算数や数学の計算は、
子どもが繰り返し練習して修得します。
繰り返し練習しなければ、
つかめないことがあるからです。
繰り返し練習することで、
つかめる力があります。
練習を繰り返す以外の方法で、
修得することのできない力です。
例えば、
6+9= を見たら、
答え 15 を、自動的に浮かべる力です。
この力があれば、
問題 6+9= を見るだけではなくて、
「ろく足すくは?」と、
口頭で聞かれても、
自動的に答え 15 が浮かびます。
この力のことを、
たし算の感覚ということもありますが、
たし算の練習を繰り返した結果、
子どもが自然につかむものです。
自動的に答えが浮かぶ感覚を持つために、
繰り返し練習しますから、
その練習は、指で数える計算です。
6+9= の 6 を見て、
その次の 7 から
7、8、9、10、11、12、13、14、15 と、
9 回、指で数える計算です。
指で数える計算の仕方を理解している子は、
計算できるのに、
まだ繰り返し練習することが、
とても退屈です。
「もう、分かっているのに。
計算できるのに。
まだ、やらなければならないの?」のような気持ちです。
このような子どもの気持ちに共感できますが、
練習する狙いは、
たし算の感覚をつかむことです。
そしてこちらは、
子どもが、
このような気持ちになると分かっていますから、
たし算の計算の仕方を教える前に、
「どのような子になってほしくないのか?」や、
「どのような子になってほしいのか?」を、
真剣に考えておきます。
指で数える計算の仕方を、
分かってしまって、
計算できるようになってから後、
自動的に答を浮かべる感覚を持つまでの練習は、
算数の力の問題ではないのです。
その子の内面の育ちの問題なのです。
例えば、
自分でやると決めたことは、
つまり、自分が自分とした約束は、
その約束を守って、
きちんとやってしまうとかのような
子どもの内面の育ちです。
指で数えるたし算の計算を
感覚をつかむまで練習できるために、
自分のできることをしてしまう主体性や、
「算数のたし算を練習する」と、
練習する前に決めてしまうような
少しだけ未来の自分をイメージすることや、
大事なことを先にしてしまう優先順位のような
子どもの内面の育ちが必要です。
ですから、
8+6= の 8 を見て、
その次の 9 から、
9、10、11、12、13、14 と、
6 回、指で数える計算の仕方を知ってから後は、
① 答えを自動的に浮かべる感覚をつかむことと、
② 内面を育てることの 2 つを、
こちらは意識して、
子どもをリードするようにします。
(基本 -341)、(+- -219)