8+3= のたし算の計算の仕方を、
言葉で教えるのが普通です。
8+3= の 8 を示して、
「これを読むと、はち」と言い、
+ を示して、
「足すだから、
はち(8)の次のく(9)から、数えて」と言い、
3 を示して、
「さんだから、さん(3)回、
く(9)、じゅう(10)、じゅういち(11)と数えて、
じゅういち(11)が答えです」と教えます。
計算の名前が、
「たし算」であることや、
たし算の意味を教えるのではなくて、
計算の仕方だけを、
つまり、
答えの出し方だけを教えています。
言葉の説明だけを並べます。
「これを読むと、はち」、
「足すだから、
はち(8)の次のく(9)から、数えて」、
「さんだから、さん(3)回、
く(9)、じゅう(10)、じゅういち(11)と数えて、
じゅういち(11)が答えです」。
子どもの様子を見ながら、
言葉が増えることや、
言い方を変えることがありますが、
8+3= の + の左の数字を見て読むことと、
+ の右の数字の分だけ、
数唱を唱えて数えることを説明します。
数える回数を確実にするために、
指を 3 回折るようなことを、
説明することもあるでしょう。
この説明の通りにすれば、
8+3= の答え 11 を出すことができます。
そして、
言葉で説明するときは、
子どもと向き合うのが普通の位置です。
こちらが、
子どもと対面で向き合う位置は、
こちらの説明が、
子どもに理解されていることを、
聞いている子どもの様子から、
リアルタイムで判断できます。
とても不思議なことですが、
8+3= の計算の仕方を教えるとき、
「言葉で説明しよう」と、
意識して決めることをしないで、
「教える」=「言葉で説明」となっています。
極端な言い方ですが、
条件反射のような選び方で、
「言葉で説明する教え方」を選んでいます。
でも、
8+3= のような計算は、
計算スキルと言われることもあるように、
スキルです。
スキルは、
知識とは少し違って、
言葉で説明することが難しいのです。
例えば、
寿司職人のさまざまなスキルです。
その中の一つの
寿司の握り方を、
言葉で説明して教えようとしないでしょう。
スキルの教え方の基本は、
見て、
まねさせることでしょう。
計算もスキルですから、
寿司職人の育て方と同じように、
8+3= の計算の仕方を、
見て、
まねさせるように教えることができます。
こちらの計算の実況中継です。
例えば、
8+3= の 8 を無言で示して、
「はち」と声に出して読み、
3 を示して、
「く、じゅう、じゅういち」と声に出して数えて、
= の右を示して、
「じゅういち(11)」です。
さて、
寿司職人の見習いに、
寿司の握り方を、
1 回見せるだけでは、
見て、まねすることは難しいでしょう。
同じようにまねできるようになるまで、
その見習いに必要なだけ、
寿司の握り方を繰り返して見せます。
8+3= の計算の仕方も同じです。
子どもに必要な回数、
たし算の計算の仕方を見せます。
5+3= の 5 を示して、「ご」、
3 を示して、「ろく、しち、はち」、
= の右を示して、「はち(8)」。
9+3= の 9 を示して、「く」、
3 を示して、「じゅう、じゅういち、じゅうに」、
= の右を示して、「じゅうに(12)」。
2+3= の 2 を示して、「に」、
3 を示して、「さん、し、ご」、
= の右を示して、「ご(5)」。
・・・・・。
スキルですから、
「出し方」を見せて、まねさせます。
まねできるようになるまで、
実況中継を見せます。
見る回数の多い少ないは、
子どもの個人差です。
でも、
知識でしたら、
言葉で説明する「入れ方」指導で、
理解させることができます。
(基本 -296)、(+- -191)
計算の教えない教え方 たし算ひき算―たかが計算 されど算数の根っこ そして人育て