「計算が苦手」のセルフ・イメージを持つのは、「計算が遅い」と、子ども自身で感じたときです。計算が速くなる手伝いをして、計算が速くなってくると、「計算が苦手」のセルフ・イメージは徐々に消えてしまいます。

「計算が苦手」のセルフ・イメージを、

とても単純な理由で、

子どもは持ちます。

 

計算に時間がかかるだけの理由です。

 

正しくできないことは、

「計算が苦手」のセルフ・イメージを持つ

理由ではありません。

 

モタモタと時間のかかる計算に、

子ども自身、

「計算が苦手」のセルフ・イメージを持ちます。

 

間違って計算する子でも、

速いスピードの計算であれば、

「計算が苦手」のセルフ・イメージを持ちません。

 

ですから、

子どものモタモタとした計算を、

テキパキと速い計算に育ててしまえば、

「計算が苦手」ではなくて、

「計算が得意」のセルフ・イメージに、

自動的に入れ替わります。

 

とても単純な話です。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 32 \\ - 15 \\ \hline \end{array} }} \\ や、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 36 \\ - 12 \\ \hline \end{array} }} \\ の筆算のひき算を、

「計算が苦手」のセルフ・イメージの子が、

計算しています。

 

自分で、

自分のことを、

「計算が苦手」と思っています。

 

モタモタと遅い計算です。

 

この子に、

こちらの速いスピードの

計算の実況中継を見せて、

速いスピードの計算を体験させます。

 

以下は、

実況中継の一例です。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 32 \\ - 15 \\ \hline \end{array} }} \\ の 2 と 5 を示しながら、

「2引く5、引けない」、

「12-5=7」、

5の真下を示して、

「7」と、

早口で、速いスピードの計算を見せます。

 

こちらの速いスピードの計算を、

見て、聞いていた子は、

こちらが出した答え 7 を、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:32 \\ -\: 15\\ \hline \:\:\:\:7\end{array} }} \\ と、素早く書きます。

 

続いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:32 \\ -\: 15\\ \hline \:\:\:\:7\end{array} }} \\ の 3 を示して、

「1 減って、2」、

1 を示して、

「2-1=1」、

1 の真下を示して、

「1」とリードします。

 

見て、聞いている子は、

こちらの速いスピードの計算の流れに乗って、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:32 \\ -\: 15\\ \hline \:17\end{array} }} \\ と書きます。

 

「速い!」と、

計算スピードの速さを、

子どもは感じています。

 

続いて、

次の問題 { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 36 \\ - 12 \\ \hline \end{array} }} \\ の 6 と 2 を示して、

「6-2=4」、

2 の真下を示して、

「4」です。

 

子どもは変化にすぐ慣れて、

こちらの速いスピードの勢いに乗って、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:36 \\ -\: 12\\ \hline \:\:\:\:4\end{array} }} \\ と、書きます。

 

次に、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:36 \\ -\: 12\\ \hline \:\:\:\:4\end{array} }} \\ の 3 と 1 を示して、

「3-1=2」、

1 の真下を示して、

「2」です。

 

子どもは、テキパキと、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:36 \\ -\: 12\\ \hline \:24\end{array} }} \\ と書きます。

 

このようにして、

子どもに、

速いスピードの計算を体験させれば、

体験しているときだけですが、

「計算が苦手」のセルフ・イメージが消えます。

 

そして、

同じような手伝い方で、

繰り返し、

速いスピードの計算を体験させれば、

時間がかかりますが、

子どものセルフ・イメージは、

「計算が苦手」から、

「計算が得意」に、

自然に入れ替わります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -357)、(+-  {\normalsize {α}} -227)