2 次 3 項式は、たすき掛けを利用して、因数分解します。たすき掛けの探し方を教えます。何通りかを、試すだけです。

 {2x^{2}-(5a-4b)x-(a+2b)(3a-b)= } は、

因数分解の問題です。

 

因数分解に慣れてきたこの子は、

式の形を見ています。

 

2 次 3 項式と呼ばれる形の因数分解です。

 

 {2x^{2} }」は、2 次の項です。

 {-(5a-4b)x} 」は、1 次の項です。

 {-(a+2b)(3a-b)}」は、

0 次の項(定数項)です。

 

このように、

2 次で、

3 つの項ですから、

2 次 3 項式です。

 

 

ただ、

この子は、

2 次 3 項式という名前を知らないようです。

 

 {x^{2} }」と、

「 x 」と、

「定数項( x のない)」と、

3 つに別れている形は、

見えているようです。

 

そして、

\begin{matrix}1\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:-(3a-b)\\2\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(a+2b)\end{matrix} のような

「たすき掛け」を見つけると、

 {(x-3a+b)(2x+a+2b)}と、

因数分解できることを知っています。

 

でも、

 {x^{2} }」に付いている数 2 と、

定数項  {-(a+2b)(3a-b)} から、

\begin{matrix}1\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:-(3a-b)\\2\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(a+2b)\end{matrix}

探し出せないようです。

 

 

だから、

解き方を聞かれます。

 

 

さて、

この子には、

無言で、

見ている前で、

\begin{matrix}1\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:-(3a-b)\\2\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(a+2b)\end{matrix} を書くだけの

とても非常識な教え方をしています。

 

実は、

この子は、

小学 5 年です。

 

この子の内面の主体性を

同時に育てることを意識して、

計算スキルを育てた結果です。

 

計算スキルだけを育てたとしたら、

残念ながら、

小学 5 年で、

高校レベルの因数分解を解くような

このような結果を得ることが難しいでしょう。

 

主体性を、

つまり、

刺激に対して反応を選ぶ力や、

自覚の力を育てれば、

「どのような計算を自分ができるのか?」を、

自己評価できますから、

このような育ちが可能です。

 

しかも、

毎日、

20~30 分程度の

計算スキルと主体性を育てる

練習だけなのです。

 

いずれ、

詳しくお話しできることを

願っていますが・・。

 

 

普通、

もう少し丁寧な教え方をすることの方が、

実は多いのです。

 

「たすき掛け」の探し方は、

試行錯誤です。

 

組み合わせを、

順に試すだけです。

 

 

 {2x^{2}-(5a-4b)x-(a+2b)(3a-b)= }

 {2x^{2} }」の 2 は、 {1×2} です。

 

これから、

「たすき掛け」の左側を、

\begin{matrix}1\\2\end{matrix} のように、

上を 1 に、下を 2 に固定します。

 

また、

定数項  {-(a+2b)(3a-b)} は、

 {-(a+2b)×(3a-b)} に分けられます。

 

これから、

「たすき掛け」の右側は、

\begin{matrix}\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(a+2b)\\-(3a-b)\end{matrix} か、

\begin{matrix}-(a+2b)\\\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(3a-b)\end{matrix} か、

\begin{matrix}\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(3a-b)\\-(a+2b)\end{matrix} か、

\begin{matrix}-(3a-b)\\\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(a+2b)\end{matrix} のどれかです。

 

 

試行錯誤で試す「たすき掛け」は、

\begin{matrix}1\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(a+2b)\\2\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:-(3a-b)\end{matrix} か、

\begin{matrix}1\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:-(a+2b)\\2\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(3a-b)\end{matrix} か、

\begin{matrix}1\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(3a-b)\\2\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:-(a+2b)\end{matrix} か、

\begin{matrix}1\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:-(3a-b)\\2\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(a+2b)\end{matrix} になります。

 

試します。

 

例えば、

1 番目の \begin{matrix}1\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(a+2b)\\2\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:-(3a-b)\end{matrix} でしたら、

左下と右上を、斜めに掛けて、上に、

左上と右下を、斜めに掛けて、下に書けば、

\begin{matrix}\:\:\:\:\:\:\:2(a+2b)\\-(3a-b)\end{matrix} です。

 

これを、

縦に足せば、

 {2(a+2b)-(3a-b)=-a+5b} です。

 

 {2x^{2}-(5a-4b)x-(a+2b)(3a-b)= }

 {-(5a-4b)x }

 {-(5a-4b)=-5a+4b} になりません。

 

ですから、

1 番目の \begin{matrix}1\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(a+2b)\\2\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:-(3a-b)\end{matrix} は、

正しい「たすき掛け」ではありません。

 

同じように計算します。

 

2 番目は、

 {-2(a+2b)+(3a-b)=a-5b} です。

 

 {-5a+4b} ではありません。

 

3 番目は、

 {2(3a-b)-(a+2b)=5a-4b} です。

 

 {-5a+4b} ではありません。

 

4 番目は、

 {-2(3a-b)+(a+2b)=-5a+4b} です。

 

 {-5a+4b} と同じです。

 

ですから、

4番目 \begin{matrix}1\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:-(3a-b)\\2\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:(a+2b)\end{matrix} が、

正しい「たすき掛け」です。

 

このような試行錯誤で、

「たすき掛け」を探します。

 

4 通り、

確かめるだけです。

 

文字に書くと長くなりますが、

じきに慣れて、

すぐ探せるようになります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -509)、(分数  {\normalsize {α}} -213)