計算する前に計算順を決めて、一つ一つの計算の流れを追う作法が身に付いている子です。でも、47÷3-17÷3= を計算できません。一つ一つの計算の流れを追えません。今、初めて習う計算として 47÷3 を教えます。

 {\Large\frac{2}{3}}÷ {\Large\frac{4}{15}} {\Large\frac{4}{7}}÷ {\Large\frac{8}{21}}= は、

分数の四則混合です。

 

わり算が 2回、

ひき算が 1回です。

 

この子は、

計算する前に計算順を決める習慣が、

育っています。

 

そして、

計算順で、

一つ一つの計算をする前に、

計算の流れを追う習慣も育っています。

 

 

ですからこの子は、

計算する前に、

 {\Large\frac{2}{3}}÷ {\Large\frac{4}{15}} {\Large\frac{4}{7}}÷ {\Large\frac{8}{21}}= を、

① 左の ÷ 、

② 右の ÷ 、

③ 真ん中の - と、

計算順を決めます。

 

そして 1番目の計算  {\Large\frac{2}{3}}÷ {\Large\frac{4}{15}}= の前に、

「分数のわり算だから、

÷ の右  {\Large\frac{4}{15}} の上下を入れ替えて、

掛けるにして、

途中約分して、

それからかけ算・・」のように、

計算の流れを追います。

 

頭の中で、

暗算で計算するのではありません。

 

計算の流れを追うことで、

計算するときのガイドにします。

 

 

そして、

 {\Large\frac{2}{3}}÷ {\Large\frac{4}{15}} {\Large\frac{2}{3}}× {\Large\frac{15}{4}}= とかけ算に変えて、

 \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{2}\end{matrix}\,}{\begin{matrix}\cancel{3}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}5\\\cancel{15}\end{matrix}\,}{\begin{matrix}\cancel{4}\\2\end{matrix}\,}}= と途中約分をして、

 {\Large\frac{5}{2}}=2 {\Large\frac{1}{2}} と、かけ算をしてから、

帯分数に変えます。

 

2番目の計算も、

同じように流れを、

先に追ってから、

それをガイドにして計算します。

 

説明がダブりますから、

流れだけを書きます。

 

 {\Large\frac{4}{7}}÷ {\Large\frac{8}{21}} {\Large\frac{4}{7}}× {\Large\frac{21}{8}}

 \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{4}\end{matrix}\,}{\begin{matrix}\cancel{7}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}3\\\cancel{21}\end{matrix}\,}{\begin{matrix}\cancel{8}\\2\end{matrix}\,}} {\Large\frac{3}{2}}=1 {\Large\frac{1}{2}} と計算します。

 

 

3番目の計算は、

ひき算です。

 

1番目の計算の答え 2 {\Large\frac{1}{2}} から、

2番目の計算の答え 1 {\Large\frac{1}{2}} を引きます。

 

分数のひき算の流れは、

分母をそろえてから、

左から右を引き、

引けなければ、

整数部分の 1 だけを分数に変えて、

引けるようにする計算です。

 

この流れをガイドに、

ひき算を計算します。

 

 {\Large\frac{1}{2}}-1 {\Large\frac{1}{2}}=1 と計算できます。

 

このように、

分数の四則混合を確実に計算する

作法が身に付いている子です。

 

 

それなのに、

47÷3-17÷3= は、

まったく計算できません。

 

この子は、

「どうやるの?」と聞きます。

 

四則混合の形としたら、

確実に計算できる

 {\Large\frac{2}{3}}÷ {\Large\frac{4}{15}} {\Large\frac{4}{7}}÷ {\Large\frac{8}{21}}= と同じです。

 

47÷3-17÷3= も、

わり算が 2回、

ひき算が 1回です。

 

ですから、

計算する前に、

計算順を決めることができます。

 

左の ÷ 、右の ÷ 、中の - です。

 

 

一つ一つの計算の

1番目の計算 47÷3= や、

2番目の計算 17÷3= の

計算の流れを、

まったく追うことができないようです。

 

もちろん、

47÷3= や、

17÷3= の計算を、

以前に習っています。

 

その時、

この子は、スラスラと計算できています。

 

でも、

今は、

まったく手を付けることができません。

 

 

「どうしたの?」ではなくて、

「そうなんだ・・」と受け入れます。

 

そして、

今、

47÷3= や、

17÷3= の計算を、

初めて習う子として、

こちらの計算を実況中継で見せて教えます。

 

もちろん、

「どうやるの?」のように、

こちらから、この子に聞き返したりしません。

嫌がられるだけです。

 

 

以下は、

この子に見せた実況中継の実例です。

 

47÷3= の 47 を示して、

「上」と言い、

3 を示して、

「下」と言います。

 

以前とまったく同じこのリードを見て、

「あぁ、あれらしい・・」と、

何となく気が付いた子は、

47÷3= {\Large\frac{47}{3}}= と書きます。

 

こちらはリードを続けて、

 {\Large\frac{47}{3}}= の 47 を示して、

「これ」、

3 を示して、

「割るこれ」、

「15 あまり 2」、

「横 15、上 2、下 3」です。

 

ここまでリードされた子は、

「分かった」となったようで、

47÷3= {\Large\frac{47}{3}}=15 {\Large\frac{2}{3}} と書き終わってから、

「もう、できる!」と言ってくれます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -669)、(分数  {\normalsize {α}} -280)