6+5= や、7+9= の指で数える計算の速さのペースメーカー役をすることよりも、答え 11 や、16 を書く速さのペースメーカー役をする方が、子どもに自然に受け入れてもらえます。

6+5=、7+9=、8+7=、3+6=、

・・・・・。

 

このようなたし算を、

100 問計算します。

 

この子は、

6+5= の 6 の次の 7 から、

+5 の 5 回、

7、8、9、10、11 と指で数えて、

答え 11 を出す計算です。

 

十分に練習している子ですから、

「そろそろ指が取れてもいい頃なのに・・」と、

こちらは、思うものの、

指が、取れそうで取れません。

 

6+5=11 、

7+9=16 、

8+7=15 、

3+6=9 ・・と、

答えを書いていくスピードが、

ある一定のスピードを超えることが

普通になったとき、

この子のたし算の指が取れると、

こちらは、分かっていますから、

答えを書いていくスピードを速くしようとして、

この子をリードします。

 

 

すぐに思い付くことは、

こちらが、この子のたし算の

ペースメーカーになることです。

 

例えば、

6+5= の + を、

無言で、ペン先で示して、

この子が指で数えて答え 11 を出して、

6+5=11 と書いたらすぐ、

次の問題 7+9= の + を、

無言で、ペン先で示します。

 

そして、

この子が、

指で数えて答え 16 を出して、

7+9=16 と書いたらすぐ、

次の問題 8+7= の + を、

無言で、ペン先で示します。

 

そして、

この子が、

指で数えて答え 15 を出して、

8+7=15 と書いたらすぐ、

次の問題 3+6= の + を、

無言で、ペン先で示して・・と、

ペースメーカーになります。

 

 

さて、

こちらは、

この子のたし算の

ペースメーカーのつもりなのですが、

計算する前の 6+5= の + を

無言で示されている子どもにしたら、

追い立てられているような感じになります。

 

そして、

6+5=11 と書いたらすぐ、

次の問題 7+9= を、

自分が見る前に先回りされて、

+ を示されているのですから、

焦らされているような感じです。

 

こうなると、

イライラした気持ちになって、

たし算の計算そのものに

集中することが難しくなります。

 

子どもの計算のペースメーカーになることは、

いいやり方に思えるのですが、

実際には、

得策ではありません。

 

 

しかも、

「自分でできる・・」と主張するのが自然な

子どもの内発的で強い主体性を

知らず知らずに押さえ付けて、

計算のスピードを外の何か、

つまり、

ペースメーカーとしてのこちらに

依存させてしまう危険があります。

 

主体性から

反応性の依存に移るのは、

ジワジワと慢性的にですから、

気付かないことが多いのです。

 

 

実は、

このような弱点をかなり改善できる

具体的な方法が、

こちらの計算の実況中継を見せるだけの

リードです。

 

こちらの計算の実況中継を見せることで、

子どものたし算の

ペースメーカーになっています。

 

でも、

子どものたし算のスピードを

速めようとしていません。

 

ただ、

こちらの速いスピードのたし算を

見せているだけです。

 

 

子どもをコントロールしようとする気持ちゼロで、

こちら自身の数える計算のたし算を

見せているだけに徹すると、

子どもは追い立てられているなどと

感じることはないようです。

 

6+5= の 6 を示されて、

「ろく」と読む声が聞こえて、

「しち、はち、く、じゅう、じゅうち」と、

数える声が聞こえて、

= の右を示されますから、

子どもは素直に、

6+5=11 と書いてしまいます。

 

同じような感じの実況中継で、

3~4 問リードされると、

答えを書いているのは子どもですから、

こちらは、

たし算の答えを書く子どもの

ペースメーカーになっています。

 

このようにすれば、

こちらの速いスピードのたし算を見ることで、

子どものたし算の答えを書くスピードは、

自然に速くなります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -574)、(+-  {\normalsize {α}} -323)