2次の連立方程式を見たら、子どもは自然に解こうとしています。ヒントが書かれていれば、自分の解のために利用します。そして、解いてしまう体験から、何らかの体験知を得ます。

「なぜ?」や、

「どうして?」は、

学習知を得るための学びです。

 

「そうやるのか?」は、

体験知を得るための学びです。

 

自分が自分に問う疑問文は、

何を使うかで、

このように、

学んで得る結果が大きく違います。

 

計算問題の答えを出すことの目的は、

解く体験から体験知を得ることです。

 

答えを出す体験をした後、

「なるほど」と何らかの知識を得ます。

 

これが体験知で、

解くことで得られる知識です。

 

 

さて、

未知数が、x と、y の 2つで、

や、xy や、y の 2次の連立方程式

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}(x-y)\!\!(x+2y)=0・・・①\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\\\;x^{2}-xy+2y^{2}=16・・・②\end{array}\right.\end{eqnarray}}   に、

次のようなヒントが書いてあります。

 

ヒント : ① より x=y または x=-2y

 

 

x と、y の 2つ未知数の

連立方程式を解く目的は、

連立方程式を満たす x と、y を求めることです。

 

書かれているヒントを抜いた問題は、

連立方程式

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}(x-y)\!\!(x+2y)=0・・・①\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\\\;x^{2}-xy+2y^{2}=16・・・②\end{array}\right.\end{eqnarray}}   を解きなさい

と、このような感じです。

 

このような連立方程式を見たら、

「解きなさい」と言われなくても、

自然に、

連立方程式を満たす x と、y を求めたい気に

なってしまいます。

 

ですが、

初めてこのような連立方程式を解くのでしたら

かなり難しい問題です。

 

そこで、

ヒント : ① より x=y または x=-2y

このようなヒントを

連立方程式を解く最初の方の部分として、

付けています。

 

 

解そのものの

最初の部分を付けるのでしたら、

例えば、

① から、

x-y=0  または、x+2y=0  、

このように書いてから、

(ⅰ) x-y=0  から、x=y なので、

これを、② に代入して、

 {y^{2}-y^{2}+2y^{2}=16}

と、このように書くのでしょう。

 

これをそのまま書いてしまえば、

やさし過ぎますから、

子どもの思考を刺激するためのヒントを

① より x=y または x=-2y

と、これだけを書いておきます。

 

 

子どもが、

連立方程式

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}(x-y)\!\!(x+2y)=0・・・①\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\\\;x^{2}-xy+2y^{2}=16・・・②\end{array}\right.\end{eqnarray}}   を解く気になっていれば、

ヒント : ① より x=y または x=-2y

これを、連立方程式を解くために利用します。

 

x=y または x=-2y

と、これが正しいのであれば、

② に代入すれば、

未知数 y だけの 2次方程式になるので、

未知数 y を求めることができるからです。

 

しかも、

「ヒント」と書いてありますから、

正しいはずです。

 

その上、

出処が、「 ① より」と書いてありますから、

① の  (x-y)(x+2y)=0  から、

x=y または x=-2y

これが出るはずです。

 

 

連立方程式を解く気になっている子は、

このように考えるはずです。

 

しかも、

① の  (x-y)(x+2y)=0  と、

ヒントの  x=y または x=-2y  の関係は、

ヒントの  x=y  から、

① の式の一部分  x-y  を導けますから、

導くと、

x=y  から、

x-y=0  となります。

 

このように考えて、

ヒントの前に抜けている部分を

自力で見付けます。

 

 

連立方程式

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}(x-y)\!\!(x+2y)=0・・・①\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\\\;x^{2}-xy+2y^{2}=16・・・②\end{array}\right.\end{eqnarray}}   を見たら、

自然に解く気になっていますから、

「そうやるのか?」の精神で

書かれているヒントを見て、

解くためにアレコレと考えます。

 

そして、ヒント :

① より x=y または x=-2y

これを、自分の解の一部分として使って、

連立方程式

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}(x-y)\!\!(x+2y)=0・・・①\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\;\\\;x^{2}-xy+2y^{2}=16・・・②\end{array}\right.\end{eqnarray}}   を解いてしまいます。

 

初めての子には

かなり難しい連立方程式を解いた体験から、

何らかの「なるほど!」の体験知を得ます。

 

例えば、

連立方程式の形と

その特有の解き方の組のような何かです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1302)、(分数  {\normalsize {α}} -522)

 

関連:2023年05月26日の私のブログ記事

「算数や数学の説明文やヒントに、

「なるほど」とすれば、寄り添う態度ですから、

正しいと受け入れて、理解しようとします」。