連立方程式の途中で止まります。子どもが知りたいことは、次の計算だけです。だから、次の1ステップだけを手伝います。

連立方程式を、

代入法の特殊な形の

等値法で計算できる子です。

 

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y=3x+5\\y=7x-3\end{array}\right.\end{eqnarray}} の2つの式を見ると、

共に、y=~~ の形です。

 

だから、

 3x+5=7x-3 とできます。

 

これは、 x だけの方程式です。

 x を計算できます。

 

 x を左に、数字を右に集めて、

 3x-7x=-3-5 として、

左と、右をそれぞれ計算して、

 -4x=-8 として、

 x についている数 -4 で、-8 を割れば、

 x=2 と、 x が求まります。

 

この  x を、

 y=3x+5 x に代入して、

 y=3×2+5=11 と、 y が求まります。

 

このように、

スラスラと計算できる子です。

 

だから、少し難しそうになっても、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y= {\Large\frac{1}{2}}x+5\\y= {\Large\frac{1}{3}}x+2\end{array}\right.\end{eqnarray}} の式の形を見て、

 {\Large\frac{1}{2}}x+5= {\Large\frac{1}{3}}x+2 と書くことができます。

 

でも、

ここで止まってしまいます。

 

「ここまでできるのに、

どうしてここで止まるの?」です。

 

うそのような本当の話です。

両辺「×6」とできません。

 

ですから、

ピンポイントで、

 {\Large\frac{1}{2}}x+5= {\Large\frac{1}{3}}x+2 の下の余白を示して、

「ここ、掛けるろく(×6)」と教えます。

 

続きを知りたかった子は、

 {\Large\frac{1}{2}}x+5= {\Large\frac{1}{3}}x+2 の下に、

×6

このように書きます。

 

こう書いて、そして見ると、

この子には、見慣れた形です。

 

「あぁ、そうだった」と理解します。

 

左も、右も 6 倍する続きを普通に書けば、

 6({\Large\frac{1}{2}}x+5)=6( {\Large\frac{1}{3}}x+2) です。

 

でもこの子は、

「あの計算だ!」とつながりましたから、

掛ける数 6 を頭に置いて、

 {\Large\frac{1}{2}}x+5= {\Large\frac{1}{3}}x+2 のそれぞれに

6 を掛けて計算して、

 3x+30=2x+12 と書くことができます。

 

続きを、

 x を左に、数字を右に集めて、

 3x-2x=12-30 として、

左と、右をそれぞれ計算して、

 x=-18 と、 x が求まります。

 

この  x を、

y= {\Large\frac{1}{2}}x+5 の  x に代入して、

y= {\Large\frac{1}{2}}×(-18)+5=-4 と、

 y が求まります。

 

さて、この子は、

 {\Large\frac{1}{2}}x+5= {\Large\frac{1}{3}}x+2 まで書いて止まります。

 

この子の計算を手伝うとき、

ここまでが正しくできているのかどうかを、

少しも気にしません。

 

こちらは、

ここまでが正しいのかどうかが

とても気になりますが、

こちらのことです。

 

この子が、期待することは、

続きの計算の仕方を知りたいのです。

 

止まっている計算  {\Large\frac{1}{2}}x+5= {\Large\frac{1}{3}}x+2 の

続きを知りたいのです。

 

しかも、

 {\Large\frac{1}{2}}x+5= {\Large\frac{1}{3}}x+2 の続きは、

 {\Large\frac{1}{2}}x+5= {\Large\frac{1}{3}}x+2 が正しくても、

間違えていても、

どちらにしても同じです。

 

この子は、

6 倍して、

分数を整数に変える計算に慣れています。

 

だから、

 {\Large\frac{1}{2}}x+5= {\Large\frac{1}{3}}x+2 の下の余白を示して、

「ここ、掛けるろく(×6)」とだけ教えます。

 

続きを知りたいこの子は、

自分の気持ちが理解されていると感じて、

教えられたように、

 {\Large\frac{1}{2}}x+5= {\Large\frac{1}{3}}x+2

×6

このように書きます。

 

見ながら書きますから、

「あぁ、そうだった!」と、

続きの計算がつながり、

スラスラと計算し始めます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -110)、(分数  {\normalsize {α}} -024)