約分の計算に慣れた子に、「約分って、何?」と聞きます。子どもに教えさせる練習です。こうすると、教えることで学びが深くなります。また、やがて、自分が自分に教えるようになります。

{\Large\frac{10}{12}}{\Large\frac{5}{6}} や、

{\Large\frac{9}{12}}{\Large\frac{3}{4}} や、

{\Large\frac{10}{15}}{\Large\frac{2}{3}} の約分に、

慣れている子です。

 

何で割るのかを探して(約数)、

上(分子)と、下(分母)を、

それぞれ割ります。

 

自力で、

これだけの計算をできる子です。

 

そして、

「約分は、

上(分子)と下(分母)を同じ数で割って

簡単にすることです」の

約分の説明文を読んで理解しています。

 

だから、

この子に、

「約分って、何?」と聞いて、

こちらに教えさせます。

 

子どもを先生役にして、

こちらに教えさせると、

子どもの学びが深くなるからです。

 

繰り返しになりますが、

約分の計算に慣れている子です。

 

説明文を読んで、

「上(分子)と下(分母)を同じ数で割って

簡単にすること」と、

言葉でも、

理解している子です。

 

ですから、

自分のしている計算を、

言葉にして説明できるはずです。

 

と、

以上のようなことから思うのが普通です。

 

そのはずなのですが、

子どもは、

「もごもご」と口ごもります。

 

理由は分かりませんが、

困っているようです。

 

でも、

自分がしている計算を言葉にする力は、

算数や数学の計算の学びを加速しますから、

大事です。

 

「もごもご」と口ごもる子どもを助けて、

子どもが先生役になり、

約分の計算を教える練習をさせます。

 

以下は、

練習の一例です。

 

子どもが計算した {\Large\frac{10}{15}}{\Large\frac{2}{3}}

10 と 2 を示して、

「どうやった?」と聞くと、

「5 で、割った」と教えてくれます。

 

同じように、

15 と 3 を示して、

「どうやった?」と聞くと、

同じように、

「5 で、割った」と教えてくれます。

 

続いて、

10 を示して、

「これ、上」とリードしてから、

15 を示して、

「これは?」と聞くと、

「下」と教えてくれます。

 

次に、

「上も、下も、5 で割っている」、

「同じ数、それとも違う数?」とリードすれば、

「同じ数」と教えてくれます。

 

それから、

{\Large\frac{10}{15}} と、{\Large\frac{2}{3}} を示して、

「これを、こうすると、どうなった?」とリードすると、

さまざまに教えてくれます。

 

理解している説明文を思い出せれば、

「簡単になった」と教えてくれるでしょう。

 

「小さくなった」と教えてくれる子もいます。

 

分数としては、同じですから、

小さくなったのではないのですが、

教える練習ですから、

内容ではなくて、

教えてくれたことを受け入れます。

 

手間がかかりますが、

このようにして、

子どもに教えさせることで、

先生役をさせれば、

やがて、ずっと後になってからですが、

自分が自分を教えるようになります。

 

なお、

参考までにですが、

「簡単にする」のではなくて、

「既約分数にする」です。

 

つまり、

これ以上、

約分できない分数にします。

 

(基本  {\normalsize {α}} -376)、(分数  {\normalsize {α}} -137)