「分かる」・「できる」・「解ける」と、「分からない」・「できない」・「解けない」の 2 つの習慣があります。無意識に働いている根強い習慣です。

(2- {\Large\frac{1}{4}} )× {\Large\frac{8}{21}} のような四則混合を、

「分かる」・「できる」・「解ける」とする子と、

「分からない」・「できない」・「解けない」とする子に、

別れます。

 

子ども自身、

少しも自覚できない

自分の内面の習慣です。

 

「分かる」・「できる」・「解ける」とする

習慣があります。

 

「分からない」・「できない」・「解けない」とする

習慣もあります。

 

子ども自身は、

自分がどちらの習慣なのか

少しも意識していませんから、

どちらの習慣なのか知りません。

 

でも、

両方ではなくて、

どちらか一方の習慣になっています。

 

「分かる」・「できる」・「解ける」とする

あるいは、

「分からない」・「できない」・「解けない」とする

この大きく違う 2 つの習慣は、

問題 (2- {\Large\frac{1}{4}} )× {\Large\frac{8}{21}} を見る前に働いています。

 

子どもは、

問題 (2- {\Large\frac{1}{4}} )× {\Large\frac{8}{21}} を見てから、

「分かる」・「できる」・「解ける」とするか、

あるいは、

「分からない」・「できない」・「解けない」とするかを

決めていると思っていますが、

実は、そうではないようです。

 

先に、

「分かる」・「できる」・「解ける」と、

決めている子でしたら、

「分かる」・「できる」・「解ける」部分だけを、

選んで見ていきます。

 

先に、

「分からない」・「できない」・「解けない」と

決めている子でしたら、

「分からない」・「できない」・「解けない」部分だけを、

選んで見ています。

 

さて、

この問題 (2- {\Large\frac{1}{4}} )× {\Large\frac{8}{21}} を計算して、

この 2 つの習慣の違いを、

少し詳しく説明します。

 

まず、

計算順を自力で決めます。

 

「分かる」・「できる」・「解ける」の子も、

「分からない」・「できない」・「解けない」の子も、

それほど複雑な式ではありませんから、

楽に、計算順を決めることができます。

 

2 つの無意識の習慣は、

働かないようです。

 

計算順は、

(2- {\Large\frac{1}{4}} )× {\Large\frac{8}{21}}

かっこの中の - が、1 番目で、

かっこの外の × が、2 番目です。

 

このように計算順を決めたら、

決めた順番で、

計算します。

 

ここで、

「分かる」・「できる」・「解ける」の子と、

「分からない」・「できない」・「解けない」の子の

式の見方が違ってきます。

 

1 番目の計算は、

2- {\Large\frac{1}{4}} です。

 

整数 2 から、

分数  {\Large\frac{1}{4}} を引きます。

 

かなり前に習って、

計算できるようになっていますが、

この計算 2- {\Large\frac{1}{4}} は、

印象に残りにくいようで、

思い出せないのが普通です。

 

「分からない」・「できない」・「解けない」の子は、

無意識のこの習慣が働いて、

「分からない」となり、

「計算できない」となり、

こちらに、

「分からな」と聞きます。

 

こちらが、

「どこ?」と聞き返しても、

「分からない」です。

 

子どもの気持ちは、

「分からないと聞いているのだから、

サッサと教えてほしいな・・」です。

 

このような子とは違って、

「分かる」・「できる」・「解ける」の子は、

やはり、無意識のこの習慣が働いて、

「分かる」部分や、

「計算できる」部分を探します。

 

まず、

2- {\Large\frac{1}{4}} の式から、

「このままでは引けない」、

「引けるようにする」と考えます。

 

もちろんこのように、

言葉で考えている子は少なくて、

パパっと「計算できる」ように、

工夫していきます。

 

ここでは、

「分かる」・「できる」・「解ける」の子の

言葉にならない頭の中の速い動きを、

スローモーションで、

言葉に落として書いています。

 

「引けない計算を、

引けるようにする工夫」を、

頭の中で検索すると、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 35 \\ \hline \end{array} }} \\ のような筆算のひき算を、

思い付きます。

 

この計算は、

印象に残っているようですから、

思い出し易いようです。

 

一の位の計算 4-5= は、

「引けません」から、

4 に、1 を付けて、14 にして、

14-5=9 としています。

 

そして、

十の位の計算のとき、

6 を、1 減らして、5 にして、

5-3=2 としています。

 

「引けないときに、1 を利用する」ことと、

「1 の出所は、1 減る」ことを、

この筆算のひき算から見つければ、

2- {\Large\frac{1}{4}} を、

「引けるようにするために、

1 を利用する」ことと、

「出所を、1 減らす」ことまで、

「分かる」です。

 

そして、

 {\Large\frac{1}{4}} を引くのですから、

「利用する 1 を、 {\Large\frac{\:\:\:\:}{4}} のような何か」にすることまで、

気が付きます。

 

面白いことに、

「分かる」・「できる」・「解ける」の子は、

2- {\Large\frac{1}{4}}=  {\Large\frac{\:\:\:\:}{4}} {\Large\frac{1}{4}} と、

「分かる」となった部分を書いてしまいます。

 

この「分かる」となった部分を、

書いてしまうことが、

とても大事です。

 

「分かる」部分を書くことで、

必ず刺激を受けて、

さらなる「分かる」部分が見えるからです。

 

すると、

「利用する 1 は、2- {\Large\frac{1}{4}} の 2 の 1」と、

出所を決めてしまいます。

 

2 から、1 を利用するのですから、

2 は、1 減って、

1 に変わります。

 

ここまで進むと、

2- {\Large\frac{1}{4}}=  {\Large\frac{\:\:\:\:}{4}} {\Large\frac{1}{4}} が、

2- {\Large\frac{1}{4}}=1 {\Large\frac{\:\:\:\:}{4}} {\Large\frac{1}{4}} と、

よりハッキリとします。

 

すると、

「確か、これは・・」と、

1= {\Large\frac{4}{4}} を、

頭の中で検索できることもあれば、

何も見つけられなければ、

 {\Large\frac{\:\:\:\:}{4}} {\Large\frac{1}{4}} をこちらに見せて、

「ここ、何?」と聞くことができます。

 

「分かる」・「できる」・「解ける」の子と、

「分からない」・「できない」・「解けない」の子の

式の見方の違いが、

その後にすることを、

ここまで違えてしまいます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -377)、(+-  {\normalsize {α}} -237)、(分数  {\normalsize {α}} -138)