このような書き方で、

新しい数「  {\normalsize {i}} 」を知ります。

 

このとき、

「そうか!」と受け入れてしまいます。

 

このような受け入れ方が、

計算して答えを出すための

「出す学び」の理解の仕方です。

 

「えっ、どういうことなのですか?」、

「もっと詳しく説明してもらえますか?」とすると、

「入れる学び」の理解の仕方になります。

 

新しい数「  {\normalsize {i}} 」の意味を、

言葉で詳しく説明してもらい、

「分かった!」となろうとする学び方です。

 

計算して答えを出すための理解、

つまり、

「出す学び」の理解に比べると、

過剰なのです。

 

「今、そこまで知ろうとしなくても、

計算することはできるのに・・」なのです。

 

「ふ~ん、そうなのか!」と、

新しい数「  {\normalsize {i}} 」を、

計算して答えを出すための理解、

つまり「出す学び」の理解で満足して、

計算問題を解く態度が、

高校数学の計算に上達する態度です。

 

そして、

計算問題を解いていきます。

 

例えば、

\sqrt{{\Large-\frac{1}{25}}} を、

\sqrt{{\Large\frac{1}{25}}}  {\normalsize {i}}{\Large\frac{\sqrt{1}}{\sqrt{25}}}  {\normalsize {i}} {\Large\frac{1}{5}}  {\normalsize {i}} と計算します。

 

(\sqrt{5}{i})^{2} を、

(\sqrt{5})^{2} {\normalsize { i^{2}}}=5×(-1)=-5 と計算します。

 

\sqrt{-4\:\:}×\sqrt{-9\:\:} を、
\sqrt{4} {\normalsize {i}}×\sqrt{9} {\normalsize {i}} =2 {\normalsize {i}}×3 {\normalsize {i}} =6 {\normalsize { i^{2}}}=-6 と、
計算します。

 

「ふ~ん、そうなのか!」と受け入れれば、

このような計算をできます。

 

新しい数「  {\normalsize {i}} 」の

「対象の意味を知らなくても計算できる」なのです。

 

実は、

幼児の学び方がこうなっています。

 

数唱を教えるとき、

こちらが、

「いち、に、さん、し、ご、・・」と唱えて聞かせれば、

繰り返し、数日も聞かせれば、

幼児も自然にまねして、

「いち、に、さん、し、ご、・・」と唱えるようになります。

 

「いち」や、

「に」の意味を、

言葉で説明しなくても、

「いち、に、さん、し、ご、・・」と唱えてくれます。

 

1、2、3、4、5、・・と数字を書いた表を、

1 を示して、「いち」、

2 を示して、「に」、

3 を示して、「さん」、

4 を示して、「し」、

5 を示して、「ご」、

・・・・・と、

読む見本を子どもに見せれば、

繰り返し、数日も見せれば、

子どもも、指で数字を示して、

順に読むようになります。

 

数字 1 や、2 の意味を、

言葉で説明しなくても、

数字を指で示して、読むことができます。

 

数字の書きも同じように、

子どもに教えることができます。

 

そして、

数字を読めて、書けて、

順に唱えることができれば、

幼児でもたし算を計算できます。

 

3+1= の 3 を示して、

「さん」と声に出して読み、

1 を示して、

「し」と声に出して数え、

= の右を示して、

「し」と計算して見せれば、

子どもは、

3+1=4 と書いてくれます。

 

同じように、

7~8 問や、10~15 問、

計算して見せれば、

自力で、

7+1= の 7 を見て、

「しち」と心で読み、

1 を見て、

(見ない子もいますが)、

「はち」と心で数えて、

7+1=8 と計算できるようになります。

 

たし算の意味を、

言葉で説明しなくても、

こちらの計算を見せれば、

「そうあ!」と受け入れて、

計算できるようになります。

 

これは、

高校数学で、

新しい数「  {\normalsize {i}} 」を、

「そうか!」と受け入れて、

\sqrt{{\Large-\frac{1}{25}}} を、

\sqrt{{\Large\frac{1}{25}}}  {\normalsize {i}}{\Large\frac{\sqrt{1}}{\sqrt{25}}}  {\normalsize {i}} {\Large\frac{1}{5}}  {\normalsize {i}} と計算する姿勢と、

同じです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -413)、(+-  {\normalsize {α}} -258)、(分数  {\normalsize {α}} -158)