算数を大嫌いな子は、計算順を決められても、個々の計算ができないことがあって、計算が止まります。でも、計算の流れの体験知を覚えています。思い出せないだけです。

分数や小数の混ざる四則混合は、

① 計算順を決めること、

② 計算順に一つ一つ計算すること、

この 2つの流れで答えを出すようにすれば、

算数が好きな子も

やや苦手な子も、

大嫌いな子も、

気持ちとは無関係に答えを出すことができます。

 

例えば、

(1 {\Large\frac{1}{2}}-1.2)÷(1.4-1 {\Large\frac{1}{3}} )=  を、

この 2つの流れで、

計算してみます。

 

 

まず、

計算順を決めます。

 

計算する前に計算順を決めることは、

算数が大嫌いな子も、

すぐにできるようになります。

 

とても複雑そうに見える四則混合も、

+、-、×、÷ の 4つの記号と、

かっこを見れば、

計算順を決めることできるので、

面白いのです。

 

大嫌いでも

面白いのです。

 

(1 {\Large\frac{1}{2}}-1.2)÷(1.4-1 {\Large\frac{1}{3}} )=  の計算順は、

左のかっこの中の - 、

右のかっこの中の - 、

2つのかっこの間の ÷ です。

 

 

計算順を決めた後は、

計算順に一つ一つ計算します。

 

1番目の計算は、

左のかっこの中の - ですから、

 {\Large\frac{1}{2}}-1.2  です。

 

分数から、小数を引くひき算です。

 

繰り返し練習した体験知として、

計算の流れを思い出すことができれば、

まず、

小数 1.2 を分数に変えることができます。

 

算数を大嫌いな子が思い出せなければ、

ここで、

計算の仕方だけを

説明抜きでやって見せます。

 

説明抜きでやってみせれば、

体験知を引き出しやすくなります。

 

計算すれば、

1.2=1 {\Large\frac{2}{10}}=1 {\Large\frac{1}{5}}  です。

 

 

これで、

 {\Large\frac{1}{2}}-1.2=1 {\Large\frac{1}{2}}-1 {\Large\frac{1}{5}}=  に変わります。

 

これは、

分母が、2 と 5 と異なる分数のひき算です。

 

共通分母を探して、

通分して、

引きます。

 

この計算の流れも、

体験知として持っていますから、

思い出すことができれば、

計算できます。

 

思い出すことができない子には、

ここで、

計算の仕方だけを

説明抜きでやって見せます。

 

計算すれば、

 {\Large\frac{1}{2}}-1.2=1 {\Large\frac{1}{2}}-1 {\Large\frac{1}{5}}=1 {\Large\frac{5}{10}}-1 {\Large\frac{2}{10}} {\Large\frac{3}{10}}  です。

 

この計算で、

1番目の計算  1 {\Large\frac{1}{2}}-1.2  の答えが、

 {\Large\frac{3}{10}} と出ます。

 

 

続いて、

2番目の計算です。

 

2番目の計算は、

右のかっこの中の - ですから、

1.4-1 {\Large\frac{1}{3}}  です。

 

1番目の計算に似ています。

同じように計算できます。

 

計算すれば、

1.4-1 {\Large\frac{1}{3}}=1 {\Large\frac{2}{5}}-1 {\Large\frac{1}{3}}=1 {\Large\frac{6}{15}}-1 {\Large\frac{5}{15}} {\Large\frac{1}{15}}  です。

 

この計算でも、

個々の計算の流れを思い出せなければ、

ここで、

計算の仕方だけを

説明抜きでやって見せます。

 

これで、

2番目の計算  1.4-1 {\Large\frac{1}{3}}  の答えが、

 {\Large\frac{1}{15}} と出ます。

 

 

最後は、

3番目の計算です。

 

3番目の計算は、

2つのかっこの間の ÷ ですから、

(1番目)÷(2番目)  です。

 

1番目と、2番目の計算の答えを利用して、

 {\Large\frac{3}{10}}÷ {\Large\frac{1}{15}}=  です。

 

÷ の右の分数の上下を入れ替えて、

÷ を × に書き換えて、

途中約分して、

掛けます。

 

この計算の流れも、

体験知として持っていますから、

思い出すことができれば、

計算できます。

 

思い出すことができない子には、

ここで、

計算の仕方だけを

説明抜きでやって見せます。

 

計算すれば、

 {\Large\frac{3}{10}}÷ {\Large\frac{1}{15}} {\Large\frac{3}{10}}× {\Large\frac{15}{1}} \require{cancel}\displaystyle {\frac{3}{\begin{matrix}\cancel{10}\\2\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}3\\\cancel{15}\end{matrix}\,}{1}} {\Large\frac{9}{2}}=4 {\Large\frac{1}{2}}  です。

 

 

ここで見たように、

計算順を決めることは、

すぐにできるようになりますから、

面白いのです。

 

算数を大嫌いな子も

すぐにできるようになりますから、

面白いと感じます。

 

計算順を決めた後の

一つ一つの計算は、

その計算だけでしたら

繰り返し練習していますから、

「あぁ、あれね!」のような体験知になっています。

 

算数の大嫌いな子も、

体験知として、

個々の計算をできますが、

四則混合の計算のように、

さまざまな計算の中で、

今、必要な体験知を思い出すことが苦手です。

 

ですから、

必要なときに

その計算をこちらが代行して、

計算の仕方だけを

説明抜きでやって見せます。

 

説明抜きで、

知っているはずの体験知を使って見せられれば、

「あぁ、あれか!」と、

思い出しやすくなります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1301)、(分数  {\normalsize {α}} -521)

 

関連:2023年05月25日の私のブログ記事

「四則混合の計算は、

計算する前に、計算順を決めてから、

分数の四則計算の計算パターンを利用して、

計算順に答えを出して進めます」。