「なぜ?」や、
「どうして?」は、
学習知を得るための学びです。
「そうやるのか?」は、
体験知を得るための学びです。
自分が自分に問う疑問文は、
何を使うかで、
このように、
学んで得る結果が大きく違います。
計算問題の答えを出すことの目的は、
解く体験から体験知を得ることです。
答えを出す体験をした後、
「なるほど」と何らかの知識を得ます。
これが体験知で、
解くことで得られる知識です。
さて、
未知数が、x と、y の 2つで、
x2 や、xy や、y2 の 2次の連立方程式:
に、
次のようなヒントが書いてあります。
ヒント : ① より x=y または x=-2y
x と、y の 2つ未知数の
連立方程式を解く目的は、
連立方程式を満たす x と、y を求めることです。
書かれているヒントを抜いた問題は、
を解きなさい
と、このような感じです。
このような連立方程式を見たら、
「解きなさい」と言われなくても、
自然に、
連立方程式を満たす x と、y を求めたい気に
なってしまいます。
ですが、
初めてこのような連立方程式を解くのでしたら
かなり難しい問題です。
そこで、
ヒント : ① より x=y または x=-2y
このようなヒントを
連立方程式を解く最初の方の部分として、
付けています。
解そのものの
最初の部分を付けるのでしたら、
例えば、
① から、
x-y=0 または、x+2y=0 、
このように書いてから、
(ⅰ) x-y=0 から、x=y なので、
これを、② に代入して、
と、このように書くのでしょう。
これをそのまま書いてしまえば、
やさし過ぎますから、
子どもの思考を刺激するためのヒントを
① より x=y または x=-2y
と、これだけを書いておきます。
子どもが、
を解く気になっていれば、
ヒント : ① より x=y または x=-2y
これを、連立方程式を解くために利用します。
x=y または x=-2y
と、これが正しいのであれば、
② に代入すれば、
未知数 y だけの 2次方程式になるので、
未知数 y を求めることができるからです。
しかも、
「ヒント」と書いてありますから、
正しいはずです。
その上、
出処が、「 ① より」と書いてありますから、
① の (x-y)(x+2y)=0 から、
x=y または x=-2y
これが出るはずです。
連立方程式を解く気になっている子は、
このように考えるはずです。
しかも、
① の (x-y)(x+2y)=0 と、
ヒントの x=y または x=-2y の関係は、
ヒントの x=y から、
① の式の一部分 x-y を導けますから、
導くと、
x=y から、
x-y=0 となります。
このように考えて、
ヒントの前に抜けている部分を
自力で見付けます。
連立方程式 :
を見たら、
自然に解く気になっていますから、
「そうやるのか?」の精神で
書かれているヒントを見て、
解くためにアレコレと考えます。
そして、ヒント :
① より x=y または x=-2y
これを、自分の解の一部分として使って、
連立方程式 :
を解いてしまいます。
初めての子には
かなり難しい連立方程式を解いた体験から、
何らかの「なるほど!」の体験知を得ます。
例えば、
連立方程式の形と
その特有の解き方の組のような何かです。
(基本 -1302)、(分数 -522)
関連:2023年05月26日の私のブログ記事
「算数や数学の説明文やヒントに、
「なるほど」とすれば、寄り添う態度ですから、
正しいと受け入れて、理解しようとします」。