筆算のかけ算の計算手順をつかむことは、計算の発達段階の一つです。繰り上がりの計算を、「たし算だ!」と気付くことも、一つの発達段階です。

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  38 \\ \:\times  \:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ や、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  57 \\ \:\times  \:\:\:\: 3 \\ \hline \end{array}  }}\\ や、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  29 \\ \:\times  \:\:\:\: 4 \\ \hline \end{array}  }}\\ の計算の仕方を教えます。

 

こちらの計算を見せる実況中継で教えます。

 

計算そのものだけの実況中継に

狭く絞り込んで、

子どもが、まねできるようになるまで、

繰り返し見せます。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  38 \\ \:\times  \:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ の 2 から 8 を示しながら、

「にはちじゅうろく(2×8=16)」、

2 の真下を示して、

「ここ、ろく(6)」、

「指、いち(1)」です。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  38 \\ \times  \:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:\:\:6\end{array}  }}\\ と子どもが書いたら、

続く計算を実況中継します。

 

2 から 3 を示しながら、

「にさんがろく(2×3=6)」、

「いち(1)足して、しち(7)」、

3 の真下を示して、

「ここ、しち(7)」です。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  38 \\ \times  \:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:\:\:76\end{array}  }}\\ と子どもが書いたら、

1問目を教え終わります

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  57 \\ \:\times  \:\:\:\: 3 \\ \hline \end{array}  }}\\ も、

同じような実況中継で教えます。

 

3 から 7 を示しながら、

「さんしちにじゅういち(3×7=21)」、

3 の真下を示して、

「ここ、いち(1)」、

「指、に(2)」です。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  57 \\ \times  \:\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:\:\:1\end{array}  }}\\ と子どもが書いたら、

続く計算を実況中継します。

 

3 から 5 を示しながら、

「さんごじゅうご(3×5=15)」、

「に(2)足して、じゅうしち(17)」、

5 の真下を示して、

「ここ、じゅうしち(17)」です。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  57 \\ \times  \:\:\:\: 3 \\ \hline \:171\end{array}  }}\\ と子どもが書いたら、

2問目を教え終わります。

 

続いて  {\normalsize {  \begin{array}{rr}  29 \\ \:\times  \:\:\:\: 4 \\ \hline \end{array}  }}\\ の実況中継です。

 

4 から 9 を示しながら、

「しくさんじゅうろく(4×9=36)」、

4 の真下を示して、

「ここ、ろく(6)」、

「指、さん(3)」です。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  29 \\ \times  \:\:\:\: 4 \\ \hline \:\:\:\:\:6\end{array}  }}\\ と子どもが書いたら、

続く計算を実況中継します。

 

4 から 2 を示しながら、

「しにがはち(4×2=8)」、

「さん(3)足して、じゅういち(11)」、

2 の真下を示して、

「ここ、じゅういち(11)」です。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  29 \\ \times  \:\:\:\: 4 \\ \hline \:116\end{array}  }}\\ と子どもが書いたら、

3問目を教え終わります。

 

子どもが自力で計算できるようになるまで、

3~4問や、

5~6問、

実況中継を繰り返します。

 

筆算のかけ算の計算の手順をつかむことと、

繰り上がりの計算を、

すでにできるようになっているたし算と

同じ計算だと気付くことは、

それぞれ、計算の発達段階です。

 

手順をつかむまでの問題数は、

繰り上がりの計算を、

「あぁ、たし算だ!」と気付くまでの問題数よりも、

少ないのが普通です。

 

繰り上がりの計算を、

すでにできるようになっているたし算、

6+1= や、15+2= や、8+3= と

同じ計算であると気付くまで、

多くの問題数が必要です。

 

(基本  {\normalsize {α}} -222)、(×÷  {\normalsize {α}} -053)