少し込み入った因数分解です。
問題の配列は、
、
、
、
、
です。
このような配列の
4 番目の因数分解の仕方が、
この子には、思い付きません。
そしてこの子から、
因数分解の仕方を聞かれます。
聞かれたこちらは、
4 番目の因数分解、
を見て、
自分が因数分解しようとします。
この子に、
教えようとしません。
自分が因数分解しようとするから、
式全体を見て、
瞬時に因数分解を思い付きます。
教えようとしていないからです。
自分が解こうとしているから、
瞬時に気付きます。
瞬時に気付いたのは、
2 つの部分に分けることです。
= を、
「 」と、
「 」に分けます。
「 」は、
頭の中で、
の
因数分解を思い付いています。
同じように、
「 」は、
頭の中で、
を、
思い付いています。
つまり、
の
左 2 項から、
が見えて、
右 2 項から、
が見えます。
自分が解こうとしているから、
この子に教えようとしていないから、
このように、
を、
見ることができます。
ですから、
左 2 項と、右 2 項に分けて見ることを、
この子に教えれば、
この子も、
左 2 項から、
が見えて、
右 2 項から、
が見えるはずです。
と、
このようなことを、
を、
自分が因数分解しようとすれば、
すぐに思い付きます。
実は、
を見て、
このような因数分解を思い付く力を、
子どもに教えることができません。
自分が、
繰り返し因数分解を解いていると、
自然に持つ力だからです。
子どもも、
繰り返し因数分解を解けば、
を、
少し離れた視点から見るだけで、
すぐに、自動的に、
思い付く力を持つことができます。
式を見るだけで、
因数分解を思い付く力は、
因数分解を繰り返した結果、
子どもが自然に持つものです。
だから、
のように、
因数分解の仕方を思い付かなくて、
子どもから聞かれたら、
の
「 」と、
「 」を区切るように、
縦に短い線を引いて、
2 つに分けて見ることを教えます。
くどいようですが、
因数分解の仕方を思い付くこと自体を
子どもに教えているのではありません。
こうすれば・・を教えて、
この子が、
を
因数分解できるように手伝っているだけです。
さて、
子どもは、
待てないのが普通です。
聞いたら、
待たされることなく、
すぐに答えてほしいのです。
待たせると、
イライラさせられて、
時間が掛かったこちらの答えを、
集中して聞くことができなくなります。
こうなることを防ぐ唯一の方法が、
子どもから、
聞かれたらすぐに答えることです。
何かを教えようとして、
を、
こちらが見て考えると、
こちらが考えている時間を、
子どもは待てないのが普通です。
ほとんど気付くことのないことですが、
教え方を考えている時間は、
自分が解き方を考えている時間より、
とても長くなるのが普通です。
だから、
教えるために見ることをやめて、
自分が解くためだけに絞って、
を見ます。
すると、
を、
左 2 項と、右 2 項に分けることに、
瞬時に気付いて、
聞いた子にすぐに、
のように、
縦の短い線を無言で引くことができます。
聞いてすぐに
答えてもらえたこの子は、
「あっ」となります。
(基本 -494)、(分数 -205)