頭の向きを「さっぱり分からない」に自分でしたら、自分で「なるほど、分かった」に変えるようにリードします。無言がコツです。

難しい因数分解を解いている中学生が、

「さっぱり分からん!」と聞きます。

 

問題は、

 {(x-y)^{2}+4(x-y)+3}因数分解です。

 

問題が、

 {x^{2}+4x+3} であれば、

(x+1)(x+3) と因数分解できる子です。

 

 {x^{2}+4x+3} と、

 {(x-y)^{2}+4(x-y)+3} が、

同じ形に見えないようです。

 

「さっぱり分からん!」と言われたら、

教えたくなります。

 

何とかして、

「分かった」としてあげたいと思います。

 

ですが、

「分からない」と決めてしまった子は、

x-y=A とすれば、

 {A^{2}+4A+3} となるから・・・のように、

詳しく説明しても、

「分からない」と決めたことが邪魔して、

「そうか。分かった」となりにくいのです。

 

だから、

アレコレ教えようとしないで、

すぐに、

しかも無言で、

{(x-y)+3}{(x-y)+1} と書きます。

 

子どもは、

黙って見ています。

 

こちらが無言で、

{(x-y)+3}{(x-y)+1} と書くだけにすると、

子どもが、アレコレと考え始めます。

 

すると、

「さっぱり分からない」の頭を、

子どもは自力で、

「なるほど、そうするのか!」の頭に入れ替えます。

 

「分からない!」頭から、

「できる!」頭になった子は、

{(x-y)+3}{(x-y)+1} を、

(x-y+3)(x-y+1) と書き替えます。

 

中学生です。

 

こちらが説明して教えることで、

「分からない」か、「分かる」かとしている頭を、

「できない」か、「できる」かの頭に入れ替えようとしても、

容易なことではありません。

 

「さっぱり分からない」の頭に、

自分でしてしまったのですから、

「なるほど、分かった」の頭に、

自ら入れ替えさせるようにします。

 

小学低学年や幼児でしたら、

強い口調で、

「分かる!」と言い切ることで、

「分からない」頭を、

「分かる」頭に切り替えることができます。

 

中学生で、

しかも難しい因数分解を解くような子に、

子供だましのようなやり方は通用しません。

 

(基本  {\normalsize {α}} -168)、(分数  {\normalsize {α}} -052)