計算の仕方のガイドを選び、そのガイドを頭に置いたまま、自分をリードして計算する子に育てます。

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+2y-z=12\\2x+y-4z=8\\4x-y+3z=26\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような

連立方程式を解きます。

 

3 つの式を満たすような

x と、y と、z を求める問題です。

 

とても特殊な能力を持っていて、

この 3 つの式を見ただけで、

x=6 、y=4 、z=2 が、

心に浮かぶ人がいます。

 

でも、

ほとんどの人は、

このような特殊な力を持っていません。

 

だから、

式を見て、

どのように計算していくのかのガイドを、

自分で決めてから、

そのガイドに案内されて計算します。

 

高校の数学が得意であれば、

x と、y と、z が、

1 次ですから、

3 元 1 次連立方程式と分かります。

 

そして、

行列を利用して計算するか、

行列式を利用して計算します。

 

これも、

どのように計算していくのかのガイドの一つです。

 

もっと初歩的な解き方があります。

x と、y と、z の未知数を、

一つずつ消していく計算です。

 

連立方程式の解き方の

最初に習う計算の仕方です。

 

これも、

連立方程式の計算の仕方のガイドの一つです。

 

x と、y と、z の未知数を消すために、

3 つの式を眺めます。

 

未知数の前に付いている数を、

0 にできれば、

その未知数は消えます。

 

例えば、

6x-6x=0x=0 ですから、

未知数 x が消えます。

 

x と、y と、z の未知数の前に付いている数を見て、

0 にし易い未知数を探します。

 

すると、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+2y-z=12\\2x+y-4z=8\\4x-y+3z=26\end{array}\right.\end{eqnarray}} でしたら、

未知数 y です。

 

2 番目の式 : 2x+y-4z=8 と、

3 番目の式 : 4x-y+3z=26 を足すと、

+y-y=(+1-1)y=0y=0 と、

y が消えます。

 

2 番目の式 : 2x+y-4z=8 を 2 倍して、

1 番目の式 : x+2y-z=12 を引くと、

+2y-(+2y)=0y=0 と、

y が消えます。

 

連立方程式を眺めて、

頭の中で式を動かしているだけです。

紙に書いて計算していません。

 

このような流れで、

x と、y と、z の未知数を、

一つずつ消していく計算の仕方を決めています。

 

つまり、

連立方程式の計算の仕方のガイドの一つです。

 

① 見たら、答えが浮かぶ。

 

② 行列を利用するか、

行列式を利用する。

 

③ 未知数を一つずつ消す。

 

このどれもが、

連立方程式を計算するガイドです。

 

このようなガイドを一つ選んで、

そのガイドを頭に置いたまま計算します。

 

もちろん、

見たら、答えが浮かぶ ① でしたら、

何らかの計算のようなことをしているのでしょうが、

意識できません。

 

さて、

計算の仕方のガイドを一つ選ぶことや、

そのガイドを頭に置いたまま計算することが、

できる子を育てたいのです。

 

つまり、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+2y-z=12\\2x+y-4z=8\\4x-y+3z=26\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような

連立方程式を解く自分を、

自分がリードできる子です。

 

年単位の長い時間をかけて、

さまざまな計算を体験する中で、

確実に、少しずつ育てて、

自分をリードする子を育てます。

 

最初は、

実は、

3+1= のようなたし算からです。

 

意外でしょうが、

たし算から育てることができます。

 

こうするために。

計算の仕方を、

言葉で説明しないで、

いきなり、

こちらの計算を実況中継します。

 

3+1= の 3 を示して、

「さん」と声に出して読み、

1 を示して、

「し」と、声に出して数えて、

= の右を示して、

「ここ、し(4)」と実況中継します。

 

とても不親切ですが、

これだけを見せます。

 

見て聞いていた子は、

「何をしているのだろう?」と、

分からないままに、

でも、

3+1=4 と書きます。

 

同じような実況中継を、

その子に必要な問題数続けると、

「何をしているのだろう?」の謎が、

少しずつ解けて、

「そうか、ここを読んで、1 回かぞえるのだ」と、

計算の仕方を、

その子らしくつかみます。

 

その子がつかんだ計算の仕方が、

3+1= のようなたし算を計算するガイドです。

 

つまり、

こちらは、

実況中継を見せるだけにしていますから、

子どもが、自力で、

「どのように計算する?」の答え、

計算の仕方のガイドをつかみます。

 

そして、

自分がつかんだガイドを頭に置いたまま、

5+1= の 5 を、「ご」と読み、

1 を見たり見なかったりしますが、

「ろく」と 1 回数えて、

5+1=6 と書きます。

 

自分でつかんだガイドを頭に置いたまま、

自分をリードしています。

 

実況中継を見せるだけの

このような教え方をすれば、

3+1= のようなたし算から、

計算の仕方のガイドを選んで、

そのガイドを頭に置いたまま、

自分をリードする子を育て始めることができます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -269)、(+-  {\normalsize {α}} -172)、(分数  {\normalsize {α}} -084)