60÷6=10 と計算して、
「これで正しいのだろうか?」と、
気になったようです。
書いた答えを
消してしまいます。
そして、
60÷6= として、
計算の仕方を聞きます。
この子が知りたいのは、
自分が出した答え 10 が、
「正しいのか?」、
それとも、
「間違えているのか?」です。
そして、
間違えているのでしたら、
正しい答えを出せる計算の仕方です。
だから、
「10 と書いたのでしょ」、
「合っています」と教えれば、
子どもの知りたいことを満たします。
さらに、
念を押すように、
60÷6= の 0 を隠して、
60 の 6 が見えるようにして、
「6÷6=1」と計算して、
= の右を示して、
「いち(1)」と、
計算の仕方を教えます。
こちらの計算の実況中継を、
見て聞いていた子は、
60÷6=1 と書きます。
続いて、
60 の
6 を隠して、
0 が見えるようにしてから、
「0÷6=0」と計算して、
60÷6=1 の答え 1 の右を示して、
「ぜろ(0)」です。
見て聞いていた子は、
60÷6=10 と書くことで、
自分の計算の仕方を、
再確認します。
「やはり、そうだ」、
「やり方は、合っていた!」です。
ですが、
子どもが、
「えっ、どういうこと・・・」と驚くような
やや非常識な教え方があります。
60÷6=10 と計算して、
答え 10 を消して、
60÷6= としてから聞く子に、
突然のように、
しかもボソッとした口調で、
「合っている!」と言い切るだけの教え方です。
聞いた子に、
すぐに応じて、
「合っている!」だけです。
子どもは、
迷っているだけです。
だから、
子どもの気持ち、
迷いに対する指導だけをします。
つまり、
「合っている!」だけの教え方です。
「えっ、どういうこと・・・」と驚いた子は、
自分の計算の仕方と、
出した答えが正しいことを、
とても強く確信します。
(基本 -271)、(×÷ -064)
計算の教えない教え方 かけ算わり算―たかが計算 されど算数の根っこ そして人育て