2けた×2けたの筆算のかけ算の計算を、子どもの分かっていることに結び付けて教えます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ のような筆算のかけ算の計算を教えます。

2けた×2けたのかけ算です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ の58の5がなければ、8です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 8 \\ \hline \end{array} }}\\ の2けた×1けたになります。

この計算の仕方を分かっています。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ の一部分が、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 8 \\ \hline \end{array} }}\\ に気付けば、

子どもが分かっている計算です。

 

ですから、

子どもが分かっている計算  {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 8 \\ \hline \end{array} }}\\ が、

「あぁ、あれだ」と思い当たるように教えます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ の一部分、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 8 \\ \hline \end{array} }}\\ を計算する積りで、

8と2を順に示して、

「はちに(8×2)?」と問います。

 

子どもが、「じゅうろく(16)」と答えてくれたら、

58の8の真下を示して、

「ここ、ろく(6)」です。

子どもは6を書きます。

 

繰り上がり数1を、

鉛筆を持っていない手の指に取らせます。

 

次に、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ の8と3を順に示して、

「はちさん(8×3)?」と問います。

 

「にじゅうし(24)」と答えてくれたら、

指に取った繰り上がり数1をつついて、

「にじゅうご(25)」です。

 

子どもが25を書かないようなら、

58の5の真下を示して、

「ここ」と教えます。

 

このような教え方です。

何と何をどうして、

その答えをどこに書いてを教えます。

 

子どもは数字を見て、

九九を計算して、

答えを書いて計算に参加します。

 

意図的にやや早口で教えます。

子どもの頭はとても速く動きます。

その速いスピードに合わせるためです。

 

やや早口で、

しかもぼそぼそと言われると、

子どもは教え込まれたと思いません。

 

自分の計算を、

手伝ってもらえたと感じるようです。

 

こうすると子ども自身、

頭を一生懸命に動かします。

 

そして、

「あぁ、そうか、こうするのか」と、

計算をつかまえようとします。

 

続いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 5 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ の計算を教える積もりで、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ の5と2を順に示して、

「ごに(5×2)?」と問います。

 

子どもが「じゅう(10)」と答えてくれたら、

58の5の下を示して、

「ここ、れい(0)」です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 58 \\ \hline  256 \\ \:\: 0\:\:\:\:\\\end{array} }}\\ です。

 

繰り上がり数1を、

鉛筆を持っていない手の指に取らせます。

 

次に、5と3を順に示して、

「ごさん(5×3)?」と問います。

 

子どもが、「じゅうご(15)」と答えてくれたら、

指に取った繰り上がり数1をつついて、

「じゅうろく(16)」です。

 

子どもが16を書かないようなら、

答え256の2の真下を示して、

「ここ」と教えます。 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 58 \\ \hline  256 \\ 160\:\:\:\:\\\end{array} }}\\ です。

 

最後に、たし算です。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 256 \\ +\: 160\:\:\:\: \\ \hline \end{array} }} \\ のような、見慣れないたし算です。

 

256の6の下が空欄です。

この6をそのまま下に動かして、

たし算の答えにします。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 256 \\ +\: 160\:\:\:\: \\ \hline \:\:\:\:6\end{array} }} \\ です。

 

256の6を示して、

「この、ろく(6)、ここ」と、

動かす先を教えます。

 

続くたし算は、

「ご足すれい、ご(5+0=5)」と、

「に足すろく、はち(2+6=8)」です。

160の1は、そのまま下に動かします。

「この、いち(1)、ここ」と教えます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 58 \\ \hline  256 \\ 160\:\:\:\:\\\hline \:1856\end{array} }}\\ と、計算できます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 256 \\ +\: 160\:\:\:\: \\ \hline \:1856\end{array} }} \\ のたし算は、

たし算の記号「+」を、書きません。

 

たし算の記号「+」のないままに計算します。

「これ、たし算」と説明しません。

 

このたし算を言葉で教えようとすると、

長い説明になります。

 

いきなり、「この、ろく(6)、ここ」とリードして教えます。

子どもは6を書きます。

 

続いて、

「ご足すれい、ご(5+0=5)」とリードすれば、子どもが5を書きます。

「に足すろく、はち(2+6=8)」で、8を書いて、

「この、いち(1)、ここ」で、1を書きます。

 

このようなリードで、

子どもが計算をつかむまで、

数問教えます。

 

つかむと、部分を見て計算するようになります。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ の一部分、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 8 \\ \hline \end{array} }}\\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 58 \\ \hline  256 \end{array} }}\\ の一部分、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 5 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 58 \\ \hline  256 \\ 160\:\:\:\:\\\end{array} }}\\ の一部分、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 256 \\ \: 160\:\:\:\: \\ \hline \end{array} }} \\ を見て計算します。

 

(×÷020)