800 から、506 を引くような筆算のひき算は、隣のそのまた隣から、1 を借ります。この計算の仕方を、言葉で説明しようとすれば、とても長い説明になり、時間もかかります。答えを出せるようにするのでしたら、こちらの計算の実況中継を見せる教え方が、お勧めです。短い時間で済みます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:800 \\ - \: 506 \\ \hline \end{array} }} \\ のような筆算のひき算を、

計算できない子です。

 

でも、

一の位のひき算 0-6 は、

引くことができないことは、

分かります。

 

このようなとき、

隣から、1 を借りて、

0 を、10 にすれば、

10-6=4 と計算できると、

知っています。

 

でも、隣は、0 です。

1 を借りようがないのです。

「さて、どうしよう・・」と戸惑います。

 

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:800 \\ - \: 506 \\ \hline \end{array} }} \\ の 800 の

一の位の 0 に、

隣の十の位から、

1 を借りて、

10 にしたいのです。

 

でも、

隣の十の位は、0 ですから、

1 を借りようがないのです。

 

ここで、

この子は困っています。

 

それでも、

1 を借りるために、

更に隣の百の位の 8 から、

十の位の 0 が、

1 を借ります。

 

こうすれば計算できるのですが、

「隣から借りられなければ、

その更に隣から借りる・・」と、

この子はできないのです。

 

さて、

十の位の 0 は、

隣の百の位の 8 から、

1 を借りますから、

隣から借りる借り方を守っています。

 

こうすると、

十の位の 0 は、

10 になります。

 

すると、

十の位の 10 は、

一の位の 0 に、

1 を貸すことができます。

 

と、

このような長い話になります。

 

 

この長い話を、

「隣が 0 で、1 を借りることができない」

今のこの子に、

言葉で説明して、

理解させようとすれば、

とても長い時間がかかります。

 

早口で説明してしまうと、

「何を言っているのか、少しも分からない」と、

子どもは、理解できなくなります。

 

言葉で説明するとき、

子どもが理解できるように、

「分かった」と聞くことや、

「次に進んでいいですか・・」のように、

ユックリと説明しなければなりません。

 

長い時間を費やして、

子どもに理解させることができたとしても、

一の位のひき算 10-6=4 です。

 

まだ、

十の位のひき算と、

百の位のひき算の説明が残っています。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:800 \\ - \: 506 \\ \hline \end{array} }} \\ のひき算の仕方を、

言葉で説明して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:800 \\ -\: 506\\ \hline 294\end{array} }} \\ と、

計算できるようになるまで、

とても長い時間が必要です。

 

しかも、

このように説明している内容は、

答えを出すための計算の仕方だけです。

 

どうしてそのように計算できるのかのような

理屈に関しては、

少しも説明していません。

 

こちらも、

大変ですが、

このような長い説明を、

長時間聞いて、

そして、計算の仕方を理解して、

自力で計算できるようにするのですから、

子どもも大変です。

 

 

少し違う教え方があります。

 

こちらの計算の実況中継を見せるだけの

実にシンプルな教え方です。

 

計算のスピードを見せることができます。

1 問の筆算のひき算を見せて、

20 秒前後の短時間です。

 

出した答えを、子どもに書かせます。

 

子どもは、

見ているだけの傍観者ではなくて、

答えを書くことで、参加します。

心の中で、こちらと同じ計算を、

自然に、始めます。

 

 

以下は、

実況中継の一例です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:800 \\ - \: 506 \\ \hline \end{array} }} \\ の 0 と 6 を示して、

「ゼロ引くろく(0-6)、引けない」、

「じゅう引くろく、し(10-6=4)」、

6 の真下を示して、

「し(4)」です。

 

見ていた子は、

「0 が、どうして、10 になるの?」と、

疑問を感じながらも、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:800 \\ -\: 506\\ \hline \:\:\:\:4\end{array} }} \\ と書いて、

傍観者ではなくなり、

当事者になります。

 

続いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:800 \\ -\: 506\\ \hline \:\:\:\:4\end{array} }} \\ の 800 の十の位の 0 を示して、

「いち(1)減って、く(9)」、

「く引くゼロ、く(9-0=9)」、

506 の 0 の真下を示して、

「く(9)」です。

 

見ていた子は、

「0 から、どうして、1 減るの?」や、

「0 から、1 減ると、どうして、9 なの?」と、

疑問を感じながらも、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:800 \\ -\: 506\\ \hline \:\:94\end{array} }} \\ と書くことで、

疑問を抱えながら、

計算できていることを感じます。

 

そして、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:800 \\ -\: 506\\ \hline \:\:94\end{array} }} \\ の 800 の百の位の 8 を示して、

「いち(1)減って、しち(7)」、

「しち引くご、に(7-5=2)」、

506 の 5 の真下を示して、

「に(2)」です。

 

見ていた子は、

「8 から、どうして、1 減るの?」と、

疑問を感じながらも、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:800 \\ -\: 506\\ \hline 294\end{array} }} \\ と書くことで、

計算できたことが分かりますから、

疑問を解消することよりも、

答えの出し方を知りたくなる気持ちが

強くなります。

 

文字に書くと、

ダラダラと長い実況中継のように感じますが、

実際には、

20秒前後です。

 

20 秒前後の短時間で、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:800 \\ - \: 506 \\ \hline \end{array} }} \\ の答えが出て、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:800 \\ -\: 506\\ \hline 294\end{array} }} \\ と書き終わりますから、

子どもは、

答えの出し方をつかむまで、

もっと多くのこちらの実況中継を

見たい気持ちになります。

 

経験からですが、

2~3 問や、

4~5 問で、

「分かった。そうするのか!」と、

答えの出し方をつかんでしまいます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -573)、(+-  {\normalsize {α}} -322)