計算には、独立した最小の単位があります。これを利用できる子になるように育てれば、育ちのスピードの速い子になります。

計算の独立した最小の単位は、

計算して、

出した答えを書くまでです。

 

いくつかの例を出します。

 

7+5= の数える計算です。

 

7 を見て、

次の 8 から、

+5 の 5 回、

8、9、10、11、12 と数えて、

答え 12 を出して、

7+5=12 と書きます。

 

7 を見てから、

答え 12 を書くことまでが、

計算の独立した最小の単位です。

 

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 28 \\ \hline \end{array} }} \\ のような筆算のたし算です。

 

一の位の 5 と 8 を見て、

5+8=13 と足して、

3 を、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 28 \\ \hline \:\:\:\:3\end{array} }} \\ と書いて、

1 を繰り上がり数で覚えて、

十の位の 1 と 2 を見て、

1+2=3 と足して、

繰り上がり数 1 を、

3+1=4 と足して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 28 \\ \hline\:\:43\end{array} }} \\ と書きます。

 

この一連の計算の全てが、

計算の独立した最小の単位です。

 

 

一の位の 5 と 8 を足して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 28 \\ \hline \:\:\:\:3\end{array} }} \\ と書いて、

1 を繰り上がり数で覚えるまでを、

独立した最小の単位とすると、

ここで集中が切れて、

しばらく計算から離れたら、

次の

十の位の 1 と 2 の計算から

続けることが難しいのです。

 

途中まで書いてある  {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 28 \\ \hline \:\:\:\:3\end{array} }} \\ を見ても、

繰り上がりがあるのか、

それとも、

ないのかが分かりません。

 

十の位の 1 と 2 の計算から続けるために、

もう一度、

一の位の 5 と 8 を足す計算から、

見直さなければなりません。

 

 

だから、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 28 \\ \hline \end{array} }} \\ のような筆算のたし算は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 28 \\ \hline\:\:43\end{array} }} \\ と書き終わるまでが、

計算の独立した最小の単位です。

 

 

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{6}}= のような分数のたし算です。

 

2 つの分母 4 と 6 を見て、

6÷4= 割り切れない、

6 を、2 倍して、12 、

12÷4= 割り切れるので、

共通分母 12 を出して、

4×3=12 、1×3=3 から、

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{3}{12}} と書き、

6×2=12 、1×2=2 から、

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{2}{12}}= と書きます。

 

この一連の計算の全てが、

計算の独立した最小の単位です。

 

ここで集中が切れて、

しばらくボ~ッとしてから、

計算に戻っても、

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{2}{12}}= の続きを、

このまますぐに計算できます。

 

その計算の続きは、

3+2=5 と足して、

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{2}{12}} {\Large\frac{5}{12}} と書きます。

 

これが、

もう 1 つの

計算の独立した最小の単位です。

 

このように、

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{1}{6}}= の分数のたし算は、

2 つの

計算の独立した最小の単位があります。

 

 

さて、

子どもの中には、

このような計算の独立した最小の単位を、

何となく感じている子がいます。

 

そして、

集中が切れるとき、

1 つの

計算の独立した最小の単位の

計算を終えた後にしています。

 

「うまいところで切るなぁ」と感心します。

 

こういう子は、

育ちの速い子です。

 

ですから、

こちらが子どもの計算を手伝うとき、

1 つの

計算の独立した最小の単位で、

区切るようなリードを心掛けます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -533)、(+-  {\normalsize {α}} -305)、(分数  {\normalsize {α}} -224)