こちらの計算を子どもに見せるだけの教え方は、
とても用途が広くて、
ワンパターンの便利な方法です。
ただし、実況中継です。
こちらが自分で計算するときは、
無言です。
無言の計算を見せても、
子どもに教えたことになりません。
だから、
こちらが頭の中でしていることを、
言葉にして実況中継します。
教える口調ではありません。
スポーツを実況中継するアナウンサーの口調です。
① 5+1= のたし算が初めての幼児に、
こちらの計算を見せるだけで、
計算の仕方を教えることができます。
例えば、次のような実況中継です。
5+1= の5を示して、「ご」と音読して、
1を示して、「ろく」と声に出して数えて、
= の右を示して、「ここ、ろく(6)」と言います。
とても不思議ですが、
こちらが教える気持ちゼロで、
ただ計算を実況中継しているだけですと、
幼児は、見て、聞いています。
そして、
5+1=6 と、
特別に機嫌が悪くなければ、
書いてしまいます。
もちろん、
5+1= を1問見せるだけでは足りません。
幼児が、「分かった!」となるまで、
5~6問や、
10問、20問の実況中継を見せます。
5+1= を、
「ご」、「ろく」、「ここ、ろく(6)」ですから、
5秒もかかりません。
6問で、30秒ほど、
10問で、1分ほど、
20問で、2分ほどです。
1コマが5秒ほどのこちらの計算映像を、
5~6回や、10回、20回と見ます。
残りやすくて、
再現しやすい映像です。
② 切れている集中に、
こちらの計算を実況中継で見せれば、
計算に戻すことができます。
例えば、次のような実況中継です。
たし算 で集中が切れています。
5を示して、
「ご足すさん、はち(5+3=8)」と計算します。
と子どもが書くのを待ちます。
これで、切れていた集中が、
計算に戻ります。
続いて、2を示して、
「に足すろく、はち(2+6=8)」です。
子どもが、 と書いたら、
4を示して、
「し足すいち、ご(4+1=5)」です。
と書いた子どもは、
次の問題 を計算します。
集中の切れている子が、
こちらの計算の実況中継を見ます。
こちらが、
計算に集中している姿を見ます。
すると、
「あぁそうだ。計算していた」と気付きます。
こちらの計算の実況中継は、
計算するだけのワンパターンですが、
動画見本ですから、
情報量が多いのです。
だから、用途の広い教え方です。
(基本 -093)、(+- -072)