14÷5= は、「あまり」のあるわり算です。とても優れたアイデアです。子どもをワクワクさせることができる物語です。計算の仕方の教え方は、実況中継がお勧めです。

わり算は、

かけ算の逆です。

 

九九 5×2=10 の逆が、

10÷5=2 のわり算です。

 

5×3=15 の逆が、

15÷5=3 のわり算です。

 

ですから、

5 で割ることのできる数は、

5 飛びの数で、

5、10、15、20、・・です。

 

5÷5=1、

10÷5=2、

15÷5=3、

20÷5=4、

・・となります。

 

こうなっていますから、

5 飛びの数 5、10、15、20、・・以外の、

1、2、3、4、

6、7、8、9、

11、12、13、14、

16、17、18、19、

・・を、5で割ると、

答えがありません。

 

ちょうど、

たし算の逆の

ひき算に似ています。

 

7+8=15 のたし算の逆が、

15-7=8 のひき算です。

 

15-7= を、

「 7 に、何かを足して、15 にする何か?」で計算します。

 

となると、

15-17= のひき算は、

答えがありません。

 

17 に、何かを足して、

15 にする数が、

小学算数にないからです。

 

「-2」のような

負(マイナス)の数と、

その計算方法は、中学数学です。

 

さて、

14 を、5 で割ると、

分数を習う前ですから、

答えがありません。

 

ここで考え出されたアイデアが、

「あまり」です。

 

14÷5= を、

「答えなし」としないで、

14 を、10 と、4 に分けます。

 

10 は、

5 で割ることができて、

答えが 2 です。

 

4 は、

わり算の対象外として、

「あまり」としてしまいます。

 

つまり、

14÷5=

(10+4)÷5= として、

答えを、「 2・・・4 」のように書きます。

 

「あまり」は、

「答えなし」とするのではなくて、

すべての数を、

5 で割ることができるようにするアイデアです。

 

普通に書くと、

14÷5=2・・・4 です。

 

この「あまり」の考え方も、

分数を習うと、

物を分ける文章問題以外で、

必要がなくなります。

 

14÷5=2 {\Large\frac{4}{5}} です。

 

14 個のみかんを、

5 人に分けると、

一人何個で、

何個、あまりますか?

 

このような文章問題でしたら、

分数を知っていても、

14÷5=2・・・4 として、

「一人、2 個で、

4 個あまります」とします。

 

14÷5=2 {\Large\frac{4}{5}} として、

「一人、2 {\Large\frac{4}{5}} 個です」とはしません。

 

ここまでの 14÷5= の話しを、

子どもに伝えることができれば、

ワクワクさせる話しになる可能性があります。

 

さて、

14÷5= を計算できるようにするには、

少し違う教え方をします。

 

「あまり」の話しをしません。

計算だけを、実況中継で見せます。

 

まず、

5÷5=1、

10÷5=2、

15÷5=3、

20÷5=4、

・・のような計算を十分に練習させます。

 

10÷5= の計算でしたら、

5 の段の九九の答えから、

10 を探します。

 

5×2=10 です。

 

これから、

5 に掛ける相手 2 が、

10÷5= の答えです。

 

15÷5= も同じようにすれば、

5×3=15 から、

3 が答えです。

 

答えを出せるわり算、

普通の言い方でしたら、

割り切れるわり算を、

十分に練習すると、

10÷5= や、

15÷5= を見たら、

見ただけで、

答え 2 や、3 が心に浮かぶ

わり算の感覚を持つことができます。

 

このようなわり算の感覚を持った後、

14÷5= のような、

答えのないわり算、

普通の言い方でしたら、

あまりのあるわり算を教えます。

 

14÷5= の 5 を示してから、

すぐ 14 を示して、

「2」と教えます。

 

このような計算の実況中継を

見て聞いていた子は、

14÷5=2 と書きます。

 

わり算の感覚を持っていますから、

答え 2 が、

10÷5= の答えであることを知っています。

 

このような子に、

教えていますから、

14÷5=2 の続きは、

「14-10=4」、

「点点点(・・・)、し(4)」です。

 

子どもは、

14÷5=2・・・4 と書きます。

 

2 ~ 3 問や、

5 ~ 6 問、

同じような計算の仕方を実況中継すれば、

子どもは、

わり算の感覚を利用する

あまりのあるわり算の計算をまねし始めます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -282)、(×÷  {\normalsize {α}} -069)、(分数  {\normalsize {α}} -087)

 {\scriptsize {参照:蔵一二三、「計算の教えない教え方 かけ算わり算」(2018)。アマゾン}}

計算の教えない教え方 かけ算わり算―たかが計算 されど算数の根っこ そして人育て