すべてのたし算の答えが浮かぶようになる手前は、答えが浮かぶ問題と、数えて計算する問題が入り交ざります。とても不安定な状態です。トコトン手伝ってしまいます。

4+8=、6+5=、7+9=、8+5=、4+4=、

5+7=、8+7=、9+6=、4+7=、5+6=、

・・・・・。

 

このようなたし算を、

50 問、100 問練習している子です。

 

4+8=12 や、

6+5=11 や、

7+9=16 や、

8+5=13 や、

4+4=8 のように、

問題を見たら、

その答えが浮かび、

それを書くだけの計算の仕方もあります。

 

5+7= や、

8+7= のように、

問題を見ても、

答えが浮かばないので、

数えて答えを出す計算の仕方もあります。

 

5+7= の 5 の次の 6 から、

+7 の 7 回、

6、7、8、9、10、11、12 と数えて、

答え 12 を出して、

5+7=12 と、書く計算です。

 

8+7= の 8 の次の 9 から、

+7 の 7 回、

9、10、11、12、13、14、15 と数えて、

答え 15 を出して、

8+7=15 と、書く計算です。

 

このように、

2種類の計算の仕方で、

計算しています。

 

問題を見たら、

答えが浮かべば、

その答えを書く計算です。

 

問題を見ても、

答えが浮かばなければ、

数えて答えを出す計算です。

 

ですからこの子は、

すべてのたし算を、

数えて計算するレベルよりも、

高いレベルです。

 

でも、

すべてのたし算の問題を見たら、

答えが浮かぶレベルよりも、

低いレベルです。

 

そして、

この間のレベルで、

少しずつ、

すべてのたし算の答えが浮かぶレベルに

近付いています。

 

ところが困ったことに、

たし算を、50 問、100 問練習したら、

毎回、2~3 個、

新しくたし算の答えが浮かぶようになるような

ほぼ一定の近付き方ではありません。

 

昨日は、

答えが浮かんだたし算 5+7= の

答え 12 が浮かばなくなる

調子の悪い日もあれば、

5~6 個、

新しくたし算の答えが浮かぶようになる

調子のいい日もあります。

 

つまり、

レベルが、

上がったり下がったり揺れ動き、

だから、

計算の仕方が、

見るだけの計算なのか、

あるいは数える計算なのかで、

どちらかに一定しない

とても不安定な状態です。

 

このような不安定な状態で、

たし算を、50 問、100 問練習すると、

集中がとても切れやすくなります。

 

プツプツ切れるような状態です。

 

すべてのたし算の答えが、

問題を見るだけで浮かぶようになるまでの

避けては通れない試練です。

 

子どもがこういう

とても不安定な状態であることを理解して、

集中が切れている子どもを、

こちらの計算を見せるだけの

子どもに優しいリードで、

寄り添うようにして、

計算に戻します。

 

集中が切れている問題 8+7= は、

答えが浮かばない問題です。

 

だから、

こちらは、いきなり

数える計算の実況中継を見せてリードします。

 

8+7= の 8 を示して、

「はち」と声に出して読み、

7 を示してから、

子どもに見えるように、

指を折りながら、声に出して、

9、10、11、12、13、14、15 と数えて、

= の右を示して、

「じゅうご(15)」です。

 

子どもが、

8+7=15 と書いたのを見て、

「そう」と受けてから、

同じようなリードで、

2~3 問、

実況中継を見せます。

 

こちらが、

数える計算の実況中継を見せている最中に、

5+6= の答え 11 を子どもが書いたら、

答えが浮かぶ問題です。

 

ただ、

「そう」と受けて、

認めます。

 

このような手伝いを、

すべてのたし算の答えが

浮かぶようになるまで続けます。

 

実際に手伝うと分かりますが、

すべてのたし算の答えが浮かぶようになる

たし算の感覚を持つまでの

とても不安定な状態を、

子どもは、意外に早く受け入れて、

自ら背負えるようになります。

 

不安定な状態を卒業して、

抜け出るのではなくて、

不安定な状態そのものを、

子どもが背負えるようになります。

 

心が育つからです。

 

それでも調子の悪い日もありますから、

トコトン手伝うと決めておけば、

それほど頻繁に手伝わなくて済みます。

 

できるようになりたいと、

とても強い気持ちを持っているのは、

子ども本人なのです。

 

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