連立方程式の解き方:消去法と代入法に慣れた子に、1 つの連立方程式を、消去法と代入法の 2 つの方法で解かせた後、「どっちがいい?」と聞きます。

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}3x-2y=6\\x+2y=2\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような連立方程式を、

消去法で計算するとき、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}3〇-2〇=〇\\1〇+2〇=〇\end{array}\right.\end{eqnarray}} のように、

「形」を見て、

「上と下の式を足して、y を消す」と、

先に決めてから計算します。

 

続きの計算は、省略します。

 

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}2x+5y=x-2y-6\\8x+y=5x-y+1\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような連立方程式を、

消去法で計算するとき、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}〇x+〇y=〇\\〇x+〇y=〇\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような「形」になるように、

「2つの式を変形する」と、

先に決めてから計算します。

 

計算します。

上の式は、

2x+5y=x-2y-6 の x と、y を左に集めて、

2x+5y-x+2y=-6 として、まとめると、

x+7y=-6 です。

 

下の式は、

8x+y=5x-y+1 の x と、y を左に集めて、

8x+y-5x+y=1 として、まとめると、

3x+2y=1 です。

 

この 2 つの式を連立させると、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+7y=-6\\3x+2y=1\end{array}\right.\end{eqnarray}} です。

 

この連立方程式を消去法で解くために、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}1〇+7〇=〇\\3〇+2〇=〇\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような「形」を見て、

「上に 3 を掛けてから、

上から下を引いて、x を消す」と、

先に決めてから計算します。

 

続きの計算は、省略します。

 

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y=3x-1\\5x-y=5\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような連立方程式を、

代入法で計算するとき、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y=〇x-〇\\〇x-y=〇\end{array}\right.\end{eqnarray}} のように、

「形」を見て、

「上の y=〇x-〇 の 〇x-〇 を、

下の y に代入する」と、

先に決めてから計算します。

 

代入すると、

5x-(3x-1)=5 です。

 

この続きの計算は、省略します。

 

さて、

どちらかの未知数(文字)を消す消去法と、

どちらかの式を代入する代入法の

両方の解き方に慣れている子に、

子どもが解いた方法ではない解き方を

指定して解かせます。

 

例えば、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}2x+5y=x-2y-6\\8x+y=5x-y+1\end{array}\right.\end{eqnarray}} を消去法で解いた子に、

代入法を指定します。

 

「もう一度、解いて・・」、

「代入法で解いてごらん」と誘います。

 

すると子どもは、

x と、y のどちらかに、

係数が 1 や、2 のように

小さなものを探します。

 

x=〇y+〇 か、

y=〇x+〇 か、

2x=〇y+〇 か、

2y=〇x+〇 のようになる式を探します。

 

このような「形」を頭に置いて、

子どもは、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}2x+5y=x-2y-6\\8x+y=5x-y+1\end{array}\right.\end{eqnarray}}

上の式と、

下の式を見ます。

 

すると、

上の式が、

2x+5y=x-2y-6 ですから、

= の右の x を、

左に動かして(移項)、

-x ですから、

左にある 2x と合わせると、

2x-x=x となることが見つかります。

 

ですから、

上の式は、

x=〇y+〇 の「形」に変えることができます。

 

やってみます。

 

上の式 2x+5y=x-2y-6 の

x を左に、

y を右に集めると、

2x-x=-2y-6-5y

x=-7y-6 となります。

 

この x=-7y-6 の -7y-6 を、

下の式 8x+y=5x-y+1 の x に、

代入して解くのが、

代入法です。

 

この続きの計算は、省略します。

 

これで、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}2x+5y=x-2y-6\\8x+y=5x-y+1\end{array}\right.\end{eqnarray}} を、

最初に消去法で、

次に代入法で解いたことになります。

 

1 つの連立方程式を、

2 つの方法で解いた後、

子どもに聞きます。

 

「どっちがいい?」です。

 

聞かれた子どもは、

とてもうれしそうです。

 

そして、

その子らしい選びで、

「こっち」と選びます。

 

もう一つの例です。

 

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y=3x-1\\5x-y=5\end{array}\right.\end{eqnarray}} を代入法で解いた子に、

消去法を指定します。

 

「もう一度、解いて・・」、

「消去法で解いてごらん」と誘います。

 

子どもは、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}〇x+〇y=〇\\〇x+〇y=〇\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような「形」に、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y=3x-1\\5x-y=5\end{array}\right.\end{eqnarray}} を変えようとします。

 

目的は、

消す未知数(文字)と、

消し方を見つけることです。

 

この目的を頭に持って、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y=3x-1\\5x-y=5\end{array}\right.\end{eqnarray}} を見ると、

「上と下の式を足せば、

y が消える」と、

すぐに気が付きます。

 

どちらかの文字を消そうとして、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y=3x-1\\5x-y=5\end{array}\right.\end{eqnarray}} を眺めたからです。

 

そして、

上と下を足せば、

5x=3x-1+5 と計算できますから、

x を求めることができます。

 

この続きの計算は、省略します。

 

これで、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y=3x-1\\5x-y=5\end{array}\right.\end{eqnarray}} を、

最初に代入法で、

次に消去法で解いたことになります。

 

また、

子どもに聞きます。

 

「どっちがいい?」です。

 

子どもは、

迷いながらも、

うれしそうに、

「こっち」と、

どちらかを選びます。

 

このように聞くことで、

子どもの連立方程式の解き方が、

とても安定します。

 

(基本  {\normalsize {α}} -345)、(分数  {\normalsize {α}} -121)