答えの出し方を教えるときや、計算のスピードを速めるときは、「即」が、つまり、いきなりの計算に引きずり込ませることが、ほとんど意識されていませんが、重要なコツです。

計算問題の答えの出し方を教えて、

子どもが、

自力で答えを出せるようにします。

 

教える内容を、

大きく 2 つに分けます。

 

答えの出し方をつかませることと、

答えを出すスピードを

今よりも速くすることです。

 

まず、

答えを自力で出せるようにします。

 

自力で答えを出せるようになったら、

答えを出すスピードを速めるようにします。

 

実際にはほぼ同時なのですが、

あえて順番を付ければ

このような順になります。

 

 

さて、

計算の答えの出し方を手伝うとき、

答えの出し方を教えるときも、

出すスピードを速くするときも、

いくつかの大事なコツがあります。

 

その中には、

コツとは思ってもらえないようなコツもあります。

 

忘れられているコツのような感じです。

 

あるいは、

全く気付いていないコツで、

「そのようなことを、

思いもしなかった・・」のような感じです。

 

それが、

即、手伝うことです。

 

「即」です。

 

 

実例を紹介して、

「即」を、説明します。

 

例えば、

 {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{5}{12}}= のような分数のたし算で、

集中が切れて、

ボ~ッとしている子です。

 

答えの出し方を知っている子です。

 

ですから、

計算できなくて、

ボ~ッとしているのではありません。

 

何かに気を取られて、

計算から離れて、

止まっているだけです。

 

離れている計算に戻して、

止まっている計算を動かす手伝いです。

 

 

わざとらしい言い方ですが、

集中が切れて、

ボ~ッとしていますから、

答えを出すスピードは、ゼロです。

 

こちらの計算の実行中継を見せるリードで、

今のゼロのスピードを、

この子がやや速めに計算するときのスピードに

戻してしまいます。

 

このような手伝いを、

「即」行います。

 

つまり、

いきなりの計算なのです。

 

 

まだ、

「即」が、

伝わらないでしょうから、

もう少し詳しく説明します。

 

集中が切れて、

ボ~ッとしていることは、

少し離れていても分かります。

 

だから、

ゼロのスピードを、

やや速めのスピードに戻すと、

先に決めて、

この子の真後ろから、

止まっている計算問題をのぞき見ます。

 

「即」リードするつもりで、

のぞき見ると、

 {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{5}{12}}= の

たし算の「+」と、

2 つの分母 6 と 12 が、

瞬時に見えます。

 

「即」、

「下、じゅうに(12)」と、

リードし始めます。

 

これが、

「即」です。

 

いきなりの計算です。

 

 

子どもの真後ろから、

問題 4 {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{5}{12}}= をのぞき見て、

「即」、

「下、じゅうに(12)」ですから、

集中が切れて、

ボ~ッとしている子は、

背後のこちらの気配を感じる前に、

「下、じゅうに(12)」と、

聞こえてきます。

 

「えっ、何?」、

「あっ、そうか」・・のような感じで、

心で感じるはずです。

 

こちらの気配を感じる前ですから、

こちらの「下、じゅうに(12)」のリードに、

子どもは、

抵抗する間もなく、

とても自然に、

引きずり込まれます。

 

いきなりの計算に、

引きずり込まれます。

 

 

そして、

「即」、

「下、じゅうに(12)」の後も、

畳み掛けるような感じで、

でも、焦らせないように、

 {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{5}{12}}= の 4 を示して、

「これ」、

= の右を示して、

「ここ」です。

 

子どもは、

すぐに、

 {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{5}{12}}=4 と書いて、

こちらの続きのリードに、

素直に付いてきます。

 

ゼロのスピードから、

「即」の手伝いで、

自然に、

いきなりの計算に引きずり込まれます。

 

動き出してしまったのですから、

続けて動かすだけです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -570)、(分数  {\normalsize {α}} -242)