連立方程式の代入法は、解き方に慣れるまで、おかしな解き方をする子がいます。x や、y のような文字の種類ではなくて、x+4y=14 や、4y+x=14 の右の文字のような見方をする子がいます。

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y=2x-1\\x+4y=14\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような連立方程式

代入法で解くことができる子です。

 

上の式 y=2x-1 を、

下の式 x+4y=14 の y に

代入します。

 

代入すると、

x+4(2x-1)=14 になります。

 

これは、

x だけの方程式です。

 

これを解きます。

 

x+4(2x-1)=14 、

x+8x-4=14 、

9x=18 、

x=2 と解くことができます。

 

そして、

この x=2 を、

y=2x-1 に代入すれば、

y=2×2-1=3 と、求まります。

 

 

さて、

「下の式 x+4y=14 の y に代入」を、

少し踏み込みます。

 

こちらは、

「 y に代入」と、

当然のように、みています。

 

だから、

下の式が、

x+4y=14 ではなくて、

4y+x=14 と書いてあっても、

「 y に代入」であれば、

代入した式は、

4(2x-1)+x=14 です。

 

 

ところが、

「 y に代入」ではなくて、

「右の文字に代入」とみている子がいます。

 

このような見方をしている子は、

x+4y=14 の右に代入でしたら、

x+4(2x-1)=14 となり、

4y+x=14 の右に代入でしたら、

4y+(2x-1)=14 となってしまいます。

 

x や、y のように、

文字の種類ではなくて、

x+4y=14 や、4y+x=14 の

右の文字のような見方をしています。

 

実際に、

こうする子がいるのですから、

うそのような本当の話です。

 

 

例えば、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}5y=10x-15\\3y-2x=3\end{array}\right.\end{eqnarray}}連立方程式で、

代入法を指定されています。

 

子どもは、

指定された代入法で解こうとして、

解く前に、

2 つの式を見て、

どのように解くのかを決めます。

 

連立方程式を解く前に、

式を見て、

解き方を決める習慣を持っている子ですから、

習慣に動かされて、

解く前に、

解き方を決めます。

 

そして、

上の式 5y=10x-15 を、

5 で割って、

y=・・・・・の式にして、

それを、

下の式 3y-2x=3 の

右の文字に代入すると決めます。

 

 

それから、

自分が決めたように計算します。

 

まず、

上の式 5y=10x-15 を、

5 で割って、

y=2x-3 です。

 

これ y=2x-3 を、

下の式 3y-2x=3 の

右の文字に代入して、

3y-2(2x-3)=3 です。

 

実例です。

 

 

言葉で説明して、

「 3y-2x=3 の右の文字ではなく、

y に、

y=2x-3 を代入する」と教えれば、

3(2x-3)-2x=3 とできるはずです。

 

ご理解いただきにくい微妙なことですが、

子どもは、

自分で解こうとしています。

 

この子に、

言葉で説明すると、

子どもは、

こちらの説明を取り込んで、

理解しなければなりません。

 

計算して出すことと、

説明を取り込むことは、

真逆の向きですから、

子どもには、

大きな負担なのです。

 

しかも、

この子の希望は、

代入した式を書くことですから、

自力で、

代入した式を書くことができるように

手伝ってほしいだけです。

 

 

だから、

言葉の説明をやめて、

子どもの目の前で、

下の式 3y-2x=3 を、

無言で、

-2x+3y=3 と書き換えます。

 

文字 y を、

右に移しただけです。

 

こうするだけで子どもは、

「あっ」となって、

-2x+3y=3 の右の文字に、

つまり、y に代入して、

-2x+3(2x-3)=3 とします。

 

(基本  {\normalsize {α}} -496)、(分数  {\normalsize {α}} -206)