連立方程式は、式の形を見分けることが易しくて、解く前に、解き方を決めることが易しいので、「どうする?」と聞いても、子どもは解き方を答えてくれます。

方程式 {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y=3x+5\\y=7x-3\end{array}\right.\end{eqnarray}} を解く前に、

「どうする?」と、

子どもが、自分に問います。

 

そして、

解き方を先に決めてから、

解くような習慣を持っている子です。

 

「どうする?」と自分に聞いて、

すぐに思い付くのは、

上の式 y=3x+5 から、

下の式 y=7x-3 を引くことです。

 

2 つの式 y=3x+5 と、

y=7x-3 を見れば、

引けば、

y が消えると気付きます。

 

あるいは、

上の式 y=3x+5 を、

下の式 y=7x-3 に、

代入することにも気が付きます。

 

2 つの式 y=3x+5 と、

y=7x-3 の形から、

気が付きます。

 

 

さて、

この子は、

解く前に、自分に、

「どうする?」と聞きますが、

自然にそうなったのではありません。

 

解く前に、

「どうする?」と自分に聞いて、

解き方を考える子に育てたからです。

 

このように育っているこの子は、

2 つの解き方を思い付いています。

 

この後、

実際に解くために、

2 つのどちらかを選びます。

 

1 番目のアイデア

上の式から、下の式を引く解き方を、

選んだとすれば、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\:y=3x+5 \\ -y=7x-3 \\ \hline \end{array} }} \\ を計算します。

 

まず、

y から、y を引いて、

0 です。

 

次に、

3x から、7x を引いて、

-4x です。

 

そして、

+5 から、-3 を引いて、

+5-(-3)=5+3=8 から、

8 です。

 

だから、

0=-4x+8 です。

 

ここでは、

この続きを省略します。

 

1 番目ではなくて、

2 番目のアイデア

上の式を、下の式に代入する解き方を、

選んだとすれば、

(3x+5)=7x-3 となります。

 

この続きの計算も、

省略します。

 

 

さて、実は、

人は、

このように面倒そうに見える

2 段階で何かをしています。

 

水を飲むと決めてから、

水の種類やコップのような飲み方を選び、

水を飲みます。

 

駅に行くと決めてから、

行き方を選んで、

駅に行きます。

 

そして、

面白いことに、

1 番目の段階を

普段、ほとんど意識していません。

 

 

方程式 {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y=3x+5\\y=7x-3\end{array}\right.\end{eqnarray}} を解くときも同じです。

 

1 番目の段階で、

どのように解くのかを、

解く前に決めてから、

2 番目の段階で、解きます。

 

水を飲むときや、

駅に行くときと同じように、

どのように解くのかを、

アレコレと考えて、

そして、どれかを選ぶ 1 番目の段階を、

ほとんど意識しないで、

いきなり、

2 番目の段階の

解くことから始めてしまう子が多いのです。

 

だから、

子どもが意識して、

「どうする?」と自分に聞いて、

解き方を考えて、

どれか 1 つを選んでから、

解き始める習慣を持つまで、

しつこく子どもを育てます。

 

理由は、シンプルです。

 

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y=3x+5\\y=7x-3\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような連立方程式は、

式の形を見分けるのが易しくて、

解く前に、

解き方を決めることが易しいから、

「どうする?」と聞きやすいのです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -453)、(分数  {\normalsize {α}} -182)