答えを出すことで
答えを出した子ども本人だけが
学ぶことができることがあります。
とても分かりにくいのですが、
例えば、
や、
のかけ算で、
2 回の九九の後、
繰り上がりのたし算に、
瞬時に切り替えることです。
計算して、
答えを出すことで、
答えを出した子どもは、
計算の種類を、
九九からたし算に、
瞬時に、
切り替えることができるようになります。
言葉で説明して教えることができることは、
計算の仕方です。
の計算の仕方を、
4 から 9 を、下から上に見て、
4×9=36 と、
かけ算を計算して、
36 の 6 を、
のように書いて、
36 の 3 を繰り上がり数として覚えて、
次に、
4 から 2 を、下から左斜め上に見て、
4×2=8 と、
かけ算を計算して、
繰り上がり数 3 を、
8+3=11 と足して、
のように書くことを、
言葉で説明して、
教えることができます。
言葉で教えることができることは、
このような計算の仕方までです。
計算には、
スピードがありますが、
望ましい計算のスピードを、
言葉で教えることはできません。
こちらの計算の実況中継を、
子どもに見せれば、
見ている子どもは、
計算のスピードを学ぶことができます。
の 4 と 9 を示して、
「4×9=36」、
4 の真下を示して、
「6」、
「指、3」のような
こちらの計算の実況中継を見せるとき、
こちらがスピードをコントロールできます。
4 と 9 を示すスピード、
「4×9=36」と話すスピード、
4 の真下を示すスピード、
「6」、
「指、3」と話すスピードを、
こちらは、速くすることも、
遅くすることもできます。
速くすれば、
速いスピードの計算を、
子どもに見せることができます。
一つの目安ですが、
4×9=36 を計算して、
6 を書く位置を示して、
繰り上がり数 3 を指に取らせるまでを、
5秒程度のスピードがお勧めです。
実は、
子どもは、
速い動作に反応します。
テキパキとした速い動作で、
5秒ほどで、
の最初の計算を見せられると、
子どもの目には、
心地よいスピードになります。
このように、
こちらの計算の実況中継を
程よい計算のスピードに注意して見せれば、
子どもに、
計算のスピードを教えることができます。
それでも、
2 回の九九、
4×9=36 と、
4×2=8 の後、
瞬時に、
たし算に切り替えて、
8+3=11 と計算することを、
見せることはできません。
もちろん、
瞬時に、
計算を、
たし算に切り替えることを、
言葉で教えることは不可能です。
でも、
こちらの計算の実況中継を見せて、
を、
15秒ほどで、
と、
子どもに書かせてしまうとき、
こちらは、
頭の中で、
2 回の九九の後、
瞬時に計算を切り替えて、
8+3=11 と計算しているのですが、
こちらが、
瞬時に計算を切り替えたことを、
子どもに見せようがありません。
実況中継で見せようにも、
実況中継できないのです。
こちらの頭の中で行われていることです。
ですから、
ここは、
子どもが、
や、
のようなかけ算を、
繰り返し計算して、
答えを出すことで、
自ら学ぶしかない部分です。
さて、
こちらが、
2 回の九九の後、
瞬時に計算を切り替えて、
繰り上がりのたし算を計算できるのは、
どうしてでしょうか?
筆算のかけ算に慣れてない子どもが、
瞬時に計算を切り替えて、
繰り上がりのたし算を計算できないのは、
どうしてでしょうか?
こちらは、
最初の計算で、
4×9=36 のように、
繰り上がりがあれば、
次の九九 4×2=8 の後、
繰り上がりのたし算 8+3=11 を
計算すると分かっていて、
たし算の計算を待ち伏せているからです。
つまり、
4×9=36 の計算から、
繰り上がり数 3 を覚えるとき、
繰り上がりのたし算があると、
先回りして待つからです。
このような
「待ち伏せ」や、
「先回り」の繰り上がりのたし算のことを、
言葉の説明は無力ですし、
こちらの計算の実況中継を見せても、
こちらの頭の中で行われていることですから、
教えることができないのです。
繰り上がりのたし算を、
待ち伏せるようなことは、
子どもが、
自分でつかむしかないのです。
つまり、
子どもが、
や、
のようなかけ算を、
繰り返し計算することで、
自分自身を育てて、
つかむ以外に方法がないのです。
こちらは、
子どもが、
繰り上がりのたし算を
待ち伏せる自分を育てるために、
一定のスピードで、
筆算のかけ算を計算する
手伝いしかできないのです。
もうお気付きだと思いますが、
筆算のかけ算に慣れる前の子どもは、
繰り上がりのたし算を、
先回りではなくて、
後追いです。
の計算の手順を追うことに精一杯で、
計算の後追いですから、
後手に回っていて、
九九の後の
繰り上がりのたし算への切り替えが、
そうなったときにあわてるから、
遅れてしまいます。
(基本 -477)、(×÷ -106)