8+6= を見たら、答え 14 が出る感覚を持つプロセスに類似させれば、2 つの分母、12 と 16 の共通分母 48 が出る感覚を持つことができます。この感覚を持つと、分数のたし算の計算が楽になります。

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{3}{10}}= や、

 {\Large\frac{5}{12}} {\Large\frac{3}{16}}= の分数のたし算は、

分母(下)をそろえてから、

足します。

 

そろえる分母が、

共通分母です。

 

このような分数のたし算を計算する子は、

① 共通分母を出してから、

② 同じ分母(共通分母)にそろえて、

③ その後で、足します。

 

この流れで、

分数のたし算を計算しますから、

共通分母の出し方から教えます。

 

この計算(共通分母の出し方)の

アナロジー(類推)の元は、

実は、

8+6= のようなたし算です。

 

このたし算は、

8 の次の 9 から、

+6 の 6 回、

9、10、11、12、13、14 と数えて、

答え 14 を出します。

 

この計算は、

数字を読むことができて、

順に数えることができれば、

自力でできます。

 

数字を読めて、

数えることができる子は、

8+6=14 と計算できます。

 

計算できようになっても、

数えて答えを出すたし算を、

練習し続けます。

 

そうすると、

8+6= を見たら、

数えていないのに、

答え 14 が出るようになります。

 

たし算の答えを出す感覚が、

子どもに入ったからです。

 

このたし算の育ちの流れと

同じようなことを、

分数のたし算の

共通分母の出し方で行います。

 

たし算を数える計算のように、

子どもが自力でできる計算を教えて、

繰り返し練習を続ければ、

2 つの分母(下)を見たら、

共通分母が出る感覚を持つことが、

期待できる計算の仕方です。

 

さまざまな計算があるようですが、

子どもが、すぐにまねし易い方法を、

以下に紹介します。

 

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{3}{10}}= の 2 つの分母、

4 と、10 を見て、

大きい方の 10 を、

小さい方の 4 で割り、

割り切れませんから、

大きい方の 2 倍の 20 を、

小さい方の 4 で割り、

割り切れますから、

20 が、共通分母とする計算です。

 

このような計算の仕方を、

子どもに教える一つの例です。

 

言葉で説明すると、

長くなりますから、

こちらの計算の実況中継を見せて、

子どもを計算に参加させる教え方です。

 

子どもは、計算の仕方を、

自分でつかむしかありませんから、

真剣になって、

心の中で、同じように計算しながら、

実況中継を見ます。

 

そして、

「あぁ、そうするのか!」と、

自分でつかんだ計算の仕方は、

愛着があるようです。

 

子どもは、

キチンと使います。

 

以下は、

実況中継の一例です。

 

 {\Large\frac{5}{12}} {\Large\frac{3}{16}}= の 2 つの分母、

16 と、12 をこの順に示しながら、

「16÷12、割り切れない」、

「16 を、2 倍して、32」、

「32÷12、割り切れない」、

「16 を、3 倍して、48」、

「48÷12、割り切れる」、

「下(共通分母)、48」です。

 

もちろん、

この 1 問の実況中継で、

共通分母の計算の仕方を、

つかめないでしょう。

 

個人差がありますから、

子どもが、

「分かった」、

「もう、できる」のようになるまで、

3~4 問や、5~6 問、

同じような実況中継を見せます。

 

共通分母を自力で計算できるようになってから、

 {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{1}{15}}= や、

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{6}}= や、

 {\Large\frac{1}{12}} {\Large\frac{1}{14}}= のような分数のたし算を、

20~30 問、練習すれば、

1~2 週間で、

計算に慣れて、

半ば習慣のように、

共通分母を出せるようになります。

 

それでも、

たし算の計算問題の練習を続ければ、

 {\Large\frac{1}{12}} {\Large\frac{1}{14}}= の共通分母 84 のような

難しい問題を除いて、

 {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{1}{15}}= を見たら、30 が、

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{6}}= を見たら、12 が、

共通分母として出るようになります。

 

2 つの分母、

6 と、15 を見たら、

見ただけで、

共通分母 30 が出る感覚です。

 

このような共通分母が出る感覚を、

子どもが持ったとき、

分数のたし算の計算が、

とても楽になります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -422)、(分数  {\normalsize {α}} -162)