のような
連立方程式を解きます。
3 つの式を満たすような
x と、y と、z を求める問題です。
とても特殊な能力を持っていて、
この 3 つの式を見ただけで、
x=6 、y=4 、z=2 が、
心に浮かぶ人がいます。
でも、
ほとんどの人は、
このような特殊な力を持っていません。
だから、
式を見て、
どのように計算していくのかのガイドを、
自分で決めてから、
そのガイドに案内されて計算します。
高校の数学が得意であれば、
x と、y と、z が、
1 次ですから、
3 元 1 次連立方程式と分かります。
そして、
行列を利用して計算するか、
行列式を利用して計算します。
これも、
どのように計算していくのかのガイドの一つです。
もっと初歩的な解き方があります。
x と、y と、z の未知数を、
一つずつ消していく計算です。
連立方程式の解き方の
最初に習う計算の仕方です。
これも、
連立方程式の計算の仕方のガイドの一つです。
x と、y と、z の未知数を消すために、
3 つの式を眺めます。
未知数の前に付いている数を、
0 にできれば、
その未知数は消えます。
例えば、
6x-6x=0x=0 ですから、
未知数 x が消えます。
x と、y と、z の未知数の前に付いている数を見て、
0 にし易い未知数を探します。
すると、
でしたら、
未知数 y です。
2 番目の式 : 2x+y-4z=8 と、
3 番目の式 : 4x-y+3z=26 を足すと、
+y-y=(+1-1)y=0y=0 と、
y が消えます。
2 番目の式 : 2x+y-4z=8 を 2 倍して、
1 番目の式 : x+2y-z=12 を引くと、
+2y-(+2y)=0y=0 と、
y が消えます。
連立方程式を眺めて、
頭の中で式を動かしているだけです。
紙に書いて計算していません。
このような流れで、
x と、y と、z の未知数を、
一つずつ消していく計算の仕方を決めています。
つまり、
連立方程式の計算の仕方のガイドの一つです。
① 見たら、答えが浮かぶ。
② 行列を利用するか、
行列式を利用する。
③ 未知数を一つずつ消す。
このどれもが、
連立方程式を計算するガイドです。
このようなガイドを一つ選んで、
そのガイドを頭に置いたまま計算します。
もちろん、
見たら、答えが浮かぶ ① でしたら、
何らかの計算のようなことをしているのでしょうが、
意識できません。
さて、
計算の仕方のガイドを一つ選ぶことや、
そのガイドを頭に置いたまま計算することが、
できる子を育てたいのです。
つまり、
のような
連立方程式を解く自分を、
自分がリードできる子です。
年単位の長い時間をかけて、
さまざまな計算を体験する中で、
確実に、少しずつ育てて、
自分をリードする子を育てます。
最初は、
実は、
3+1= のようなたし算からです。
意外でしょうが、
たし算から育てることができます。
こうするために。
計算の仕方を、
言葉で説明しないで、
いきなり、
こちらの計算を実況中継します。
3+1= の 3 を示して、
「さん」と声に出して読み、
1 を示して、
「し」と、声に出して数えて、
= の右を示して、
「ここ、し(4)」と実況中継します。
とても不親切ですが、
これだけを見せます。
見て聞いていた子は、
「何をしているのだろう?」と、
分からないままに、
でも、
3+1=4 と書きます。
同じような実況中継を、
その子に必要な問題数続けると、
「何をしているのだろう?」の謎が、
少しずつ解けて、
「そうか、ここを読んで、1 回かぞえるのだ」と、
計算の仕方を、
その子らしくつかみます。
その子がつかんだ計算の仕方が、
3+1= のようなたし算を計算するガイドです。
つまり、
こちらは、
実況中継を見せるだけにしていますから、
子どもが、自力で、
「どのように計算する?」の答え、
計算の仕方のガイドをつかみます。
そして、
自分がつかんだガイドを頭に置いたまま、
5+1= の 5 を、「ご」と読み、
1 を見たり見なかったりしますが、
「ろく」と 1 回数えて、
5+1=6 と書きます。
自分でつかんだガイドを頭に置いたまま、
自分をリードしています。
実況中継を見せるだけの
このような教え方をすれば、
3+1= のようなたし算から、
計算の仕方のガイドを選んで、
そのガイドを頭に置いたまま、
自分をリードする子を育て始めることができます。
(基本 -269)、(+- -172)、(分数 -084)