(+3)×(-10)×0×(-1)= の計算順を、
計算する前に、
指で示させます。
子どもに、
「計算順?」と聞くだけです。
すると、
この子は、
(+3)×(-10)×0×(-1)= の
× を、左から順に、
指で示します。
3 回のかけ算を、
左から順に計算するように、
計算順を決めています。
見ていたこちらは、
「1 度に・・」と、
計算順を指定します。
これだけのことですが、
計算の仕方が違ってきます。
子どもが決めた計算順でしたら、
(+3)×(-10)×0×(-1)= の一部分、
(+3)×(-10) が、1 番目の計算です。
計算します。
- が、1 つですから、
答えの符号は、
- です。
数字の計算は、
3×10=30 です。
(+3)×(-10)=-30 と計算できます。
2 番目の計算は、
この答え -30 に、
×0 です。
式に書くと、
(-30)×0 です。
0 を掛ける計算の答えは、
0 ですから、
(-30)×0=0 です。
3 番目の計算は、
この答え 0 に、
×(-1) です。
0 に、
何を掛けても、
答えは 0 です。
子どもが決めたような計算順で計算すると、
このような計算になります。
そして、
(+3)×(-10)×0×(-1)=0 です。
こちらが指定したように、
「1 度に・・」の計算順にすれば、
(+3)×(-10)×0×(-1)= を、
1 度に、かけ算します。
まず、
- の数を数えます。
順に符号だけを見ていくと、
- が、2 つあることと、
0 を掛ける計算に、
なっていることに気付きます。
すると、
この 0 があることに気付いたことから、
式 (+3)×(-10)×0×(-1)= の答えを、
0 とできます。
0 を掛けても、
0 に何かを掛けても、
答えは、0 になるからです。
このように、
計算順の決め方で、
計算の仕方が違います。
さて、
(+3)×(-10)×0×(-1)= を、
「1 度に・・」を指定されたために、
この子は、
計算順の決め方に、
混乱し始めます。
5×7×0÷2-6÷2= の計算順を、
決められなくなります。
もちろん、
このような混乱は、
子どもが、
今よりも伸びる前に起こりますから、
歓迎すべきことです。
計算順を決められない子に、
計算順そのものを教えます。
5×7×0÷2-6÷2= の - の左の
「5×7×0÷2」が、1 番目、
- の右の「6÷2」 が、2 番目、
そして、- が、3 番目の計算です。
このような計算順を決める力を、
計算順を決める練習を、
一定の速いスピードで繰り返すことで、
子どもはつかむことができます。
子どもが、
計算順を決めることは、
つまり、
計算順という答えを出すことで、
練習した子どもだけが、
学ぶことのできる学びです。
算数や数学の計算には、
言葉で教えようとしても、
教えることができなくて、
答えを出すことを繰り返した子が、
学ぶしかない学びがあります。
計算順という答えを出すことも、
答えを出すことで、
学ぶことができる学びです。
実際に、
5×7×0÷2-6÷2= の計算順を、
言葉で説明して、
子どもに理解させて、
- の左と右に、
計算が分かれていることを、
理解させようとしても、
無理な話でしょう。
(基本 -482)、(分数
-198)