計算して答えを出すための理解ができれば、計算することができます。意味を言葉で説明されて、「分かった!」となる理解まで、必要としません。

2 乗すると、

-1 になる数を、

文字  {\normalsize {i}} で表します。

 

この  {\normalsize {i}} を、

虚数単位といいます。

 

 {\normalsize { i^{2}=-1}} です。

あるいは、

 {\normalsize {i}}\sqrt{-1\:\:} です。

 

高校数学になると、

このような書き方で、

新しい数「  {\normalsize {i}} 」を知ります。

 

このとき、

「そうか!」と受け入れてしまいます。

 

このような受け入れ方が、

計算して答えを出すための

「出す学び」の理解の仕方です。

 

「えっ、どういうことなのですか?」、

「もっと詳しく説明してもらえますか?」とすると、

「入れる学び」の理解の仕方になります。

 

新しい数「  {\normalsize {i}} 」の意味を、

言葉で詳しく説明してもらい、

「分かった!」となろうとする学び方です。

 

計算して答えを出すための理解、

つまり、

「出す学び」の理解に比べると、

過剰なのです。

 

「今、そこまで知ろうとしなくても、

計算することはできるのに・・」なのです。

 

「ふ~ん、そうなのか!」と、

新しい数「  {\normalsize {i}} 」を、

計算して答えを出すための理解、

つまり「出す学び」の理解で満足して、

計算問題を解く態度が、

高校数学の計算に上達する態度です。

 

そして、

計算問題を解いていきます。

 

例えば、

\sqrt{{\Large-\frac{1}{25}}} を、

\sqrt{{\Large\frac{1}{25}}}  {\normalsize {i}}{\Large\frac{\sqrt{1}}{\sqrt{25}}}  {\normalsize {i}} {\Large\frac{1}{5}}  {\normalsize {i}} と計算します。

 

(\sqrt{5}{i})^{2} を、

(\sqrt{5})^{2} {\normalsize { i^{2}}}=5×(-1)=-5 と計算します。

 

\sqrt{-4\:\:}×\sqrt{-9\:\:} を、
\sqrt{4} {\normalsize {i}}×\sqrt{9} {\normalsize {i}} =2 {\normalsize {i}}×3 {\normalsize {i}} =6 {\normalsize { i^{2}}}=-6 と、
計算します。

 

「ふ~ん、そうなのか!」と受け入れれば、

このような計算をできます。

 

新しい数「  {\normalsize {i}} 」の

「対象の意味を知らなくても計算できる」なのです。

 

実は、

幼児の学び方がこうなっています。

 

数唱を教えるとき、

こちらが、

「いち、に、さん、し、ご、・・」と唱えて聞かせれば、

繰り返し、数日も聞かせれば、

幼児も自然にまねして、

「いち、に、さん、し、ご、・・」と唱えるようになります。

 

「いち」や、

「に」の意味を、

言葉で説明しなくても、

「いち、に、さん、し、ご、・・」と唱えてくれます。

 

1、2、3、4、5、・・と数字を書いた表を、

1 を示して、「いち」、

2 を示して、「に」、

3 を示して、「さん」、

4 を示して、「し」、

5 を示して、「ご」、

・・・・・と、

読む見本を子どもに見せれば、

繰り返し、数日も見せれば、

子どもも、指で数字を示して、

順に読むようになります。

 

数字 1 や、2 の意味を、

言葉で説明しなくても、

数字を指で示して、読むことができます。

 

数字の書きも同じように、

子どもに教えることができます。

 

そして、

数字を読めて、書けて、

順に唱えることができれば、

幼児でもたし算を計算できます。

 

3+1= の 3 を示して、

「さん」と声に出して読み、

1 を示して、

「し」と声に出して数え、

= の右を示して、

「し」と計算して見せれば、

子どもは、

3+1=4 と書いてくれます。

 

同じように、

7~8 問や、10~15 問、

計算して見せれば、

自力で、

7+1= の 7 を見て、

「しち」と心で読み、

1 を見て、

(見ない子もいますが)、

「はち」と心で数えて、

7+1=8 と計算できるようになります。

 

たし算の意味を、

言葉で説明しなくても、

こちらの計算を見せれば、

「そうあ!」と受け入れて、

計算できるようになります。

 

これは、

高校数学で、

新しい数「  {\normalsize {i}} 」を、

「そうか!」と受け入れて、

\sqrt{{\Large-\frac{1}{25}}} を、

\sqrt{{\Large\frac{1}{25}}}  {\normalsize {i}}{\Large\frac{\sqrt{1}}{\sqrt{25}}}  {\normalsize {i}} {\Large\frac{1}{5}}  {\normalsize {i}} と計算する姿勢と、

同じです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -413)、(+-  {\normalsize {α}} -258)、(分数  {\normalsize {α}} -158)