2 次 3 項式の因数分解が、できるのもあれば、できないのもあります。できないものに、無言で、たすき掛けを書く手伝いをします。

 {2x^{2}+5xy+3y^{2}+6x+7y+4= } は、

2 次 3 項式といわれる因数分解です。

 

大雑把な言い方ですが、

公式 :

 {abx^{2}+(ad+bc)x+cd=(ax+c)(bx+d) } を、

2 回使って、

因数分解します。

 

つまり、

問題  {2x^{2}+5xy+3y^{2}+6x+7y+4= }

全体を少し離れて見ると、

 {2x^{2} }」、「5xy」、「 {3y^{2} }」の 2 次の項に、

「6x」、「7y」の 1 次の項に、

「4」の定数項(0 次)ですから、

2 次 3 項式の形をしています。

 

いくつかの因数分解の仕方がありますが、

パターン化された方法を利用するのでしたら、

「x」か、「y」で、

2 次と、1 次と、0 次(定数項)に並べて、

公式 :

 {abx^{2}+(ad+bc)x+cd=(ax+c)(bx+d) } を、

2 回使う因数分解です。

 

 

この子は、

このようなことを、

何となく理解できている子です。

 

実際に、

因数分解できる子です。

 

例えば、

問題  {2x^{2}+5xy+3y^{2}+6x+7y+4= } でしたら、

「x」の次数で並べると、

 {2x^{2}+(5y+6)x+(3y^{2}+7y+4)= } です。

 

 {x^{2} }」の項は、「 {2x^{2} }」、

「x」の項は、「(5y+6)x」、

定数項は、「 {(3y^{2}+7y+4) }」です。

 

そして、

公式の 1 回目を、

定数項 :  {(3y^{2}+7y+4) }に使います。

 

暗算で、パッとできる子もいますが、

この子は、

「たすき掛け」を書きます。

 

\begin{matrix}1\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:1\\3\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:4\end{matrix} です。

 

これを利用します。

 

\begin{matrix}1\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:1\\3\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:4\end{matrix} の左側の

1 と、3 に、y を付けて、

右側の 1 と、4 は、そのまま(定数項)です。

 

こうすれば、

\begin{matrix}1\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:1\\3\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:4\end{matrix} の上の行から、

y+1 が、

下の行から、3y+4 になって、

 {(y+1)(3y+4) } です。

 

つまり、

 {(3y^{2}+7y+4) }= 、

 {(y+1)(3y+4) }因数分解できます。

 

これで、

公式を、1 回使っています。

 

 

元の式に戻り、

 {2x^{2}+5xy+3y^{2}+6x+7y+4= }

 {2x^{2}+(5y+6)x+(3y^{2}+7y+4)= }

 {2x^{2}+(5y+6)x+(y+1)(3y+4)= } です。

 

ここで、

もう 1 回、公式を使います。

 

やはり、

たすき掛けを書きます。

 

\begin{matrix}1\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(y+1)\\2\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(3y+4)\end{matrix} です。

 

たすき掛け \begin{matrix}1\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(y+1)\\2\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(3y+4)\end{matrix}

左側の 1 と、2 に、x を付けて、

右側の (y+1) と、(3y+4) は、

そのまま(定数項)です。

 

こうすれば、

\begin{matrix}1\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(y+1)\\2\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(3y+4)\end{matrix} の上の行から、

x+y+1 が、

下の行から、2x+3y+4 になって、

 {(x+y+1)(2x+3y+4)} です。

 

つまり、

 {2x^{2}+(5y+6)x+(y+1)(3y+4)= }

 {(x+y+1)(2x+3y+4)}因数分解できます。

 

 

この子は、

たすき掛けを 2 回使うと知っていて、

そのように計算できます。

 

それでも、

例えば、

 {2x^{2}-(5a-4b)x-(a+2b)(3a-b)= } は、

難しいようです。

 

1 回目のたすき掛けは、

終わっています。

 

2 回目のたすき掛けだけです。

 

 

この子から、

「どうするの?」と聞かれます。

 

聞かれたこちらは、

この子に聞き返します。

 

「どのようにする?」と、

聞き返します。

 

すると、

「たすき掛け」と答えてくれます。

 

 

これで、

この子の聞きたいことがハッキリとします。

 

こちらも分かって、

この子も、

「ここを聞きたかったのだ」と知ります。

 

ですが、

2 回目のたすき掛けに、

- があり、

扱いに困っています。

 

そこで、

いきなり、

こちらが、

たすき掛けを書きます。

 

\begin{matrix}1\:\:\:\:\:\:\:\:\:-(3a-b)\\2\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(a+2b)\end{matrix} です。

 

無言です。

 

たすき掛けを、

子どもの目の前で、

書くだけです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -507)、(分数  {\normalsize {α}} -212)